フランスのジャズギタリスト[ロメイン・ピロン]を今回は紹介しようと思います。
ロメイン・ピロンは、バークリー音楽大学を卒業後、パリでの活動を中心としています。
音楽大学でも教鞭をとっており、レッスン動画もマニアックながら、わかりやすい形になっています。
ロメイン・ピロンから学べるのは、メロディックマイナーやリディアン7thを「どう置き換えてフレーズにするか」という、プロの考え方です。
持ち帰る練習は3つ。①メロディックマイナーの置き換え(レッスン動画) ②E♭7のリディアン7thのフレーズ ③気になった演奏を採譜して分析すること。逆に、上級者向けの内容を一度に全部理解しようとしなくていい——考え方を知っておくだけでも、将来きっと役に立ちます。
Romain Pilonレッスン動画
自身のYouTubeチャンネルで公開している[ジャズギターミニレッスン]が、ものすごくためになります。
レベルとしてはかなり高く、上級者向けの内容になっていますが、考え方を知っておくと将来役に立つと思います。
ここでは、実際のプロギタリストがどういう考え方でフレージングしているかが、彼自身の考え方として紹介されています。
この動画では、メロディックマイナーを使用したフレーズのヒントを示してくれています。
コピーして分析するといいと思います。
Romain Pilonフレーズ
昔に採譜したものですが、共有したいと思います。
以下の演奏の中の、E♭7のリディアン7のフレージングからGM7までです。
実は2コーラス目の方が美味しいフレーズ盛りだくさんなのですが、今回はこちらを紹介します。

- まず冒頭の2小節の、E♭リディアン7を使用したフレージングですが、教科書的に美しい形なので覚えておいて損はないです。
- 3小節目はC/Dと捉えて、Cのトライアドを演奏。
- 4小節目は前の小節のモチーフを活かして、♭9th+トライアドを中心に構成。
- 5小節目はトニックのGM7のコードトーン中心の、パーカー的なビバップラインです。
Romain Pilonの機材
※機材は2023年当時の情報です。
少し前のインタビューも参考にしながら作成していますので、現在とは少し異なる箇所もあります。
一時的に使用していた物は省いています。
Romain Pilon使用ギター
ヴィクターベイカー Model15
このメーカーで一番有名な、15インチのフルアコのモデルです。
少し前までメインのギターとして使用していました(→ Victor Bakerのギターのレビュー、情報まとめ)。
現在はAurelian Peras[オレリアン・ペラス]という、フランスのルシアーのギターをメインで使用しています(恐らく15インチのアーチトップ)。
Romain Pilon使用エフェクター
頻繁に入れ替えており、固定の物とそうでない物があります。
基本的にクリーントーンは、EQで音を整えてディレイ、リバーブを通ってアンプへ入力されています。
歪みは[Strymon]のRiversideに一貫しています。
まずは、ほぼ毎回使用している物です。
リバーブ、ディレイ
ストライモンのEl Capistan、blueSkyのセット(→ Strymon blueSky レビュー|明るくきれいなシマー系リバーブ(V2で進化))
EARTHQUAKER DEVICESのAvalanche Run(→ EarthQuaker Devices Avalanche Run レビュー|ジャズ定番の2in1ディレイ&リバーブ【弱点も正直に】)のどちらかを使用
どちらかというと、Avalanche Run 1個でライブを行なっている時が多いようです。
空間系も、あまり深くはかけていません。
グライコ
[MXR] 6 BAND EQ
歪み系
[Strymon] Riverside
その他のエフェクター
毎回ボードに入っているわけではないですが、入れ替えて使用しています。
- [エレハモ] POG(→ スウェル系エフェクター完全ガイド|POG2とPico Swelloで作る現代ジャズの音)
- [BOSS] オクターバー(OC-3、OC-5)(→ BOSS OC-5 レビュー|オクターバーが“ベース代わり”になる唯一の理由)
