ジャズギターに必要なアクセサリー完全ガイド|最初に揃える物から予算まで現役プロが解説

「ギターを買ったら、ほかに何を揃えればいいですか?」――これも教室でよく受ける質問です。結論から言うと、最初に必要なのはチューナー・シールド(ケーブル)・アンプの3つだけ。あとは演奏スタイルが見えてきてから、ストラップ・ケース・ワイヤレス・スタンドと足していけば十分です。

この記事は、ジャズギターまわりのアクセサリー全般の選び方を、悩み別にまとめた総合ガイドです。チューナー・シールド・ストラップ・ケース・ワイヤレス・譜面台・スタンドを、20年教えてきたジャズギター講師が「実際に使って・失敗して」きた経験ベースで解説します。チューナーとシールドは奥が深いので、それぞれ専用の記事に深掘りリンクを張っています。

30秒の結論

  • 最初に揃えるのはチューナー・シールド・アンプの3つ。予算を抑えたいならチューナーはスマホアプリで代用できます。
  • チューナーはクリップ式が基本。迷ったら TC Electronic の UniTune(ユニチューン) ひとつでOKです。
  • シールドは Belden 8412 の3m が定番の最初の1本(側面にジャックがあるギターはL字プラグが便利)。
  • ストラップは座って弾くときも使うのが正解。Moody や Comfort Straps が定番です。
  • アクセサリー一式の予算は最低で約1.5万円、快適に揃えても約5万円あれば十分です。
アイテム 最初の1本・結論 詳しくは
チューナー クリップ式の TC UniTune(予算なければアプリでも可) チューナー
シールド(ケーブル) Belden 8412 の3m(側面ジャックはL字) シールド
ストラップ Moody/Comfort Straps(座奏基準の長さで) ストラップ
ケース いいギグバッグを1つ(Reunion Blues/NAZCA) ケース
ワイヤレス 任意(試して気にならなければ BOSS WL-20) ワイヤレス
スタンド・譜面台 Hercules のスタンド(ラッカー塗装は要対策) スタンド・譜面台

※価格は2026年6月時点の市場相場の目安です。変動しますので購入時にご確認ください。

目次

まず揃える物と、全部でいくらかかるか

これからジャズギターを始める人が、ギター本体のほかに最初に揃えるべきものはシンプルです。チューナー・シールド・アンプ。ほとんどの人はこの3つから始めます。チューナーは、予算を削りたいならまずスマホのアプリでも代用できます(精度はクリップ式に劣りますが、最初の一歩としては十分)。

アクセサリー一式の予算の目安

  • 最低ライン=約1万5,000円:シールド約5,000円+小型アンプ約1万円。チューナーとメトロノームはスマホ、ケースはギター付属のものを使う、という割り切り。
  • 快適ライン=約5万円:クリップチューナー・いいシールド・ストラップ・スタンドまでひと通り揃えても、このくらいを見ておけば十分足ります。

「これは後回しでいい」ものも書いておくと、ワイヤレス・予備のいいケース・譜面台あたりは、必要になってからで大丈夫です。まずは音を出して練習できる最小セットから始めましょう。

チューナー:迷ったら TC の UniTune ひとつで足ります

チューナーはクリップ式・ペダル式・アプリの3タイプがありますが、基本はクリップ式で困りません。そしてクリップ式は反応速度と安定性で TC Electronic の PolyTune/UniTune がダントツ。私はほぼ全種類を試してきましたが、いまだにこの2つの優位は変わっていません。

PolyTune と UniTune のどちらか迷ったら、私はUniTune で十分だと答えています。PolyTune の「全弦を一度に合わせる」機能は最初の数回は面白いのですが、結局1本ずつ合わせるので使わなくなりますし、UniTune のほうが誤作動もありません。注意点として、千円前後の最安クラスはほぼ使い物になりません(精度・操作性・視認性すべて低い)。最低でも D’Addario や KORG のクラスから選んでください。

チューナーは奥が深いので、クリップチューナーの選び方の詳細は おすすめのクリップチューナー に、ペダル式の定番 PolyTune 3 のレビュー(常時点灯・Mini と通常サイズの違い・バッファー)は ポリチューン3 にまとめています。基準ピッチ440/442の考え方や、つけっぱなしで弾くとラッカー塗装が傷む話なども、そちらで詳しく解説しています。

