ジャズギターの練習が続かない人へ|唯一言い切れるルールは「習慣化」

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やる気はある。上手くなりたい気持ちもある。なのに、平日は仕事で疲れて手が伸びず、気づけば1週間ギターに触っていない——そして週末にまとめて取り返そうとして、また続かない。ジャズギターを途中でやめてしまう人は本当に多いのですが、その多くは才能でも根性でもなく、「練習を続ける仕組み」を持っていないだけです。ここは、先に知っておけば変えられます。

30秒でわかる結論

挫折率を下げるために言い切れるルールは、たった一つ——「練習の習慣化」です。

上達する人は、才能ではなくどうにかして毎日ギターに触る時間を確保している人です。ポイントは量ではありません。「まとまった時間が取れた日だけ、しっかり練習する」——このやり方は最初に捨ててください。1日15分でも30分でも、毎日ちょっとでも触る。そのかわり、嫌々やる苦しい練習はしない。この2つが習慣を守るコツです。

練習が続かない人の「あるある」は、だいたいこの5つ

とくに多いのは「何を練習したらいいか分からない」「マンネリ」「上達を感じられない」——どれもよくあるパターンです。

たいてい複数当てはまります。そして「自分の練習の中身が合っているか」は自分では気づきにくい——これがこの記事の最後の話です。

あるある1|まとまった時間が取れず、練習しない日が続く

こんな状態:「1時間くらいまとめて取れないと、練習した気がしない」。だから平日は手を出さず、休日にドカッとやろうとする。でも休日も予定が入って、結局あまり弾けない週が続く。

なぜ起きる:「まとまった時間」を前提にすると、その条件が揃う日が思ったより少ないからです。仕事をしている社会人は、そもそも練習時間を確保しづらい。帰ってきて、ちょっとゆっくりして、ご飯を食べて風呂に入れば、疲れてそのまま寝てしまう——これが一番多いパターンです。

回避策

時間の「長さ」ではなく「毎日触ること」に基準を移します。1日15分でも30分でも、何分でもいいので、毎日ちょっとでもギターに触る。これが一番重要——ここは言い切れます。まとまった時間はボーナス。ゼロの日を作らないことが、習慣を守る本体です。

ここだけは自己判定できない:その15分を「何に使うか」。今の自分の課題に合った中身になっているか、既にできることを繰り返しているだけではないか——時間の使い先が正しいかは、自分では判断しづらい部分です。

「挫折する確率を下げるために言い切れるルールを一つ挙げるなら、練習の習慣化です。上達する人は、どうにかして練習時間を確保している人。1日15分でも30分でも、毎日ちょっとでも触ることが一番重要です。」

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

あるある2|「毎日やらなきゃ」に縛られて、嫌になる

こんな状態:習慣化しようと決めた途端、「毎日やらなきゃ」がプレッシャーになる。1日サボると罪悪感、つまらない基礎練を義務でこなし、だんだんギターを弾くのが億劫になっていく。

なぜ起きる:「習慣化」を「毎日欠かさず修行する」と取り違えてしまうからです。ここは誤解されやすいところで、大倉の考えはむしろ逆です。「毎日練習しなければならない、という強迫観念はない方がいい。」苦痛で仕方ない練習は、やらない方がマシ。嫌々やる練習は続かないし、精神状態はそのまま音に出ます。

回避策

続けることと、思い詰めないことを両立させます。上手くならない時期は誰にでもあるので、そんなに期待せず、楽しんで弾きながら練習を繰り返す。音楽とは付かず離れず、ある一定の距離感を保つ。つまらない基礎練も「やっているうちに楽しくなる」ことがあるので、まず1回やってみる価値はありますが、どうしても苦痛なら無理に続けない。「毎日触る」の中身は、好きな曲を気持ちよく弾くだけの日があっていいのです。

ここだけは自己判定できない:「今は強制的にでも詰めるべき時期か、離れて距離を取るべき時期か」。時期によって最適な距離感は変わり、今の自分がどちらかは一人では見極めにくい部分です。

「毎日練習しなければならない、という強迫観念はない方がいい。どうしても苦痛で仕方ない練習は、やらない方がマシです。楽しんで弾いているうちに、練習しているという感覚もなくなるのが一番いい。」

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

あるある3|何を練習したらいいか分からない——完璧なメニュー探しで止まる

こんな状態:「効率のいい練習スケジュールを作ってから始めよう」と、理想のメニューを探し続ける。あるいは練習ノートをきっちりつけようとして、ノートを書くこと自体が負担になり、両方とも続かない。

なぜ起きる:正解のメニューが一つあると思ってしまうからです。でもルーティンはみんな共通ではなく、一人一人かなり違うし、今のスキルや課題に応じてどんどん変えていくものです。1時間あるなら「基礎練→フレーズ→曲→コード」とある程度ルーティン化する例はありますが、それも固定ではありません。練習ノートも同じで、「その人による」——得意な人はつけた方がいいし、プレッシャーやストレスを感じる人はつけない方がいい。

回避策

完璧なメニューを待たず、まず毎日触る枠だけ先に確保する。中身は走りながら調整していけばいい。ノートは合いそうなら使い、負担なら捨てる。大事なのは「自分で考えて組んで、やってみる」こと。考えるヒントやメニューのパーツは、教室のレッスンでもよくお話ししています。大倉が組むこともできますが、自分で試行錯誤するのが最良——ここは自分で考えて練習していくことがすごく重要——ここは繰り返しお伝えしています。

ここだけは自己判定できない:組んだメニューの「バランス」。この配分は多すぎる/これはちょっと少ない、という調整は、大倉がレッスンでよくやる相談です。自分のメニューが偏っていても、自分では気づきにくいのです。

