ベースライン入門|2ビートはルートと5度から。まずレガートで繋ぎ、コードは後から足す

🔖 現在地:§5 コード(伴奏)> ベースライン(2ビート)

ベースラインのゴールは、コードを一緒に鳴らすことではありません。ルートと5度の2ビートを、レガートで(音を途切れさせずに)弾けること。これが全てに優先されます。前提が1つ、やることは4つ(+予告が1つ)。

前提=ルートと5度の位置の把握(このベースラインが、そのいい練習になります)。コードを足すときは4和音の基本フォーム(6弦を中指で押さえる形とroot37)を使います。そのうえで:

  1. ルートと5度の2ビート(1拍目ルート→3拍目5度・2分音符)=譜例A・B
  2. 3度も使う(繋がりがいい場面だけ)=譜例C
  3. 1拍目にコードを足す(綺麗に全部鳴らなくていい)=譜例D・E
  4. 4拍目にアプローチノート(次のコードのルートへ半音で)=譜例F・G
  5. 予告:4ビート(ウォーキング)は型で=譜例H〜J

やらないこと(引き算):

コードを綺麗に鳴らすことに時間を使わない——コードはなくてもさほど問題にならない
3度を主役にしない——ベースラインはルート・5度が圧倒的に多い
いきなり4ビートに行かない——アプローチノートの発展形が分かってから、型で覚える。

なぜコードより先に「レガート」か(30秒だけ理屈)

ギターとピアノのデュオでは、「普通に4つ切りしてあげたりだとか、あとベースライン弾いてあげたりってすると一番いい」。ジャズの土台になり、色んな曲に応用できるので、教室では初期段階のうちにやります。生徒も楽しんで取り組んでいます。

ベースラインで大事なのは、音を途切れさせないこと。「音を途切れさせたらあかんくて、常にレガート、音滑らかに繋いでいく風にした方がグルーブする」。コードを一緒に鳴らすかどうかは、その後の話です。

大倉の断言:まずはしっかりとベースラインをレガートで弾く。これは全てに優先される。コードはなくてもさほど問題にはならない。── 大倉(講師歴20年)

このページは2ビートがメインです。4ビート(ウォーキング)は、最後に予告として型を3つだけ載せています。

手順:4ステップ+予告(この順番で)

⚠ やりがちな無駄練習:「コードを綺麗に全部鳴らすことに時間を使う」。ベースラインでは、コードコンピングの優先度は低いです。まずはしっかりとベースラインをレガートで弾く。コードは綺麗に全部鳴らなくても、全部の箇所に入れなくても大丈夫です。

【1】ルートと5度の2ビート——1拍目ルート、3拍目5度

2ビートの最初は、ルート・5度から。1拍目にルート、3拍目に5度。どちらも2分音符で、次の音まで伸ばします。ほとんど5・6弦を使います。5度はルートと同じあたりのフレットで取ります(ルートの上に行く小節も、下に行く小節もあります)。譜例Aは、Cの2-5-1-6。

1弦 6弦 1 Dm7 R 5 5 5 2 G7 R 5 3 5 1弦 6弦 3 CM7 R 5 3 3 4 A7 R 5 5 7

譜例A(Cの2-5-1-6・ルートと5度):符尾の先に○=2分音符(2拍伸ばす)、○なし=4分音符。R=ルート、5=5度。紺=小節のコード。Dm7はレ(5弦5)からラ(6弦5)へ下がり、G7はソ(6弦3)からレ(5弦5)へ上がる。

同じことを枯葉(Gm)の最初の8小節で。Am7♭5の小節は、5度の代わりに♭5(ミ♭)を弾きます。

1弦 6弦 1 Cm7 R 5 3 3 2 F7 R 5 1 3 1弦 6弦 3 B♭M7 R 5 6 8 4 E♭M7 R 5 6 6 1弦 6弦 5 Am7♭5 R ♭5 5 6 6 D7 R 5 5 5 1弦 6弦 7 Gm7 R 5 3 5 8 Gm7 R 5 5 5

譜例B(枯葉の最初の8小節・ルートと5度):符尾の先に○=2分音符(2拍伸ばす)、○なし=4分音符。♭5=Am7♭5の減5度。最後のGm7はソをオクターブ上(4弦5)で取って、レ(5弦5)へ。