シールド(ケーブル):最初の1本は Belden 8412 の3m

ケーブルで音は変わります。ただしハイエンド同士の差はかなり弾き込まないと分からないので、最初はそこまで神経質にならなくて大丈夫。最初の1本を選ぶなら、定番の Belden(ベルデン)8412 の3メートルがおすすめです。長さは自宅・教室・足元にエフェクターを置くスタイルなら3mで十分。アンプに直結する場合だけ5mあると安心です。

プラグの形は、ギターの側面(横)にジャックがあるタイプならL字が邪魔になりにくくおすすめ。逆に、千円程度の極端に安いケーブルは音もノイズ耐性も悪いので避けてください。楽器店で7,000〜8,000円くらいの中から選べば、長く使えて音も問題ありません。

ケーブルまわりは話すことが多いので、専用記事に分けています。選び方・長さ・L字・各ブランドの音のキャラクター・断線時の対処は ギターシールドの基礎知識 へ。自分で作る(自作)方法は ギターシールドの自作 へ。そして、抜き差しのノイズが出なくなる便利なサイレントプラグについては サイレントプラグについて にまとめています(教室でも生徒さんに大好評の小ワザです)。

ストラップ:座って弾くときも使うのが正解

意外と知られていませんが、ストラップは座って練習するときも使うのがおすすめです。楽器が安定しますし、ストラップがないとできないフォームもあります。選ぶ基準は肩への負担。私がよく使うのは、もともとベース用で肩の負担を軽くするComfort Straps(コンフォートストラップ)と、革の幅広で滑り止めのついたMoody(ムーディー)。Moody はジャズギタリストに使用者が多い定番です。

長さの合わせ方とストラップロック

ストラップは「座って弾いたときの状態」を再現するための道具です。座ってストラップをかけ、ギターが軽く浮く程度(膝・太もも・肩で支える状態)の長さに合わせると、そのまま立っても座っても弾く高さが変わらず、一番弾きやすい。下げるほど見た目はかっこよくなりますが、確実に弾きにくくなります。

ストラップロック(楽器店の100円の安全ゴムなど)は、外れやすいストラップなら使う価値あり。ただし Moody クラスの滑り止めがあれば、私はそれで十分足りています。とはいえストラップが外れて楽器を落とす人は本当によく見ます。ねじれていないか、たまに確認してください。

ケース:いいギグバッグを1つ持つのが正解

ケースはハードケース・ギグバッグ・ソフトケースの3種で、用途次第。長期保管や車移動が多いならハードケース、普段の持ち運びはギグバッグが主流です。私はギターに付属してきたReunion Blues(リユニオンブルース)と、ソリッド用に軽くて丈夫なNAZCA(ナスカ)を使っていて、どちらも10年以上ノートラブル。逆に、激安ギターに付いてくるソフトケースは使わないこと。ストラップやファスナーが壊れてギターが落ちる事故を何度も見ています。

  • 移動:大阪市内なら電車移動の人が多いですが、混んだ電車でフルアコは正直こわい。ケースはしっかりしたものを。私は今はどこへ行くにも基本は車です。
  • 雨の日:みんな考えすぎです。ちょっと濡れる程度ならケースの中まで染み込みませんし、本体も拭けば大丈夫。浸水するほどの大雨のときだけ気をつければOK。
  • 飛行機:機内持ち込みは現実的にはほぼ無理(席をもう1つ買えば別)。預け荷物にするなら信頼できるハードケースか Reunion Blues クラスで。ちなみにジュリアン・ラージは飛行機用に、ネックを簡単に外せるよう Nacho のギターを改造して手荷物にしているそうです(ソリッドならアリの裏ワザ)。
  • サイズ選び:フルアコは同じ「○インチ」でも形に差があるので、楽器店で片っ端から入れてみるのが確実。ネットで当てずっぽうに買うと不安です。

ワイヤレス:アリ。ただし一度試してから

ワイヤレスは「アリかナシか」で言えばアリです。デジタル機器なのでわずかな遅延(レイテンシー)は出ますし、環境によっては電波の混線で音が途切れることもあります。なのでまず一度試して、遅延と途切れが気にならなければ使う、という判断がおすすめ。ケーブルがないだけでストレスは大きく減ります。難点は充電が少し面倒なことくらい。

