ドロップ2×ディミニッシュのゴールは、8つのコードを覚えることではありません。6thコードとディミニッシュを交互に並べて、トップの音でドレミファソラシドを弾けること。ここが出発点です。前提が1つ、やることは5つ。
前提=ドロップ2(始めて少し弾けてきたらでOK。完全に覚える前で大丈夫、両方やると相乗効果で覚えやすくなります)。そのうえで:
- 仕組み=6thコード(C6=Am7)の4つの形の間を、ディミニッシュで埋める(8つのコードで1オクターブ)
- 2-3-4-5弦のC6・4形(フォーム①〜④)=ドロップ2の形の7度を全音下げる
- dim7・4形(フォーム⑤〜⑧)=同じ形を3フレットずつ
- 譜例A・A-2=Cの6th-dimスケールを上り下りする(トップがドからシまで上がって1オクターブ上のドへ、そして逆順に戻る)
- 譜例B=Fly Me to the Moon の最初の4小節にハーモニーを付ける
やらないこと(引き算):
✕ ドロップ2を12ポジション全部覚えてから、と待たない——少し弾けてきたら始める。
✕ メジャーとマイナーを別々に覚えない——C6=Am7で同じもの。
✕ ドミナント(7th)版のスケールまで広げない——譜例BのG7の小節は例として載せているだけ。本題はメジャーとマイナー。
なぜ「ドロップ2の途中」で始めるのか(30秒だけ理屈)
バリー・ハリス理論でも、ドロップ2を基本に持ってきます。ドロップ2で各コードトーンの4和音を4つ展開させて、その間のコードをディミニッシュで繋いでいく。これで、ドレミファソラシド全部の音にハーモニーが付けられるようになります。6thコードとディミニッシュの連結が出発点で、ソロの側ではビバップスケール(ディミニッシュと6th系のアルペジオを交互)と対になる考え方です。私は音大で習いました。
このページで扱うのはメジャーとマイナーだけ——C6=Am7で、この2つは同じものです。
手順:5ステップ(この順番で)
【1】仕組み=6thコードとdim7を交互に並べる
Cのメジャースケールにソ♯を足した8つの音(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ソ♯・ラ・シ)を、1音ずつトップに置いてコードを付けます。ド・ミ・ソ・ラ(C6の構成音)がトップのときはC6の形、レ・ファ・ソ♯・シがトップのときはdim7の形。C6の4つの形(ドロップ2)の間に、同じdim7の4つの形が1つずつ挟まる——これが6th-dimスケールです。C6の4音はAm7と同じ4音なので、Am7の曲でもそのまま使えます。
図1(仕組み):上の段=トップの音(メロディ)、下の段=そのとき押さえるコード。紺=C6(=Am7)の4つの形、金=dim7の4つの形。交互に並ぶので、隣の音へ動くたびに形が切り替わります。
【2】C6の4形(フォーム①〜④)——ドロップ2の形の7度を全音下げる
弦セットは2-3-4-5弦から。C6は、ドロップ2で覚えたCM7の形の7度(△7)を全音下げて6度にするだけです。図は横型(上が1弦・下が6弦)、ルート=赤、3度・6度=金、5度=紺。フレット番号はCのキーで押さえた場合。番号(フォーム①〜⑧)は譜例Aに出てくる順(最低音が低い順)で、このページの便宜上のものです。教室で決めている番号ではありません。フォーム①は開放弦の形が最初に出ます。
フォーム① C6(=Am7)・最低音=6度(ラ)(下から 6→3→5→R)
Cのキーで:5弦12fr=6/4弦14fr=△3/3弦12fr=p5/2弦13fr=R
※ドロップ2(2-3-4-5弦・最低音が7度の形)の7度を全音下げた形。開放弦でも同じ形(5弦0・4弦2・3弦0・2弦1=譜例Aの最初)
フォーム② C6(=Am7)・最低音=ルート(ド)(下から R→5→6→3)
