ジャズは覚える項目が多い。だから「全部を完璧に」ではなく、いる/いらないを切り分けて・自分のレベルに合った入口から積み上げるのが最短ルートです。
入口は2つ。ギターが初めての人はフォームとクロマチックから(STEP0)、ギターは弾ける人は「3本の柱」=アプローチノート・コードトーン・スケールを並行で(STEP1)。完全な暗記は要りません。1つの事柄をどんどん応用していくのがジャズ。目安は約2年(スタート地点で変わります)。
まず「今はやらなくていい3つ」を決める(引き算)
・長いフレーズの丸暗記はしない——例えばⅡ-Ⅴ-Ⅰの4小節フレーズを丸ごと覚える必要はなし。要るのは1小節・2拍程度の短いフレーズを何個か
・理論はマストではない。後付けで、要る時に要る分だけ
・五線譜はリードシートが読める程度でOK(完璧な読譜は不要)
まず揃える持ち物6つと心構え
最初から「いいギター・いいアンプ」は要りません。まず始めることが何より大事。必要なのは次の6つです。
心構え:「上手くなりたい」という気持ち+楽しむこと。この2つが最大の道具です。いいギター・いいアンプは後回しでいいので、まず始めましょう。
あなたの入口はどっち?(1問だけ)
やることは全員同じではありません。「ギターそのものが初めてかどうか」で入口が分かれます。このサイトの読者の7割は「ギターは弾けるけれど、ジャズは初めて」という人。その場合はSTEP0を飛ばして、いきなりSTEP1(3本の柱)から始めてOKです。
左右の手のフォームと、クロマチック練習で指を作るところから。ジャズのエッセンスは基礎練に少しずつ混ぜていきます。
アプローチノート・コードトーン・スケールの3つを並行で進めます。フォームの見直しだけは最初にやっておくと後が楽です。
何をする:かまえ・左手・ピッキングのフォームを整え、クロマチック練習で指を作る。脱力して、楽に弾けることが後の全ての土台です。
なぜ最初:フォームの無理は、この先のコードトーンにもスケールにも全部乗ってきます。最初に整えるのが一番安上がりです。
ギターが弾ける人も:ここは飛ばしてOK。ただしフォームの「点検」だけは一度やる価値があります。
→ 詳しい練習ページ:基礎(かまえ・左手・ピッキング・セッティング)
ジャズギターの本体はアプローチノート・コードトーン・スケールの3つ。実際のレッスンでは、この3つをほぼ同時に・並行で進めます。「1つ終わってから次」という直列ではありません。あえて順序をつけるなら、アプローチノート → コードトーン → スケールの順です。
何をする:コードトーン(特に3度)へ滑らかに”近づく音”の使い方を覚える。3度に着地さえすれば、間の音は12音どれでもOK。1パターンでもできたら勝ちです。
寄り道しがちな罠:着地する音を決めずに音を並べる(どこへ向かうかが無いと、音が迷子になる)。
何をする:各コードの構成音を、指板の上で追えるようにする。アドリブは「どの音がそのコードで鳴らせるか」が全ての起点。ここに一番時間をかけます。
寄り道しがちな罠:同じ形・同じ順番でずっと練習する(形と順番が固定されると、実戦で出てきません)。
何をする:ポジション(CAGED・3ノート・セゴビア)で指板を覚えつつ、運指・技術=フィジカルの練習として毎日の基礎練に組み込む。そして大事なのは“使い方”=インターバル(3度・6度など)。音階を順番に上下するだけでは、ソロには繋がりません。
寄り道しがちな罠:順番に上下するだけの練習で満足する(「使い方」の練習が別に要ります)。
3本の柱が身につき始めたら、次の一歩はほぼ決まっています——ディミニッシュ変換です。教室でも3本の柱の次に取り組むことが一番多く、経験者なら数ヶ月でここまで来ます。「dim変換までを理解して、ゆっくりでも使える」——これが”初級卒業”のひとつのサインです。
dim変換から先は実践期——覚えた手法を実際の曲で使う練習が中心になり、じつはここが一番時間のかかる区間です。枝の広げ方に「全員この順番」という一本道はなく、現在地と、いまの活動状況・目的(セッションに行きたい・伴奏を厚くしたい等)で優先順位が変わります。教室では一人ひとりに合わせて組んでいます。
進行を自分で読み解く。理論は要る時に、要る分だけ後付けで。
(練習ページ準備中)