あるある4|マンネリで上達を感じられず、張り合いも出ない

こんな状態:毎日同じメニューの繰り返しでマンネリ気味。上達の実感も、聴いてくれる相手もいない。だんだん「何のためにやっているんだっけ」となり、熱が冷めて手が止まる。

なぜ起きる:上手くならない時期は誰にでもあります。そこに、練習(インプット)ばかりで出す場(アウトプット)がない状態が重なると、変化も張りもなくなって熱が冷めていきます。大倉は、練習仲間を見つけること・セッションに行く習慣、そして動画配信を挙げます。誰も見ていなくてもいい、顔を隠してもいい。「動画を配信している」というプレッシャーが多少あるだけで、「ちゃんと弾こう」という意識が働き、上達も早くなる。

回避策

練習に「軽い外圧」を足します。ワンフレーズでいいので「今日の練習」として動画に撮ってアップする、月1回でいいのでセッションに出てみる、一緒に弾く仲間を見つける。誰かと合わせるのは楽しく、刺激になって練習に身が入ります。ただし、動画配信が苦痛で仕方ない人はやらなくていい——ここも無理は禁物です。

ここだけは自己判定できない:インプットとアウトプットの配分。多すぎても少なすぎてもダメで、多くの人はインプット過多になりがちですが、今の自分にどれくらい実践を足すべきかは、自分では計りにくい部分です。

あるある5|仕事から帰って「あとで」→ 疲れて寝てしまう

こんな状態:「今日は帰ってから弾こう」と思っている。でも仕事が何時に終わるか読めない。終わって飲みに行って帰ってきたら、もう寝るだけ。夜に予定していた練習が、そのまま消えていく。

なぜ起きる:夜の練習は、その日の状況に左右されすぎるからです。残業・付き合い・疲労——夜に置いた予定は、簡単に流れます。「後でやる」は、一番消えやすい枠なのです。

回避策

いろんな人と話していて多いのは、朝ちょっと早起きして練習するパターンです。朝が苦手な人・生活スタイルが合わない人には向きませんが、一つのアイデアとして朝はとても良い。その日のうちに必ずやりたいことを、朝のうちに先に済ませてしまう。夜に回すと、仕事の都合でその日はできなくなってしまいがちです。

ここだけは自己判定できない:「短い朝の枠に、何を入れるのが一番効くか」。限られた15分に基礎練・フレーズ・曲・コードのどれを優先するかの配分は、今の課題によって変わり、自分では最適化しづらい部分です。

習慣化、独学でどこまでいける?——正直に線を引きます

教室のサイトですが、独学を否定するつもりはありません。正直に書きます。「続ける仕組みを作る」ところは、独学でかなりのところまでいけます。朝に枠を作る、動画で軽い外圧をかける、無理のない距離感を保つ——これは自分でできます。一人では埋まりにくいのは、その先。「続けている練習の中身が、自分に合っているか」の判断です。

○ 独学・工夫でここまでできる

  • 毎日ちょっとでも触る枠を作る(時間より頻度)
  • 朝など、流れにくい時間帯に置く工夫
  • 動画配信・セッションで軽い外圧をかける
  • 練習ノートを「合う人だけ」使う/距離感を保つ

● 対面でこそ整うこと

  • その15分の中身が、今の課題に合っているか(ここが核です)
  • メニューのバランス調整(多すぎ・少なすぎの見極め)
  • 既にできることを繰り返す「空回り練習」の発見
  • 停滞が「練習量」なのか「中身」なのかの切り分け
  • 今は詰める時期か、離れる時期かの見極め

「対面でこそ整うこと」に挙げたのは、「頑張れば独学でもできる」項目ではなく、自分の練習を、自分で客観視するのが構造的に難しい項目です。習慣そのものは作れても、その習慣が正しい方向を向いているかは、一度相談してもらうのが早い。

最後の話にすると予告したのが、この「中身が合っているか」です。朝の15分に基礎練・フレーズ・曲・コードをどう配るかは、記事側では書き切れません。今の練習を実際に聴かせてもらって、空回りと不足を切り分け、次の配分を一緒に決めます。

▶ カルテの実物を1枚、そのまま公開しています

よくある質問

Q. 1日どのくらい練習すれば続けられますか?

A. 時間の長さより、毎日触ることが大事です。1日15分でも30分でも、何分でもいいので、毎日ちょっとでもギターに触ること。これが挫折を防ぐ一番のルールです。まとまった時間が取れた日だけ練習する、というやり方はかえって続きません。

Q. 仕事が忙しくて練習時間が取れません。どうすれば?

A. いろんな人と話していて多いのは、朝ちょっと早起きして練習するパターンです。夜に回すと、残業や付き合いでその日はできなくなりがちなので、必ずやりたいことを朝のうちに先に済ませてしまうのがおすすめです。朝が苦手な人には向きませんが、一つのアイデアとしてとても有効です。

Q. 「毎日やらなきゃ」と思うと、逆にしんどくなります。

A. 毎日練習しなければならない、という強迫観念はない方がいいです。苦痛で仕方ない練習は、やらない方がマシ。上手くならない時期は誰にでもあるので、そんなに期待せず、楽しんで弾きながら続けるのがコツです。好きな曲を気持ちよく弾くだけの日があってもかまいません。

Q. 練習ノートやスケジュールは、きっちり作った方がいいですか?

A. その人によります。得意な人はノートやルーティンを作った方がいいですが、つけることにプレッシャーやストレスを感じる人はつけない方がいい。ルーティンも一人一人違い、今の課題に応じて変えていくものです。完璧なメニューを待つより、まず毎日触る枠を先に確保して、中身は走りながら調整してください。

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