Tom Ollendorff[トム・オレンドルフ]現代のジャズギタリスト紹介

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大阪のギター教室[大倉ギター教室]代表の大倉甲です。
今回はイギリスのギタリストTom Ollendorff[トム・オレンドルフ]を紹介します。

30秒でわかる結論

トム・オレンドルフから学べるのは、クラシックギターの素地からくる繊細なアルペジオと、コードの形をそのままフレーズにする発想です。

持ち帰る練習の中心は3つ。①ドロップ2の形をそのままフレーズに使う ②トップの音にテンション(#11など)を置く ③オルタードのフレーズを1つ手札にする。あわせて、ソロギターのベースラインと、動画からの耳コピも(下の④⑤)。逆に、最初からリズムまで完全にコピーしなくていい——原曲のリズムは想像以上に複雑なので、このページの譜面は分かりやすくしてあります。まずは形と音使いから。

目次

Tom Ollendorff

私自身、ドラムのAri Hoenigのバンドで演奏している動画で彼を知りました。

イギリスのギタリストで、クラシックギターを幼少から始めていたようです。そのスタイルが現在も色濃く反映されていて、クラシカルで繊細なギターを弾きます。

プレイの特徴としては、ハイブリッドピッキングを多用したクラシカルなアルペジオだと思います。
ピッキング自体も非常にソフトなタッチで演奏しているようです。

ヨーロッパのギタリストを聴くと、いつも感じることがあります。

「ヨーロッパ出身のミュージシャン全員に言えることですが、演奏技術がすごく高いクラシックの影響が色濃く出ているので、音楽的な基礎力がものすごく高いミュージシャンが多いんです。」

── 大倉(講師歴20年)

Tom Ollendorffフレーズ

今回は、実際にTom Ollendorffのこの演奏からtranscribe(採譜)したものです。

チャーリー・パーカーの曲で、Cのブルースです。実際に採譜してみると、想像以上にリズムが複雑でした。
今回はフレーズ紹介ということで、少しリズムは分かりやすくしています。

Tom Ollendorff2-5フレーズ

まずはCに向かう2-5-1を紹介します。

Tom Ollendorffの2-5-1フレーズの採譜(Dm7→G7→CM7。チャーリー・パーカー「Bongo Beep」のソロギター演奏から)

  • 1小節目のDm7:ソロギターということもあり、ベースラインをリズミックに演奏しています。
  • 2小節目のG7:G7の裏コードのD♭7を意識した、オルタード系の音使いになっています。後半部分では、D♭7(♭5)のドロップ2のルートフォームをそのままフレーズに転用しています。
  • 3小節目のCM7:3度をベースにして、トップを#11のテンションにしています。

フレーズ2(C7alt)

これはC7からFに行く時に使用していたフレーズです。

Tom OllendorffのC7altからFへ向かうフレーズの採譜(オーギュメントを利用した形)

このフレーズは定番のオーギュメントを利用した形なので、汎用性が高く使い勝手もいいです。覚えておくと役に立つフレーズになっています。

Tom Ollendorffの演奏動画

チャーリー・パーカーのブルース曲です。
ソロが素晴らしすぎるのは当然として、バンドアンサンブルも最高ですね。

Tom Ollendorffの使用機材

※機材は2023年当時の情報です。

Tom Ollendorffは、自身ではあまり機材のことを発信していないので不明な点が多いですが、確定している部分だけ紹介します。

使用ギター Moffa Guitar

Moffa Guitar の選び方と購入方法は、別の記事にまとめています(→ Moffa Guitarの選び方と購入方法【5年待ったオーダー実録つき】)。

エフェクター

  • MXR M169 Carbon Copy(ディレイ)
  • TC Electronic Ditto Looper

ルーパーの選び方は → ルーパーエフェクターのおすすめと選び方|初心者はBOSS RC-1一択の理由

使用アンプ

CARRアンプ

Carr Ampは、アメリカのハンドメイドの真空管アンプです。ジャズギタリストでは他に使用している人を知りませんが、低音がリッチに出るというより、高音が綺麗な音のイメージのアンプです。
ライブでは、よくデラリバ(フェンダーのデラックス・リバーブ)を使用しているのが確認できます(→ Fender Deluxe Reverb レビュー|ジャズでも定番の真空管アンプ)。

ケーブル

Rigotti Cables

Tom Ollendorff étude

2022年2月に発売された、エチュード形式の教則本です。
公式の販売サイトでは日本では入手不可のため、日本国内では入手できなかったのですが、今回ベルギーのネットショップで購入することができました。

まだ最初の方しか手をつけていないのですが、曲自体の完成度が高く、楽しく弾きながら勉強できる良書になっています。

Tom Ollendorffのエチュード形式の教則本(2022年2月発売)

このギタリストから学べること・練習すること

① コードの形をそのままフレーズにする

2小節目の後半は、D♭7(♭5)のドロップ2のルートフォームをそのままフレーズに転用しています。押さえられるコードの形が、そのままアドリブの手札になるのがギターの強みです。まずは1つのコードの形を、上下に動かせるようにしておきます(→ ドロップ2ボイシング|”全ての始まり”の12フォームと、1コードを上下する練習)。

② トップの音にテンションを置く

3小節目のCM7は、3度をベースにしてトップを#11にしています。いちばん上の音にテンションを置くだけで、同じコードでも響きが一気に現代的になります。どのコードにどのテンションが使えるかは、法則で導けます(→ テンションコードの求め方とフォーム|法則で導いて、スタンダードで押さえる)。

③ オルタードのフレーズを1つ手札にする

2小節目の裏コード(D♭7)を意識した音使いや、C7altのオーギュメントを使ったフレーズは、ドミナントで使うオルタード系の音です。仕組みはメロディックマイナー・スケール|オルタード・リディアン7thの”親”で、すぐ使える形はドミナントリック2[オルタードリック]でまとめています。

④ ソロギターでベースラインを動かす

「Bongo Beep」はソロギターでの演奏です。1小節目のDm7では、ソロギターということもあり、ベースラインをリズミックに演奏しています。メロディとベースを同時に鳴らすところから、順番に積み上げてみてください(→ ギター1本でジャズらしく弾きたい|コードソロ・ソロギター入門)。

⑤ 動画から自分で耳コピする

このページの譜面はリズムを分かりやすくしてあります。本当のリズムの細かさは、音源を何度も聴いて自分で拾ったほうが確実に身につきます。1小節をリピートして、音を探すところから始めてみてください(→ 耳コピの運用|何を・どうコピーするか)。

次に読む・あわせて見る

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クラシカルで繊細なラインを、自分の手で弾けるところまで

ハイブリッドピッキングやソフトなタッチ、コードの形をフレーズにする発想は、動画を見るだけではなかなか身につきません。実際に弾いてもらいながら、どこを直せばあの響きに近づくかを一緒に確認します。手ぶらでOK。楽器はこちらで用意します。

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