ジャズギター四つ切時のコードフォーム

ジャズギター講座 > 伴奏(コンピング)> 四つ切り

ジャズのバッキングで、各拍にコードをザクザクと刻む——この「四つ切り(4ビートのコンピング)」は、ジャズギターを学ぶ上で避けて通れないスタイルです。ところが、いつものコードフォームのまま高音弦まで押さえて刻むと、なぜか雰囲気が出ない。原因は、フォームと右手のリズムの両方にあります。このページでは、フレディ・グリーン由来の四つ切り専用フォームと、スウィングする右手の刻み方を、図つきで覚えます。

30秒でわかる結論

四つ切りは「専用のコードフォーム(6・4・3弦だけ)」と「一定でスウィングする四分音符」の2つで、一気にバンドがスウィングします。

核は音を厚くしないこと。ルートやテンションを盛らず、6・4・3弦のシンプルな和音を、心地よい四分音符で刻む。ここに徹すると、フルバンドの中でギターが「リズムの推進力」として効き始めます。やらないこと=高音弦まで全部押さえること、テンションを足して分厚くすること。四つ切りは、和音の豪華さではなくリズムで聴かせるスタイルです。

フレディ・グリーンのコードフォームを参考にしています。ジャズギターを学ぶ上で避けて通れないのが、四つ切の伴奏のスタイル。このフォームを知らずに、四つ切の時も高音弦まで押さえてしまってたりしませんか?

  • 何か雰囲気がいまいち出ない。
  • 四つ切を練習している
  • 正しい四つ切のコードフォームを知りたい。

このフォームは僕が音大でジャズギターを学んでいる時に、当時の師匠から教わったものです。当時は情報も少なく衝撃的でした。

通常のフォームとは異なりルートの音がなかったりしますが、アンサンブルの中では強力にサウンドします。

目次

6.4.3弦のみで構成されたコードフォーム

これらのフォームは全て6.4.3弦で構成されています。これにはしっかりとした理由があります。

一言で言ってしまうとスウィングする為です。凄い大雑把な解説ですが、中々文章では説明が難しいので、時代背景、このフォームのメリットを考慮し各々考えてみるといいでしょう。

それでは早速紹介していきます。

ジャズギター、コードフォーム(四つ切)

C7 6弦=5度 1 2 3 4 5 6 1fr 2fr 3fr 4fr 5fr 5 3 ♭7
C7 6弦=ルート 1 2 3 4 5 6 6fr 7fr 8fr 9fr 10fr R ♭7 3
Cm7 6弦=5度 1 2 3 4 5 6 1fr 2fr 3fr 4fr 5fr 5 ♭3 ♭7
Cm7 6弦=ルート 1 2 3 4 5 6 6fr 7fr 8fr 9fr 10fr R ♭7 ♭3
C7とCm7の四つ切りフォーム。3フレット付近の形は6弦が5度でルートがなく、8フレット付近の形は6弦がルート。金の丸=3度・7度、紺の丸=ルート・5度。
C 6弦=5度 1 2 3 4 5 6 1fr 2fr 3fr 4fr 5fr 5 3 M7
C 6弦=5度 1 2 3 4 5 6 1fr 2fr 3fr 4fr 5fr 5 3 R
C 6弦=ルート 1 2 3 4 5 6 6fr 7fr 8fr 9fr 10fr R 6 3
C 6弦=ルート 1 2 3 4 5 6 6fr 7fr 8fr 9fr 10fr R M7 3
Cの四つ切りフォーム(CM7・C6を想定)。3フレット付近の2つは6弦が5度、8フレット付近の2つは6弦がルート。金の丸=3度・6度・7度、紺の丸=ルート・5度。

恐らくこれまで弾いた事のある形も混ざってると思います。

ポイントはなるべくシンプルなハーモニーにしている点です。テンションノート等を入れるとソリスト、アンサンブルにおいて制限がかかる場合があります。このスタイルではハーモニーを提供するとゆうよりも、スゥイングのリズムを出す事に重点を置いています。

なので心地よいリズムを出すことを第一に考えましょう。

ポイント

ダイアグラム上のCコードはCM7、C6を想定しています。基本的にメジャーコードの時に使用可能です。少し古い演奏スタイルの時は、メジャーコード時に6thの音を取り入れるといいでしょう。

「大体の場合コンピングする場面ってのはベーシストがいてると思うので、まずベースの音、ルート音をなるべく弾かない方がいい。具体的に言うと、特に3度、7度の音を入れてください。」

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

四つ切り用フォームにルートの音がない形があるのは、いつも6・4・3弦で弾くためです。弾く弦を固定することで、音色とスウィング感が安定します。レッスンでは、私のウッドベース(コントラバス)と実際に合わせて練習できます。

四つ切りの弾き方(右手のリズム)

