ギター1本でジャズらしく弾きたい|コードソロ・ソロギター入門

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バンドがいなくても、ギター1本でジャズらしく——メロディもコードも自分で鳴らして、あの分厚い響きを出したい。ジョー・パスの『ヴァーチュオーゾ』のような演奏に憧れて、いざ真似してみると指が届かない・全然それっぽく聞こえない。そこで止まってしまう人は、とても多いです。ただ、始め方を間違えているだけのことがほとんどで、入り口さえ変えれば、1本でもちゃんとジャズになってきます

30秒でわかる結論

コードソロ・ソロギターの土台は「ドロップ2コード」。ただし、いきなり全部は覚えません。

1本でジャズを弾く近道は、メロディを一番上・ルートを一番下に置いた2音から始めること。これだけでも結構ソロギターになってきます。そして——いきなり『ヴァーチュオーゾ』のような名盤を目指すのも、ドロップ2を全部覚えるのも、最初は捨ててOKです。1〜4弦の「よく使う定番形」を何パターンか覚え、慣れたら内声(コードトーン・テンション)を足していく。この順番なら、1本でも無理なくジャズらしくなっていきます。

「1本でジャズ」でつまずくポイントは、だいたいこの4つ

たいてい複数当てはまります。そして「自分の一人弾きが本当にジャズの雰囲気になっているか」は自分では気づきにくい——これがこの記事の最後の話です。

あるある1|いきなり『ヴァーチュオーゾ』みたいに弾こうとして折れる

こんな状態:ソロギターに憧れて、ジョー・パスの『ヴァーチュオーゾ』のような有名録音をお手本にする。ところが音は分厚くて何を弾いているか分からず、コピーしようにも手が追いつかない。「自分にはまだ早い」と、そのまま棚上げになる。

なぜ起きる:あれは到達点であって、入り口ではないからです。「ソロギターという括りで練習する」のではなく、曲のテーマ(メロディ)を練習するときに同時にやるものです。名盤の完成形をゴールに置くと、最初の一歩がとてつもなく高くなってしまう。

回避策

名盤の再現はいったん忘れて、曲のメロディを一番上の音に、ルート(ベース音)を一番下に置いて、同時に弾く。まずはこの上下2音だけ。これだけでも結構ソロギターになってきますし、曲のハーモニーを理解しながらメロディを覚えていけるので、大倉もおすすめの練習にしています。ただし、すべての場面でベースノートを入れるのは実際むずかしいので、無理して全部には入れなくて大丈夫です。憧れの人物の背景を知りたくなったら ジョー・パス(人物ページ) もどうぞ。

ここだけは自己判定できない:その2音が「ジャズに聞こえているか」。同じ音符でも、ジャズは独特の訛り方(リズム)をする音楽で、その訛りが出ているかどうかは自分では判断しづらい部分です。

「どこがええねんこれ」

——大倉自身が、最初にジョー・パスの『ヴァーチュオーゾ』を聴いたときの正直な感想です。当時は、全く訳が分かりませんでした。

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

1本で弾くときの「音の重ね方」(概念図)

① メロディ(トップノート=一番上の音) ③ 内声=コードトーン/テンション(慣れてきたら足す) ② ベース(ルート音=一番下の音) まず この 2音 から

まずは①メロディと②ベースの上下2音だけ。慣れてきたら③の内声(真ん中の音)を少しずつ足していきます。※これは弦やフレットの位置を示す図ではなく、音の役割の重ね方を表した概念図です。

あるある2|ドロップ2を全部覚えようとして、途中で嫌になる

こんな状態:「コードソロにはドロップ2が要る」と知って、教則本を開く。ところが展開形×弦セットで数が多く、覚えるだけで手いっぱい。曲で使うところまで行き着かず、途中で止まってしまう。

なぜ起きる:ドロップ2は本来、全部で12ポジションあり、実践で使えるところまでマスターするには2〜3年かかる体系だからです。それを最初に丸ごと覚えようとすれば、当然しんどい。初心者がいきなり全部を抱えるのは、そもそも無理があります。

回避策

全部は覚えない。まずは1〜4弦のパターンだけ、それも「よく使うパターン」に絞って覚えます。それだけでも、ギターソロの中でコードソロが一気に使いやすくなります。ドロップ2そのものの押さえ方の基礎は 4和音の基本フォーム で整理できます。

ここだけは自己判定できない:「よく使う定番形はどれか」の取捨選択。曲やフレーズによって出番の多い形は変わるので、何を優先して覚えるかは、独学だと当たりをつけにくい部分です。

「いきなり自分でオリジナルのものを作るというよりは、定番の形を何パターンか覚えていくやり方がいい」。

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

あるある3|コードにすると指が届かず、押さえられない

こんな状態:9th・11th・13thを全部詰め込むというより、現代のギタリストのようなクラスターボイシング(隣り合う音を密集させた響き)を含んだコードが、なかなか押さえられない。真似しては、途中で断念する。

なぜ起きる:難しく押さえようとしすぎているからです。じつはウェス・ジョー・パス・ジム・ホールのコードの押さえ方は、現代のギタリストに比べて比較的ありきたりで、どちらかと言えば指の都合・押さえやすさを重視した形が多い。憧れの巨匠ほど、無理のない形で弾いているのです。