最近はアンプ側にワイヤレスを内蔵したモデル(ヤマハ THR-II シリーズや BOSS など)も増えていて、これを使う人がとても多い印象です。単体で選ぶなら、私はレイテンシーの面で BOSS の WL-20 が一番だと感じています。逆に安価すぎるものは充電などの運用面で使いにくいので、あまりおすすめしません。(※WL-20の価格は約2万円。現行実売は購入時にご確認ください)

譜面台・スタンド:ラッカー塗装だけは要注意

譜面台は、ライブハウスには常設されていることが多いので、ある会場なら持っていきません。カフェなど常設のない現場には、持ち運び用のアルミの軽い譜面台を持っていきます(屋外は軽いと飛ぶので、その時だけしっかりしたものを)。最近はiPadを譜面にする人がとても多く、BGM系の長い譜面では2台使うことも。譜めくりペダルもAmazonなどで安く手に入りますが、私自身はまだ紙のほうが安心です。

ギタースタンドとラッカー塗装の「焼け」

スタンドで一番気をつけたいのが、ラッカー塗装のギターはスタンドのゴムと化学反応して塗装が溶けることがある点。私はHercules(ハーキュレス)のスタンド(ゴムが対策済み)を使っていてトラブルはありませんが、通常のゴムのスタンドを使うときはゴムの部分に包帯を巻いて対策しています(巻きやすく、これでトラブルゼロ)。

普段のギターは、できれば出しっぱなしがおすすめ。弾きたいときにすぐ手に取れる環境のほうがコツコツ練習が続きます。置くなら、安定感の高い首掛けタイプのスタンドが安心です。

スタンドのタイプ別の比較(壁掛け・吊り下げなど)は ギタースタンドをタイプ別に紹介 にまとめています。

アクセサリーの買い物で失敗しないために

最後に、買い物の失敗を防ぐコツを。一番多いのがYouTubeやSNSで見て買うパターン。あれの多くは宣伝なので、そこまで良い物とは限りません。特に中国ブランドの激安アクセサリーは、見た目は良くても性能がいまひとつだったりチープだったりします。私自身、安いチューナーやケーブルで失敗を重ねてきて、最近はそういう買い方をしなくなりました。

ライブやセッションに行くときは、ギターのケースの中に最低限の工具セット(六角レンチ・小さいニッパー)と予備の弦を必ず入れておくと安心です。予備のシールド・ピック・チューナーも含め、忘れ物をしないチェックの習慣が、結局いちばんのトラブル予防になります。

よくある質問(FAQ)

Q. ギターと一緒に、最初に何を揃えればいい?

A. チューナー・シールド・アンプの3つです。チューナーは予算を抑えたいならスマホアプリでも代用できます。一式の予算は最低で約1万5,000円、快適に揃えても約5万円あれば十分です。

Q. チューナーはスマホアプリじゃダメ?

A. 最初の一歩としてはアプリでもOKです。ただしアプリは周囲の音や人の声にも反応してしまうので、本格的に使うならクリップ式(TC の UniTune など)がおすすめ。スマホアプリは「いざという時の保険」として入れておくと便利です。

Q. シールド(ケーブル)で音は変わる?

A. 変わります。ただしハイエンド同士の差は弾き込まないと分かりにくいので、最初は神経質にならなくて大丈夫。最初の1本は Belden 8412 の3mが定番です。千円程度の極端に安いものだけは、音もノイズ耐性も悪いので避けてください。

Q. ワイヤレスは遅延が気になりませんか?

A. わずかな遅延は出ますが、多くの人は気づかないレベルです。環境によって途切れることもあるので、一度試して気にならなければ使うのがおすすめ。ケーブルがない快適さは大きいです。単体なら BOSS の WL-20 が安定しています。

Q. ストラップは座って弾くときも要る?

A. はい、座奏のときも使うのがおすすめです。楽器が安定し、ストラップがないとできないフォームもあります。座ってギターが軽く浮く長さに合わせると、立っても座っても弾く高さが変わらず一番弾きやすくなります。

Q. ギタースタンドにそのまま置いて塗装は大丈夫?

A. ラッカー塗装のギターは、スタンドのゴムと化学反応して塗装が溶けることがあります。ゴムが対策済みの Hercules を使うか、通常のスタンドならゴム部分に包帯を巻くと安心です。普段は出しっぱなしにして、安定感の高い首掛けタイプに置くのがおすすめです。

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