ギターを買ったら必ず必要になるシールド(ケーブル)。「どれを買えばいいの?」「ストレートとL字、どっち?」「長さは3mと5mどっち?」――地味なわりに、最初はけっこう迷うアイテムです。
この記事では、シールドとケーブルの違い・最初の1本の選び方・長さ・プラグ(ストレート/L字)の使い分け・音質や断線の話まで、20年教えてきたジャズギター講師が現場で使ってきた知識をまとめて整理します。結論から言うと、最初の1本はBelden 8412 の3mを選んでおけば間違いありません。
30秒の結論
- 「シールド」と「ケーブル」は同じ意味。電磁波から信号を守る“シールド線”を使っているので、ギターシールドと呼びます。
- ギター付属のケーブルはおまけなので使わないこと。最初の1本はBelden 8412 の3mが定番です。
- 長さは3mが基本。足元にエフェクターを置くスタイルや自宅練習なら3mで十分、アンプに直結するなら5mあると安心。
- プラグは、ギターのジャックが表面ならストレート(S)、側面ならL字(L)。アンプ側はストレートが基本です。
- 千円程度の極端に安いものは音もノイズ耐性も悪いので避ける。標準的なものなら、あとは値段で選んで大丈夫です。
| あなたの状況 | おすすめ |
|---|---|
| 最初の1本(とりあえず良いものを長く) | Belden 8412/3m/ギター側はジャックの位置でS・Lを選ぶ |
| とにかく安く・入手しやすく | カナレ(約2,000円)※安く手に入る定番(所感は本文で正直に) |
| 音にこだわりたい・自作もしたい | VOVOX/Oyaide(切り売りで自作も可) |
| ギター側のジャックが表面(ストラト等) | ストレートプラグ(S) |
| ギター側のジャックが側面(テレ・レスポール等) | L字プラグ(L) |
※価格は2026年6月時点の市場相場の目安です。変動しますので購入時にご確認ください。
「シールド」と「ケーブル」はどう違う?
この2つの言葉は同じものだと思ってもらって大丈夫です。ギターからアンプにつなぐケーブルを、なぜ「シールド」と呼ぶのか。それは“シールド線”という種類のケーブルだからです。
「シールド(shield)」というからには何かから守っているわけで、それは主に空中を飛んでいる電磁波(ノイズ)です。ギターから出る電気信号は本当に微弱なので、もしシールド線ではない普通のケーブルを使うと、電磁波を拾ってノイズだらけになり、演奏どころではなくなります。だから電磁波から信号を守るシールド線を使い、これを「ギターシールド」と呼ぶわけです。「ギターケーブル」と言っても同義なので、どちらでも問題ありません。
なお、シールドの先端の金属の端子部分を「プラグ」と呼びます(ギターやアンプの差込口は「ジャック」)。後半のプラグの選び方でまた出てきます。
最初の1本とおすすめシールド(付属品は使わない)
まず大前提として、ギターを買ったときに付いてくる付属のケーブルは「おまけ」です。すぐにダメになりますし、音質的にもかなり粗悪なので、使わないでおきましょう。
これから1本買うなら、定番の Belden(ベルデン)8412 の3メートルがおすすめ。ミッド(中域)が前に出る、ギターの定番サウンドです。価格は5,000円前後で、長く使えて音も良い、ちょうどいい1本です。同じ価格帯ではモガミ(MOGAMI)もよく使われます。
予算別の選び方とブランドのキャラクター
- とにかく安く・入手しやすく=カナレ(約2,000円)。業界標準で安く手に入る定番です。ただ正直なところ、私自身は昔よく断線した印象があって個人的にはあまり使っていません(私の扱いが悪かっただけかもしれず、試す価値はあります)。
- 普段使いの王道=7,000〜8,000円帯。Belden 8412 もこのあたり。ここから選べば失敗しません。
- 音にこだわる=VOVOX/Oyaide(高級は1万〜1.5万円から)。VOVOXはここ10年ジャズギタリストに一番人気で、音が素直に前へ出ます。Oyaide も日本製で抜けが良く、私の常用。どちらも切り売りがあるので自作にも向きます。
※ケーブルは基本的に試奏できないので、最後は「買って自分で比べる」しかない世界です。だからこそ、まずは値段で選んで失敗しない範囲から。
ちなみに私の実際の運用は、メインがVOVOX(3.5mが標準サイズ)で、自宅も教室もライブも全部同じものを使っています。「ライブだけ良い機材、練習は安物」とはせず、本番と練習をできるだけ同じ状況にするのが上達のうえでも大事だと考えているからです。
長さの選び方は3mが基本(と、保管のコツ)
よく売っている長さは3mと5m。どちらを買うか迷いますが、結論は3mが基本です。ライブでよく動く人は3mだと足りないので5m以上を、逆に自宅練習や小さなライブ会場では5mは長すぎて邪魔になります。足元にエフェクターを置くスタイルなら3m、アンプに直結するなら5mあると安心、と覚えておけば十分です。
参考までに私の場合、ギターからエフェクターの1台目までが3mくらい。エフェクターからアンプまでは、教室は距離がないので1m、ライブでは1mだと足りないので3mを使い、ライブには3mを予備込みで3本持っていきます。「長いと音が劣化する?」とよく聞かれますが、私の経験では5mくらいまでなら劣化を感じたことはありません。
保管は、使っているシールドは基本ギターとアンプに挿しっぱなしでOK(途中で団子になっていたらほどく)。使っていないシールドは「八の字巻き」で保管すると傷みにくいですが、短いケーブルなら普通に丸めて大丈夫です。無理に引っ張ったり、変な折り目をつけたりは断線の原因になるので、これだけは絶対にやめましょう。
ストレート(S)とL字(L)、どっちを選ぶ?