フォームを覚えたら、次は右手です。四つ切りは「どう押さえるか」より「どう刻むか」で決まります。ここが四つ切りの本体です。

① 右手はすべてダウンで刻む

四つ切りは各拍に和音を置く奏法なので、右手はすべてダウンピッキング(ダウン・ストローク)で刻みます。太く・粒をそろえて刻めるようにしましょう。

② 四分音符が命——スウィングは「3連符きっちり」ではない

四つ切りは四分音符(ダン・ダン・ダン・ダン)そのもの。だからこそ、この四分音符の質がすべてを決めます。よく「スウィングは3連符ベース」と説明されますが、3連符きっちりに弾くとかえってダサくなる——これは初心者にとても多い落とし穴です。実際の演奏は、譜面どおりの3連符にはなっていません。

正解は音源をよく聴いて、その雰囲気を真似すること。ミュージシャンごとにリズムの感じが違うので、耳で身につけるのがいちばん近道です(後述の名盤リンクを参照)。

「4ビートの場合は、四分音符が根本的に大事。かっこいい四分音符が弾けると、もうなんでもいいです。何やってもかっこよくなります。ただ、それがもうめちゃめちゃ難しいっていうのが、ジャズのリズムの深いところですよね。」

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

③ 足でリズムを取るか(2拍・4拍)

四つ切りの練習では「足で拍を取ったほうがいいか」がよく話題になります。結論は「どっちでもいい」——意見が分かれるところです。ただし大前提として、足のリズムはズレやすい。まずは足だけで一定に踏めるようにしてから、演奏中に踏むかどうかを選びましょう。ズレたり不安があるときは、動かさないほうが安全です(ステージ上では共演者の邪魔にもなります)。

④ 2拍・4拍のアクセントは「付けない」——自然に付くもの

よく「ジャズは2・4拍」と言われますが、四つ切りでは意図的にアクセントを付けません。付けにいくとレゲエっぽくなって、おかしくなります。ベースの4ビートを聴くと分かりますが、2・4拍は「ちょっと強いかな」くらい——意図したアクセントではなく、自然にそうなる形です。ドラムの音源やメトロノーム(クリックを2・4に置く)と一緒に練習していると、自然に少しだけ2・4が強くなってきます。それで正解です。

⑤ ゴーストストロークは「減らしていく」

ゴースト(実音を出さない空ストローク)は、段階的に減らします。最初期は全拍に入れて感覚を掴む→次に2・4の裏だけに入れて、ドラムのシンバルレガートの真似をする→そこから状況に応じて減らす。最後に残るのは4の裏が多いですが、最終的には「なくてもグルーヴできる」のがベストです。

コツは、シンバルレガートやベースの4ビートにまとわりつくような一体感。実際の演奏の音源に合わせて弾くのが、一番いい練習です。

この四つ切りで練習すること

① フォームを手に入れる(6・4・3弦だけ)

まずは上の図のフォームを、6・4・3弦だけで鳴らせるようにします。高音弦は触らない。ルートが無くても、ベースが支えてくれるので3度・7度が入っていれば和音は成立します。1つのコードで押さえられたら、隣のコードへスムーズに移れるか(トップノートが飛ばないか)も確認しましょう。

② リズムを一定に(四分音符の質)

フォームが押さえられたら、ひたすら四分音符でダウンに刻む。速く弾く必要はありません。粒がそろっているか・走っていないかだけを気にします。テンポキープができてきたら、音源に合わせてスウィング感を寄せていきます。3連符きっちりにしないこと、が合言葉です。

③ 実曲での使い所

四つ切りはスウィング系のスタンダード、とくにメジャーコードの箇所でそのまま使えます。編成では、ピアノとのデュオで特に効きます(大倉いわく「普通に4つ切りしてあげたりだとか、ベースライン弾いてあげたりってすると一番いい」)。フルバンドではギターが刻む必要のない場面もあるので、役割分担を意識するのがコツです。

どんな雰囲気で刻むのか——実音で確かめるのが一番です。四つ切りの名手フレディ・グリーンが在籍したカウント・ベイシー楽団の演奏を、下の名盤リンクから聴いてみてください。

練習の手順:

  1. 図のフォームを6・4・3弦だけで1つずつ押さえられるようにする。
  2. メトロノームで四分音符をダウンでひたすら刻む(粒をそろえる・走らない)。
  3. スウィング系スタンダードの本物の音源に合わせて、その雰囲気に寄せる(3連符きっちりにしない)。
  4. 録音して聴き返す。四分音符が心地よく前に進んでいれば合格です。

大倉の断言:スウィングを楽譜どおりの3連符きっちりに弾くと、すごくダサくなる。初心者に非常に多いパターンです。実際の演奏はその3連符どおりにはなっていない。だから音源をよく聴いて、その雰囲気を真似することが最も重要です。── 大倉(講師歴20年)

次に読む・あわせて聴く(四つ切り・伴奏)

大倉ギター教室・体験レッスン

四つ切りが「バンドをスウィングさせる」ところまで、一緒に

四つ切りは、フォームは覚えられてもリズムの感じ方で差が出ます。合っているかは自分では分かりにくいところ。実際に弾いてもらいながら、一緒に確認します。手ぶらでOK。楽器はこちらで用意します。

体験レッスンを申し込む →

大阪市西区南堀江/桜川駅・西大橋駅から徒歩5分(四ツ橋・JR難波も10分圏)・手ぶらOK

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次