回避策

押さえやすい形から入っていい。軸は「トップノートにメロディを置く」こと。コードトーンで足りるところはドロップ2で押さえ、テンションが出てくるところは①ディミニッシュに置き換える②テンションで対応するかの2択で処理します。この進め方は「バリー・ハリス・メソッド」として確立されている考え方です。まずは押さえられる形で音を鳴らし、そこから少しずつ広げていきます。

ここだけは自己判定できない:ディミニッシュ変換かテンション対応かは、正解というより好みです。難しいのは、どの音をコードにして、どの音を単音で流すかの判断——ここが独学だと迷子になりやすいところです。

あるある4|一人で弾くとリズムがヨレて、間延びする

こんな状態:音は合っているのに、一人で弾くとどうも間延びする。メロディを追うのに精一杯で、テンポがだんだん遅くなったり、走ったりしてしまう。バンドで弾いていたときの気持ちよさが出ない。

なぜ起きる:伴奏がいないぶん、リズムを自分でキープしなければならないからです。ソロギターで重要なのはリズム——一人で弾いていても、テンポがキープできることです。特にインテンポ(ミディアムのスウィング)では、テンポ感がとても重要になります。

回避策

「セルフコンピング」を覚えること。メロディとメロディの合間に、ちょっとしたコードのコンピング(伴奏)を挟み込みます。これでリズミカルになり、コード感も出てきて、一人でも間延びしにくくなります。ソロギターでよく使われる手法なので、マスターできると1本の演奏がぐっと締まります。

ここだけは自己判定できない:その一人弾きのリズムが「合っているか」。メトロノームを使えば大まかな判定はできます。難しいのはその先の細かな揺れやスウィング感で——ここが1本弾きで一番やっかいなところです。

「ソロギターで重要なのがリズム、1人で弾いていてもリズムがキープできること」。

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

独学でどこまでいける?——正直に線を引きます

教室のサイトだからといって、独学を否定するつもりはありません。正直に書きます。コードソロ・ソロギターは、独学でかなりのところまでいけます。形を覚えて、2音から音を重ねていく作業は、一人でも十分に進められます。ただし、最後に残るのが下の表の「対面でしか直せないこと」です。

○ 独学・テキストでここまでできる

  • ドロップ2の1〜4弦の形を覚えるところまで
  • メロディ+ベースの上下2音を同時に鳴らす練習
  • 定番形・名盤フレーズのコピー(インプット)
  • トップノートにメロディを置く、という考え方の理解

● 対面でしか直せないこと

  • 一人弾きのリズムが合っているか(基準がなく自分では気づけない——ここが核です)
  • 「よく使う定番形」の取捨選択(何を優先して覚えるか)
  • どの音をコードにして、どの音を単音で流すかの判断(ディミニッシュ変換かテンション対応かは好み)
  • セルフコンピングを挟むタイミングと間(ま)の感覚

「対面でしか直せないこと」は「頑張れば独学でもできる」項目ではなく、構造的に一人では判定しづらい項目です。とくにリズム——一人で弾いていると、揺れていても比べる相手がいません。

「最後の話」として残しておいたのが、一人弾きがジャズの雰囲気になっているかどうかです。テンポが揺れているのかセルフコンピングの間なのかは、記事では切り分けられません。レッスンではまず一曲通して弾いてもらい、その日にやった内容をカルテに残しています。

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よくある質問

Q. コードソロとソロギターは何が違いますか?

A. 大まかには同じアプローチで、どちらもドロップ2コードが土台です。教室では似た練習として教えています。強いて言えば、コードソロはシングルラインのソロにコードを混ぜていく感じ、ソロギターは曲のメロディ全体をコードで弾いていく感じです。

Q. まず何から始めればいいですか?

A. いきなりジョー・パスの『ヴァーチュオーゾ』のような名盤を目指さないことです。曲のテーマ(メロディ)を練習するときに、メロディを一番上の音、ルートを一番下に置いて同時に弾く——これだけでも結構ソロギターになってきます。

Q. ドロップ2コードは全部覚えないとダメですか?

A. 初心者が全部覚えるのは難しいので、まずは1〜4弦のパターンだけ、それも「よく使うパターン」から覚えていくのがおすすめです。それだけでも、ギターソロの中でコードソロがぐっと使いやすくなります。

Q. コードだと指が届かず、押さえられません。

A. ウェスやジョー・パス、ジム・ホールのコードの押さえ方は、現代のギタリストに比べてありきたりで、指の都合・押さえやすさを重視した形が多いです。難しいテンションを全部詰め込まず、押さえやすい定番形から入って大丈夫です。

Q. 一人で弾くとリズムがヨレます。どうすれば?

A. ソロギターで一番重要なのがリズムで、一人で弾いていてもテンポをキープできることです。メロディの合間に短いコードのコンピング(セルフコンピング)を入れると、リズミカルになりコード感も出ます。ただしリズムが合っているかは、自分では判断しづらい部分です。

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大倉ギター教室|大阪市西区南堀江(桜川駅・西大橋駅 徒歩5分/四ツ橋・JR難波も10分圏)