【2】3度も使う——繋がりがいい場面だけ

ルート・5度ができたら、次にルート・3度も合わせてみます。ただし、ベースラインとしてはルート・5度が圧倒的に多いので、そちらをメインに使いながら、メロディックな場面(3度に行った方が繋がりがいい・意味合いがある場合)は3度を優先します。

1弦 6弦 1 Cm7 R ♭3 8 6 2 F7 R 3 8 5 1弦 6弦 3 B♭M7 R 3 6 5 4 E♭M7 R 3 6 3 1弦 6弦 5 Am7♭5 R ♭3 5 3 6 D7 R 3 5 2 1弦 6弦 7 Gm7 R ♭3 3 1 8 Gm7 5 ♭3 0 1

譜例C(枯葉・3度を使う):符尾の先に○=2分音符(2拍伸ばす)、○なし=4分音符。3=長3度、♭3=短3度。最後のGm7はレ(5度・4弦開放)からシ♭(短3度)へ。

【3】1拍目にコードを足す——綺麗に全部鳴らなくていい

ベースの1拍目に、同時にコードを鳴らします。使うのはroot37、6弦を中指で押さえるフォーム、基本フォームが中心(4和音の基本フォーム+root37)。「6弦を中指、残りの3つは全部人差し指」の押さえ方は、小指と薬指が自由になるのが一番のメリットで、ウォーキングベースラインを混ぜたコードアプローチをするときに有利です。人差し指を6弦に持ってくると、レガートができなくなります。

コードは綺麗に全部鳴らなくても大丈夫。フォームもこれにこだわる必要はなく、全部の箇所に入れなくても構いません。

1弦 6弦 1 Dm7 R 5 5 7 5 6 5 2 G7 R 5 3 3 4 5 1弦 6弦 3 CM7 R 5 3 5 4 5 3 4 A7 R 5 5 5 6 5 7

譜例D(Cの2-5-1-6・コードを足す):符尾の先に○=2分音符(2拍伸ばす)、○なし=4分音符。縦に並んだ数字=1拍目に鳴らすコード(最低音がルート)。G7は6弦ルートの3音(R・♭7・3=root37)。3拍目は5度だけ。

1弦 6弦 1 Cm7 R 5 8 8 8 8 10 2 F7 R 5 8 7 8 6 8 1弦 6弦 3 B♭M7 R 5 6 7 7 6 8 4 E♭M7 R 5 6 8 7 8 6 1弦 6弦 5 Am7♭5 R ♭5 5 5 5 4 6 6 D7(♭9) R 5 5 4 5 4 5 1弦 6弦 7 Gm7 R 5 3 3 3 3 5 8 Gm7 R 5 5 5

譜例E(枯葉・コードを足す):符尾の先に○=2分音符(2拍伸ばす)、○なし=4分音符。D7の小節は♭9(2弦4)入りのフォーム。最後のGm7はベースだけ。

慣れたら、コードの場所を半拍後ろにしたりします(譜例D-2)。

1弦 6弦 1 Dm7 R コード 5 5 5 5 7 5 6 2 G7 R コード 5 3 5 3 3 4 1弦 6弦 3 CM7 R コード 5 3 3 3 5 4 5 4 A7 R コード 5 5 7 5 5 6 5

譜例D-2(Cの2-5-1-6・コードを半拍後ろに):譜例Dと同じ4小節・同じフォームで、コードを鳴らす位置だけを半拍うしろへ。ベースとコードを分けて書いています。下向きの符尾=ベース(1拍目ルート・3拍目5度、○=2分音符。譜例Aと同じ)、上向きの符尾=コード(1拍目の裏に、旗つき=8分音符)。ルートを伸ばしている間にコードが入ります。

大倉の断言:ベースラインでは、コードコンピングの優先度は低い。── 大倉(講師歴20年)

【4】4拍目にアプローチノート——次のコードのルートへ半音で

発展形は、アプローチノートを足すこと。「1拍目・2拍目がルート→3拍目で5度→4拍目に次のコードへのアプローチノート」。譜例では、ルートを2分音符(1・2拍目)にして、3拍目に5度、4拍目に次のコードのルートへ半音(上または下)から近づく音を置きます。コードも入れて練習します。