Cのキーで:5弦3fr=R/4弦5fr=p5/3弦2fr=6/2弦5fr=△3
※ドロップ2(2-3-4-5弦・最低音がルートの形)の7度を全音下げた形
フォーム③ C6(=Am7)・最低音=3度(ミ)(下から 3→6→R→5)
Cのキーで:5弦7fr=△3/4弦7fr=6/3弦5fr=R/2弦8fr=p5
※ドロップ2(2-3-4-5弦・最低音が3度の形)の7度を全音下げた形
フォーム④ C6(=Am7)・最低音=5度(ソ)(下から 5→R→3→6)
Cのキーで:5弦10fr=p5/4弦10fr=R/3弦9fr=△3/2弦10fr=6
※ドロップ2(2-3-4-5弦・最低音が5度の形)の7度を全音下げた形
【3】dim7の4形(フォーム⑤〜⑧)——同じ形を3フレットずつ
間に挟まるdim7は、Bdim7・Ddim7・Fdim7・G♯dim7の4つ。どれも同じ4音(シ・レ・ファ・ソ♯)なので、押さえる形は1つで、3フレットずつ上げていくだけです。最低音をルートとして度数を書いています。
フォーム⑤ Bdim7・最低音=シ(下から R→♭5→♭♭7→♭3)
Cのキーで:5弦2fr=R/4弦3fr=♭5/3弦1fr=♭♭7/2弦3fr=♭3
フォーム⑥ Ddim7・最低音=レ(下から R→♭5→♭♭7→♭3)
Cのキーで:5弦5fr=R/4弦6fr=♭5/3弦4fr=♭♭7/2弦6fr=♭3
※Bdim7(フォーム⑤)と同じ形を3フレット上
フォーム⑦ Fdim7・最低音=ファ(下から R→♭5→♭♭7→♭3)
Cのキーで:5弦8fr=R/4弦9fr=♭5/3弦7fr=♭♭7/2弦9fr=♭3
※Bdim7(フォーム⑤)と同じ形を6フレット上
フォーム⑧ G♯dim7・最低音=ソ♯(下から R→♭5→♭♭7→♭3)
Cのキーで:5弦11fr=R/4弦12fr=♭5/3弦10fr=♭♭7/2弦12fr=♭3
※Bdim7(フォーム⑤)と同じ形を9フレット上
【4】譜例A・A-2=Cの6th-dimスケールを上り下りする
2分音符で、C6の形とdim7の形を交互に上がります。トップの音がド・レ・ミ・ファ・ソ・ソ♯・ラ・シ・ド。上り(譜例A)と下り(譜例A-2)を分けて載せています。テンポの指定はありません。
▲ 譜例A=上り
譜例A(Cの6th-dimスケール・上り):金=押さえるコード。1小節目のC6は開放弦の形(5弦0・4弦2・3弦0・2弦1)、5小節目は同じ形の12フレット上。トップの音でドレミファソラシドが弾けるところが合格の目安です。
下りは、同じ9つのコードを逆順に。トップの音がド・シ・ラ・ソ♯・ソ・ファ・ミ・レ・ドと下がります。
▼ 譜例A-2=下り
譜例A-2(Cの6th-dimスケール・下り):金=押さえるコード。1小節目のC6は12フレットの形から始めて、5小節目に開放弦の形(5弦0・4弦2・3弦0・2弦1)で終わります。上りと同じ形を、逆の順に押さえるだけです。
【5】譜例B=Fly Me to the Moon の最初の4小節
メロディをトップに置いて、同じ考え方でコードを付けたものです。Am7の小節はAm7(=C6)の形と、シの拍だけdim7(トップはド・シ・ラ・ソ)。Dm7の小節はDm7(=F6)の形と、ソの拍だけdim7(トップはファ・ソ・ラ・ド)。G7の小節は、同じ考え方をドミナントに当てたもので、G7の形と、ラの拍だけF♯dim7(トップはシ・ラ・ソ・ファ)。最後はCM7(トップはミ)。
譜例B(Fly Me to the Moon・作曲 Bart Howard・最初の4小節):4分音符の重音。紺=小節のコード、金=各拍で押さえる形。メロディの音がコードトーンならそのコードの形、間の音ならdim7、が基本の当て方です。