- [エレハモ] フリーズ(→ Freezeを改造してみたのでやり方を解説【外部フットスイッチ化・使い方も】)
オクターバーは、ひと頃の現代ジャズギタリストの足元に、ほぼ必ずあったペダルです。
「OC-3・OC-5 は、ギラッド・ヘクセルマン、ラゲ・ルンド、カート・ローゼンウィンケル、ロメイン・ピロン……今のギタリストはほとんど使っていたんじゃないかな。今はもう使っていない人も多いですが、使い続けている人も結構多い。他に代わりが効かないエフェクターです。私自身も、OC-5をベース代わりに使っています。」
── 大倉(講師歴20年)
写真のボードは、少し前のものになります。

Romain Pilon使用弦
トマスティックのラウンドの、13からのゲージ
Romain Pilon使用アンプ
自宅のYouTubeの映像ではポリトーン(→ Polytone(ポリトーン)レビュー|オールドスタイルのジャズアンプ(中古の名機))
ライブでは、フェンダーのデラックス・リバーブを使用しています(→ Fender Deluxe Reverb レビュー|ジャズでも定番の真空管アンプ)。
Romain Pilon使用ピック
ダンドレア Pro Plec ティアドロップ型
最近では、valleypicksという工房のハンドメイドピックも使用しています(ピック選びは → ジャズに合うピックの選び方|悩み別おすすめと弾き方の落とし穴)。
Romain Pilonの音源
2023年当時で、リーダー作として7枚のアルバムを発表しています。
特に、2023年当時の最新作のアルバム[Falling Grace]はギタートリオで、
- Romain Pilon, guitar
- Yoni Zelnik, double bass
- Jeff Ballard, drums
のメンバーで、最高にかっこいい演奏です。
スタンダード多めな選曲もいいですね。
このギタリストから学べること・練習すること
① メロディックマイナーを「置き換え」で使う
レッスン動画の #16 は、メロディックマイナーを使った置き換えの考え方です。メロディックマイナーは、オルタードやリディアン7thの”親”にあたるスケール。仕組みを知っておくと、動画の内容がぐっと分かりやすくなります(→ メロディックマイナー・スケール|オルタード・リディアン7thの”親”)。
② リディアン7thのフレーズを1つ覚える
「Out of Nowhere」の冒頭2小節は、E♭7でリディアン7を使った、教科書的に美しいフレーズです。解決しない7thコードでリディアン7thをどう使うかはリディアン7thの使い方|解決しない7thコードと「半音が重なる4音」で扱っています。まずはこの2小節を、そのまま弾けるようにしてみてください。
③ 採譜して、分析する
彼のレッスン動画も演奏も、「コピーして分析する」のがいちばんの使い方です。1小節ずつ音を拾い、それぞれの音がコードの何度にあたるかを書き込んでいくと、プロの考え方が見えてきます(→ 耳コピの運用|何を・どうコピーするか)。
次に読む・あわせて見る
- Tom Ollendorff[トム・オレンドルフ]現代のジャズギタリスト紹介(同じくヨーロッパのギタリスト)
- Szymon Mika[シモン・ミカ]現代のジャズギタリスト紹介(Avalanche Runを核にした音作り)
- Lage Lund [ラゲ・ルンド]現代のジャズギタリスト紹介(コードありきで組み立てる現代のソロ)
- Victor Bakerのギターのレビュー、情報まとめ(少し前までのメインギター)
- メロディックマイナー・スケール|オルタード・リディアン7thの”親”(レッスン動画 #16 の土台)
- ジャズギタリスト紹介(他のギタリストも一覧で)
プロの「考え方」を、自分のフレーズにするところまで
メロディックマイナーやリディアン7thは、仕組みが分かっても、実際のフレーズにするところで止まりがちです。実際に弾いてもらいながら、どの音をどこで使えばあの響きになるかを一緒に確認します。手ぶらでOK。楽器はこちらで用意します。
体験レッスンを申し込む →大阪市西区南堀江/桜川駅・西大橋駅から徒歩5分(四ツ橋・JR難波も10分圏)・手ぶらOK