1弦 6弦 1 Dm7 R 5 ap 5 7 5 6 5 4 2 G7 R 5 ap 3 5 4 1弦 6弦 3 CM7 R 5 ap 3 3 4 4 A7 R 5 ap 5 7 6

譜例F(Cの2-5-1-6・アプローチノート):符尾の先に○=2分音符(2拍伸ばす)、○なし=4分音符。ap=次のコードのルートに半音で近づく音(Dm7の小節はソ♯→ソ、G7はド♯→ド、CM7はソ♯→ラ、A7はミ♭→レ)。1小節目はコード付き。繰り返して弾く。

1弦 6弦 1 Cm7 R 5 ap 8 10 9 2 F7 R 5 8 8 1弦 6弦 3 B♭M7 R 3 5 6 5 8 4 E♭M7 R 5 6 6 1弦 6弦 5 Am7♭5 R ♭3 ap 5 3 4 6 D7 R 5 5 5 1弦 6弦 7 Gm7 R 5 3 5 8 Gm7 R 5 5 5

譜例G(枯葉・アプローチノート):符尾の先に○=2分音符(2拍伸ばす)、○なし=4分音符。アプローチを入れる小節と入れない小節が混ざっている。3小節目(B♭M7)は3度→5度。譜例Eのコードを足して練習する。

【5】予告:4ビート(ウォーキング)は型で

4ビートは、この発展形が分かってきてから。「4ビートに関してはもう型で覚えていくのがいいんじゃないか」。ここでは型を3つだけ。譜例H=ルート・(ルートか3度)・5度・アプローチ(2ビートの発展形の2拍目にルートか3度を入れて、4分音符にした型)。譜例I=枯葉で、同じ型に半音の上行・下行を混ぜたもの(スケールで下がる小節もあります)。譜例J=主にスケールで上下する型(後半には譜例Hと同じ型も混ざります)。ベースラインを弾くときは「絶対走らない」ことも意識します(これは上級者向けの話です)。

1弦 6弦 1 Dm7 R R 5 ap 5 5 5 4 2 G7 R 3 5 ap 3 2 5 4 1弦 6弦 3 CM7 R R 3 5 ap 3 3 0 3 4 4 A7 R 3 5 ap 5 4 7 6

譜例H(Cの2-5-1-6・4ビート):4分音符(CM7の1拍目だけ8分音符2つ)。R=ルート、3=3度、5=5度、ap=次のコードのルートへのアプローチ。

1弦 6弦 1 Cm7 R 3 5 ap 3 0 3 2 2 F7 R 9 ap 3 1 3 4 5 1弦 6弦 3 B♭M7 R 3 5 ap 6 5 8 7 4 E♭M7 R 7 13 5 6 5 3 6 1弦 6弦 5 Am7♭5 R ♭9 ♭3 ap 5 6 3 4 6 D7 R R 5 ap 5 5 5 4 1弦 6弦 7 Gm7 R R 5 5 3 3 5 5 8 Gm7 R R 5 5 5 5 5 5

譜例I(枯葉・4ビート・その1):4分音符。1小節目のCm7で2拍目にミ♮(長3度・6弦開放)を弾いているのは、あえてです。コントラバスのベースラインでよくある形で、ポール・チェンバースもレイ・ブラウンも多用しています。F7はファ→ソ→ソ♯→ラと上がり(ソからは半音ずつ)、B♭M7のシ♭へ。

1弦 6弦 1 Cm7 R 9 ♭3 ap 3 5 6 7 2 F7 R ♭7 13 5 8 6 5 8 1弦 6弦 3 B♭M7 R 9 3 5 6 8 5 8 4 E♭M7 R 7 13 5 6 5 8 6 1弦 6弦 5 Am7♭5 R ♭9 ♭3 ♭5 5 6 8 6 6 D7 R R 5 3 5 5 5 2 1弦 6弦 7 Gm7 R 9 ♭3 9 3 0 1 0 8 Gm7 R R 5 ap 3 3 5 4