大倉の断言:ギターで凄く有効。メロディにコード付けをする時は、主にこの手法を使う
「ギターで凄く有効で、例えばドロップ2ボイシングとかで、テーマ(メロディー)を弾きたい時、メロディーにコード付けをする時は主にその手法を使うことが多い」。ギタリストと相性がよく、特にコードソロではすごく役に立ってきます。
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
🎸 今日の練習(これ1つだけ)
譜例Aを、Cで弾く。C6/A→
✅ これができたら次(コードソロ・ソロギター入門)へ
合格の目安=ドレミをハーモナイズして弾ける(これが出発点)。テンポの指定はありません。
- ☐ 仕組み(6thコードとdim7を交互に並べると、スケールの全部の音にハーモニーが付く)を言える
- ☐ C6の4形(フォーム①〜④)を、2-3-4-5弦で押さえられる
- ☐ dim7の4形(フォーム⑤〜⑧)を、3フレットずつ移動して押さえられる
- ☐ 譜例A(Cの6th-dimスケールの上り。できれば譜例A-2の下りも)を、止まらず弾ける=トップの音でドレミファソラシドが弾ける
- ☐ 譜例B(Fly Me to the Moon の4小節)を通せる
- ☐ メロディにハーモニーを付けたとき、6thとdim7の選び方が曲の中で自然に聞こえる
└ ※最後の項目だけは、自分では判定しづらい部分です。付けたコードが合っているかは分かっても、その響きが曲の流れの中で自然かどうかは、弾きながらでは聴き取りにくいもの。
上の練習箱は、Cの6th-dimスケールと、Fly Me to the Moon の最初の4小節まで。次にどの曲のメロディでやるかは人によって違うので、レッスンではその日にやった曲と小節をカルテに残しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 「6th-dim」「バリー・ハリス」とは何ですか?
A. 6thコード(C6)とディミニッシュ(dim7)を交互に連結する考え方で、バリー・ハリス理論の基本です。C6の4つの形の間にdim7を1つずつ挟むと、スケールの8つの音すべてにコードが付き、メロディにそのままハーモニーを付けられます。形は8つでも、曲の中でどの音にどちらを当てるかは、慣れが要る部分です。
Q. なぜmaj7ではなく6thなのですか?
A. この考え方では、コードは6thになります。C6の4音(ド・ミ・ソ・ラ)はAm7と同じ4音なので、メジャーとマイナーは同じもの=同じコードスケールを共有します。譜例BのAm7の小節は、そのままC6のスケールの形で弾いています。このページのスケールは6thで作っていて、譜例Bの最後の小節はCM7のままです。
Q. ドロップ2を12ポジション全部覚えてからですか?
A. いいえ。ドロップ2を始めて少し弾けてきたら取り組みます。完全に覚える前で大丈夫で、両方をやると相乗効果で覚えやすくなります。どのタイミングで入るかは、ドロップ2の進み方を見て決めています。
Q. マイナーの曲ではどうしますか?
A. 同じものです。Am7=C6、Dm7=F6のように、マイナーセブンは関係調の6thコードと同じ4音なので、同じスケールの形がそのまま使えます。譜例Bでは、Am7の小節とDm7の小節がそれです。
Q. 合格の目安は?
A. 「ドレミをハーモナイズして弾ける」——これが出発点です。譜例A(Cの6th-dimスケール)が弾けて、譜例B(Fly Me to the Moon の4小節)を通せたら、そこから先はメロディのハーモナイズを曲の中で広げていきます。
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