シールド購入で一番よく迷うのが、プラグの形です。Sプラグ=ストレートのプラグ、Lプラグ=名前のとおりL字に曲がったプラグ。どちらを選ぶかは、使うギターのジャック(差込口)の位置で決めます。
ギター側:ジャックの位置で決める
- ジャックが表面(ボディ表)にある=ストレート(S)。ストラトタイプが代表例です。
- ジャックが側面(横)にある=L字(L)。テレキャスター、レスポールタイプが代表例。横から出るプラグはL字のほうが体やケーブルに干渉せず、すっきりします。
私自身もテレキャスターや、横にジャックのあるギター(Victor Bakerなど)には必ずL字を使っています。横から出るギターはL字が断然扱いやすいです。
アンプ側は基本ストレート(S)でOKです。L字だとアンプのツマミに干渉して調整しにくいことがあるので、まずはストレートを選んでおきましょう。なお、足元のエフェクターの配置によってはL字のほうが取り回しが良い場面もあるので、そこは自分のセッティングに合わせて選んでください。
「音が細い」「断線したかも」と思ったら
「音が細い」と感じたとき、ケーブルを疑う人は多いのですが、音の太さ・細さは弾き方やピックアップ・アンプの設定の影響のほうがずっと大きいです。ケーブルで多少のキャラクターは変わりますが(前述のとおりミッドが出る/フラットなど)、ケーブルを替えれば細さが解決する、というものではありません。まずは音作りを見直してみてください。
断線は、サインなく急に来ます。グイグイと触ってみて音が途切れるようなら、まず断線とみて買い替えのサインです。ちなみに私は買い替えずに修理してしまうことが多く、断線部分を切ってハンダで付け直すのが習慣になっています。本番に1本予備を持っていくと安心です(現場で「音が出ない!」は実際に起こります)。
もっと便利に・自分で作る
シールドまわりには、知っておくと便利な小ワザがあります。アンプの電源を入れたままノイズなしで抜き差しできるサイレントプラグは、ギターの持ち替えが多い人に特におすすめ(教室でも大好評です)。また、好みのケーブルとプラグでシールドを自作すると、低コストで自分だけの1本が作れます。チューナーやストラップなど他のアクセサリーは ギターアクセサリー完全ガイド にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. シールドとケーブルは何が違う?
A. 同じものです。ギターからアンプにつなぐケーブルは、電磁波(ノイズ)から微弱な信号を守る“シールド線”を使っているため「ギターシールド」と呼びます。「ギターケーブル」と言っても同義です。
Q. 最初の1本はどれを買えばいい?
A. Belden 8412 の3mが定番です(約5,000円)。とにかく安く入手したいならカナレ(約2,000円)、音にこだわるならVOVOXやOyaide。ギター付属のケーブルはおまけなので使わないでください。
Q. ストレートとL字、どっちを選べばいい?
A. ギターのジャックの位置で決めます。表面にある(ストラト等)ならストレート、側面にある(テレキャス・レスポール等)ならL字。アンプ側はツマミに干渉しないよう基本ストレートです。
Q. 長さは3mと5m、どっち?
A. 基本は3mです。自宅練習・小さな会場・足元にエフェクターを置くスタイルなら3mで十分。ライブでよく動く人やアンプ直結なら5m以上が安心です。長くても5mくらいまでなら音質の劣化はほぼ気になりません。
Q. シールドは挿しっぱなしでいい?
A. 使っているシールドは、基本ギターとアンプに挿しっぱなしで大丈夫です(途中で団子になっていたらほどく程度)。使っていないものは八の字巻きか、短ければ普通に丸めて保管を。無理に引っ張ったり折り目をつけたりは断線の原因になるので避けてください。
関連記事
機材のこと、教室でまとめて相談できます
大阪・西区(南堀江・桜川/なんばからも近い)の教室では、シールドやサイレントプラグの相談はもちろん、自作ケーブルの製作・お手伝いもしています(生徒さんに大好評です)。「このケーブルどう?」という写真・メール相談は無料。手ぶらで通える本格レッスンで、機材の悩みも解決します。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] コメントを残す 目次 […]