譜例J(枯葉・4ビート・その2):4分音符。9=9度、7=長7度、♭7=短7度、13=13度、♭9=♭9度。最後のGm7はド♯からCm7のド(頭)へ戻る。

大倉の断言:音を途切れさせたらあかん。常にレガートで繋ぐ

「音を途切れさせたらあかんくて、常にレガート、音滑らかに繋いでいく風にした方がグルーブする」。ベースラインを混ぜたコードアプローチでは、6弦を中指で押さえる形が有利で、人差し指を6弦に持ってくるとレガートができなくなります。

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

🎸 今日の練習(これ1つだけ)

譜例A(Cの2-5-1-6)を、音を途切れさせずに弾く。1拍目ルート、3拍目5度、どちらも次の音まで伸ばす。できたら譜例B(枯葉の8小節)。コードはまだ足さなくていい。

テンポ 指定はありません。クリックを2・4拍に置く練習の題材にもなります
確認 音が切れていないか/ほとんど5・6弦で取れているか/1拍目ルート・3拍目5度になっているか
できたら明日は 譜例C(3度)→譜例D・E(コードを足す)→色んな曲に当てはめてみる。このページをブックマークして、明日もここから始めましょう。

✅ これができたら次(コードソロ・ソロギター入門)へ

2ビートがメイン。4ビートは予告まで。テンポの指定はありません。

  • ☐ 1拍目ルート・3拍目5度の2ビートを、Cの2-5-1-6と枯葉の8小節で弾ける
  • ☐ 音を途切れさせずに(レガートで)次の音へ繋げられる
  • ☐ 3度を使う小節を、ルート・5度と使い分けられる
  • ☐ 1拍目にコードを足しても、ベースラインが崩れない(コードは綺麗に鳴らなくてもOK)
  • ☐ 4拍目のアプローチノートで、次のコードのルートに入れる
  • 走らずに、グルーヴしている
    └ ※最後の項目だけは、自分では判定しづらい部分です。音が合っているかは分かっても、走っているかどうか、グルーヴしているかどうかは、弾きながらでは聴き取りにくいもの。

最後の☐、走っていないか、グルーヴしているかは、弾いている側からは分かりにくいものです。レッスンでは私がベースラインだけを聴いて、走った場所や音が切れた場所をその場で指し、カルテに残します。

▶ 実際のカルテ(ジャズ経験者の1枚)を見てみる

よくある質問(FAQ)

Q. ギターでベースラインを弾くのは、どんな場面で使いますか?

A. ギターとピアノのデュオでは、「普通に4つ切りしてあげたりだとか、あとベースライン弾いてあげたりってすると一番いい」。ジャズの土台になり、色んな曲に応用できるので、教室では初期段階のうちにやります。コード進行を耳で追えるようになりたい人にも、まずベースラインを聞くことを勧めています。

Q. コードを一緒に鳴らさないとダメですか?

A. いいえ。ベースラインでは、コードコンピングの優先度は低いです。まずはしっかりとベースラインをレガートで弾くこと。これが全てに優先されます。コードはなくてもさほど問題にはなりません。足すときも、綺麗に全部鳴らなくても、全部の箇所に入れなくても大丈夫です。

Q. 3度はいつ使いますか?

A. ルート・5度ができたら、ルート・3度も合わせてみます。ただ、ベースラインとしてはルート・5度が圧倒的に多いので、そちらをメインに使います。3度に行った方が繋がりがいい、意味合いがある場面(メロディックな場面)では3度を優先します。譜例Cがその例です。

Q. 4ビート(ウォーキングベース)はいつから始めますか?

A. アプローチノートを足した発展形が分かってきてからです。4ビートは型で覚えていくのがいいと考えていて、このページには型を3つ(譜例H〜J)だけ載せています。2ビートがメインで、4ビートはその先です。

Q. コードはどのフォームで足しますか?

A. root37、6弦を中指で押さえるフォーム、基本フォームを中心に使います。「6弦を中指、残りの3つは全部人差し指」の押さえ方は、小指と薬指が自由になるのが一番のメリットで、ウォーキングベースラインを混ぜたコードアプローチをするときに有利です。人差し指を6弦に持ってくると、レガートができなくなります。

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