※ハーモニックメジャーや、ドロップ2の現代的な応用(コンテンポラリー系のサウンド)は全員の必須にはしていません。そのサウンドが好きな人には早めの段階から取り入れることもあります——ここは現在地を見ながら教室で。
やってしまいがちな「無駄練習」トップ3
順番と同じくらい大事なのが、時間を溶かす練習を避けること。大倉が20年のレッスンで見てきた無駄練習の代表は、この3つです。
① できている内容の練習 ── すでに弾けることの繰り返しは、気持ちいいけれど負荷がゼロ。上達に繋がりません。
② コードトーンを同じ形・同じ順番でずっと練習 ── 形と順番が固定されると、実戦のアドリブで出てこなくなります。
③ 背伸びした理論の勉強 ── 今のレベルに合わない理論を先に触っても、実践や音がついてこなければだめです。
最初の1ヶ月と、毎日30分の配分
どちらの入口でも、スタート直後の1ヶ月は、地味ですがここに集中します。
① フォームの改善 ── 脱力して、楽に弾くこと。ここが後の全ての土台になります。
② スケール ── CAGEDとセゴビアスケール。さらにランダムに弾く練習を基礎練に組み込みます(フィジカルの練習として)。
③ コードトーン ── 徐々に触れ始めます(本格的にはSTEP1=3本の柱の並行で)。
30分ならこう配分する(一例)
※配分は人によって違うので、あくまで一例です。レッスンでは、その人に合わせて練習スケジュールを一緒に作ることもあります。
「覚えることを最小限にして、1つの事柄をどんどん応用していく。これが、ジャズを続けられる人の共通点です。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
「挫折率を下げるルールを1つだけ言い切るなら、練習の習慣化です。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年) → 詳しくは 練習の習慣化
何年で弾けるようになる?目安は2年
セッションで“仕込んだ曲”が弾けるようになるまで、大体2年が目安です。内訳はこうです。
コードトーンの理解(3本の柱の山場)
フレージングなど(応用の積み上げ)
体感としては2〜3年という人が多く、1年でできる人は稀です。そもそもジャズはゴールのない世界。焦らず、応用を積み上げていきましょう。
40代・50代からでも遅くない
実は40〜50代から始める人が一番多い層です。昔ロックをやっていて、再開するケースが目立ちます。ここまで見てきたように、段階を組んでいけば覚えることは最小限=完全暗記ではありません。大人は時間の余裕があり、自分のペースで進められるのが強みです。
ここまでの順番も、30分の配分も一般形です。3本の柱のどこが手薄か、dim変換へ進んでいいかは文章では言い当てられません。演奏を聴かせてもらい、どこから手を付けるかをその場で決めています。
ソロで手が止まってしまう方は、原因を3つに分けて整理した アドリブで手が止まる もどうぞ。
よくある質問
Q. 何年で弾けるようになりますか?
A. 目安は約2年です(コードトーンの理解に1年+フレージングなどに1年)。スタート地点と練習量で変わります。
Q. どの順番で練習すればいいですか?
A. ギターが初めての人はフォームとクロマチックから。ギターは弾ける人は、アプローチノート・コードトーン・スケールの3つを並行で進めます。あえて順序をつけるならアプローチノート→コードトーン→スケールです。
Q. スケールから覚えるのはダメですか?
A. スケール自体は運指・技術の練習として最初から使ってOKです。ただし優先度はコードトーンの方が上で、大事なのはスケールの「使い方」(特にインターバル)。順番に上下するだけの練習で終わらせないことです。
Q. 理論を勉強しないとダメですか?
A. マストではありません。後付けで、要る時に必要な分だけで大丈夫です。
Q. 40代・50代からでも遅くないですか?
A. むしろ一番多い層です。段階を組めば暗記は最小限で済み、大人は自分のペースで進められます。
NEXT LESSON
▶ やること・やらないことの優先順位【断言】 | ▶ 基礎(かまえ・左手・ピッキング) | 🧭 アドリブで手が止まる | 🗺 全体地図
独学で進めるのが不安になったら、教室の料金と仕組みだけでも見ておいてください。
大倉ギター教室|大阪市西区南堀江(桜川駅・西大橋駅 徒歩5分/四ツ橋・JR難波も10分圏)