練習アプリのゴールは「良い道具を揃える」ことではありません。「シンプルな道具で、練習がちゃんと進む」ことです。そろえるのはこの4つ(+任意で1つ)だけで十分です。
- スロー再生は専用アプリではなくYouTube(再生速度を落とす+キーボード操作)
- メトロノームは Pro Metronome か Tempo(シンプルなもの1つ)
- チューナーを1つ入れておく(手元にない時の保険・何でもいい)
- ドラムのパターンやグルーヴを理解するのに Drumgenius(ドラム)/The Clave(クラーベ)
- (任意)音声分離アプリ——コピーやカラオケ練習に非常に有効
やらないこと(引き算):
✕ 専用のスロー再生アプリを最初から買わない——必要になったら買う。多くは自分が買った音源にしか対応せず、使い勝手が悪くなりがち。
✕ 多機能メトロノームは要らない——できるだけシンプルなものでいい。
✕ 高精度チューナー(Peterson等)まではいらない——普段の練習にはオーバースペック。
道具は増やすほど良くなるものではありません。ここに挙げた最小構成で、練習の中身に集中しましょう。
なぜ「多機能」より「シンプル」を選ぶのか(30秒だけ)
道具えらびで時間を使いすぎるのは、それ自体が練習を止める“罠”になります。多機能なアプリは設定に迷い、機能を触ること自体が目的になりがち。練習に必要なのは、すぐ立ち上がって・すぐ鳴るシンプルさです。メトロノームもチューナーも、やることは決まっています。だからこそ「基本何でもいい/シンプルなものでいい」——迷ったら機能の少ない方を選んで大丈夫です。
道具1:スロー再生は「YouTube」でいい
耳コピや難所の練習で欲しくなるのがスロー再生。「耳コピ」や「Transcribe」といった専用アプリはたくさんありますが、その多くは自分がダウンロード(購入)した音源にしか対応していないことが多く、そこが使い勝手のネックになります。
そこでよく使うのがYouTubeです。曲数がとにかく多く、たいていの曲は検索すれば出てきます。ブラウザの設定から再生速度を落とすだけで、そのままスロー再生になります。専用ソフトは必要になったら買えばよく、まずはこれで十分です。注意点は一つ、ついつい他の動画に興味がいって、集中力が切れること。練習中は他の動画に手を伸ばさないように。
合わせて覚えておくと一気に楽になるのが、YouTubeのキーボード操作です。マウスを動かさずに、止めて・戻して・また弾く、が手元だけでできます。
この2つ(スペースと矢印)を覚えておけば、コピーも練習も十分こなせます。耳コピのやり方そのものは 耳コピの進め方 を参照してください。
道具2:メトロノームは「Pro Metronome」か「Tempo」
メトロノームは基本、何でも構いません。大事なのは使いやすさです。よく使っているのは Pro Metronome(プロメトロノーム)。もう一つ、Tempo(テンポ)というアプリも、めちゃめちゃシンプルで使いやすいです。
選ぶ基準はただ一つ、シンプルであること。多機能なものは基本的に必要ありません。テンポを決めて鳴らす——それがすぐできれば十分です。なお「どこにアクセントを置くか(2・4で鳴らす、など)」といった使い方・練習法は道具の話ではないので、リズム(2・4)の取り方 にまとめています。
道具3:チューナーは「1つ入れておく」だけでいい
チューナーアプリは、一応1つ入れておくのがおすすめです。メインで使うものではありませんが、チューナーが手元にない時・トラブルで使えない時に、パッとチューニングできます。これも基本、何でもいい。BOSSのチューナーアプリなどで十分です。
道具4:ドラムのパターンとグルーヴを知る(Drumgenius/The Clave)
ドラムのパターンやグルーヴを理解するのに、Drumgeniusは便利です。メトロノームの「カチカチ」だけでは分からない、実際のビートの感じがつかめます。
有名な曲のドラムパターンを抜き出し、それを生音源でループ再生できるアプリ。かなり本格的なビートが出せて重宝します。ドラムを鳴らしながらスタンダードをソロギターで弾く、といった練習にぴったりです。
クラーベを鳴らせるアプリ。ブラジル系など、いわゆるクラーベが鳴っている音楽を練習するときに使うといいです。リズムの土台が体に入ってきます。
補足:Drumgeniusは、ギタリストのギラッド・ヘクセルマンがドラムを鳴らしながらソロギターを弾く配信をしていたのを見て、大倉が知ったアプリです。
道具5:音声分離アプリ(コピーとカラオケ練習に)
音声分離アプリも非常に有効です。音源をボーカルや楽器ごとに分けられるので、ギターの音だけを取り出してコピーしたり、ギターを消してカラオケ練習をしたりできます。必要になったら足す道具です。
🧰 まず入れる道具(これだけでいい)
伴奏まで欲しくなったら次は iReal Pro へ。それ以外の道具は、基本これだけで大丈夫です。
✅ 道具はもう十分(増やす前のチェック)
☐ メトロノームアプリをシンプルなもの1つに絞れている
☐ チューナーアプリを1つ入れてある
☐ 必要ならドラム/クラーベを鳴らして、パターンやグルーヴを確かめられる
☐ その上で、鳴らしたビートに“乗れている”感覚がある
チェックの5つ目、「ビートに乗れている感覚」だけは、Drumgeniusを足しても埋まりません。走っているのか後ろに落ちているのか、レッスンで一緒に聴いて切り分けます。
よくある質問(FAQ)
Q. スロー再生アプリは買った方がいいですか?
A. 急がなくて大丈夫、必要になったら買えば十分です。「Transcribe」などの専用アプリは、その多くが自分の購入した音源にしか対応しておらず使い勝手が悪くなりがち。まずはYouTubeの再生速度変更とキーボード操作(スペースで停止、左矢印で戻す)で十分に練習できます。
Q. メトロノームアプリは何がいいですか?
A. Pro Metronome か Tempo がおすすめです。ただ基本は何でもよく、いちばん大事なのはシンプルで使いやすいこと。多機能なものは基本的に必要ありません。
Q. チューナーアプリは必要ですか?
A. メインでは使わなくても、一つ入れておくと手元にチューナーがない時やトラブルの時に安心です。基本は何でもよく、BOSSなどで十分。精度を極めるならPetersonのiStroboSoftがありますが、普段の練習にはそこまでは要りません。
Q. ドラムのパターンやグルーヴが分かりません。
A. Drumgeniusで有名曲のドラムパターンを生音源でループさせると、ドラムのパターンやグルーヴを理解するのに便利です。ブラジル系ならThe Claveでクラーベを鳴らします。ただし、そのビートに本当に乗れているかどうかは自分では判断しづらいところです。
Q. アプリを揃えれば、独学でリズムは良くなりますか?
A. 練習の環境は整います。ただ、自分が走っているのか・後ろに落ちているのかは、自分では聴き取りづらく録音でも切り分けが難しい部分です。道具で環境を整えたうえで、一度聴かせてもらうのが確実です。
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