PRSのホロウボディギターのピックアップを、ハムバッカーからP-90(Lindy Fralin のハムバッカーサイズ)に交換しました。結果は――最高でした。シングルとハムのちょうど中間のような音色で、ミッドレンジが豊か、レンジが広く、タッチに忠実。教室でもP-90についてよく質問されるので、この記事で交換で音がどう変わるか・ハムバッカーサイズP-90の選び方・取付の実際・費用までまとめて解説します。
30秒の結論
- ハムバッカー搭載ギターには「ハムバッカーサイズのP-90」一択。ボディの加工なしで載せ替えられます。
- 音はシングルとハムの中間。ミッドに張りが出て、タッチへの反応が良くなります。「ハムは強すぎる、でもシングルのノイズは嫌」という人にぴったり。
- おすすめは Lindy Fralin の Hum-Cancelling P90(ノイズもハム並みに静か)。Seymour Duncan/DiMazio/Kent Armstrong にもハムサイズP-90があります。
- 費用の目安はPU本体 約2万円〜+工賃(ソリッド5,500円〜・箱物8,800円〜)。安いPUからの交換なら音は劇的に変わり、買い替えよりコスパが高いことも。
P-90に交換した率直な感想(そして決め手はJulian Lage)
もともとこのPRSにはハムバッカーが載っていて、ノーマルのままでは少しパワーが強いと感じていました。そこで交換候補を考えていたとき目に留まったのが、ジャズ/ブルース系ギタリストの間で人気が爆発しつつあったP-90。一番の決め手はこれでした。
このJulian Lage(ジュリアン・ラージ)の音色に魅力がありすぎました。まぁ腕が90%なんでしょうが、憧れます。
能書きはほどほどにして、交換した結果――最高!でした。ちょうどシングルとハムの間くらいの音色で、ミッドレンジの豊かさ、レンジの広さ、タッチに忠実なところが求めていたイメージにぴったりハマりました。どこかシングルコイルみたいな空気感も残っていて、ホロウボディとの相性も抜群でした。
今回選んだP-90:Lindy Fralin「Hum-Cancelling P90」
P-90はたくさんのメーカーから出ていて悩むところですが、今回はほぼ悩まずリンディー・フレーリン(Lindy Fralin)にしました。メインで使っているPGM製ストラトもリンディーのPUで、音のイメージがはっきり分かっていたから――というのと、Julian Lage本人が「リンディのP-90に交換したら最高だった」と(営業抜きで)興奮気味に投稿していたのが決め手です。気がついたらポチっていました(笑)。
ひとつだけ注意が必要なのがPUのサイズです。これを間違えると載りません。次で解説します。
「ハムバッカーサイズのP-90」を選ぶ理由(ドッグイヤーとの違い)
P-90の伝統的な形はドッグイヤーと呼ばれる、両端に耳のついた大きめのタイプです。いまでもこちらが主流ですが、この形のままだと普通のギターに載せるにはボディの大幅な改造が必要になり、現実的ではありません(もともとP-90搭載のモデルならそのまま交換できます)。
そこで便利なのがハムバッカーサイズのP-90。ハムバッカーのザグリにそのまま収まるので、ハム搭載ギターなら大きな加工なしで載せ替えられます。ハム搭載機にP-90を載せたいなら実質一択です。購入前にサイズはしっかり計測してください。
ハムバッカーサイズのP-90は、リンディー以外にも Seymour Duncan・DiMarzio・Kent Armstrong などにラインナップがあります。便利な時代になりました。ちなみに「最高級を狙うなら」という文脈では Ron Ellis にもP-90タイプがあり、私が次に試したい筆頭です。
P-90もノイズレスの時代(Hum-Cancelling P90)
昔使ったことのあるP-90は、シングルコイル同様のハムノイズが乗るのが弱点でした。ところが今回のリンディーの看板商品「Hum-Cancelling P90」は、まさにノイズレス。構造の詳細はさておき、ハムバッカー並みのノイズしか出ません。音色面でも(他のリンディーP-90と直接比較したわけではありませんが)不満を感じない仕上がりです。「P-90は欲しいけどノイズが…」で止まっていた人には、いい時代になりました。
取付の実際――自分でやって一番大変だったところ
取付は自分でやりました。私は昔からハンダが得意で、「うまくいかなくても最悪プロに見てもらえばなんとかなる」と考えて、怖がらずにやってきたタイプです。ソリッドギターのPU交換は、経験があれば特別難しい作業ではありません。
ただし今回のようなホロウボディ(箱物)は別物です。一番大変だったのは、配線がボディの端に固定されている構造で、これを取り外す作業。Fホールから手探りで進めることになり、めちゃめちゃ時間がかかった記憶があります。箱物のPU交換の工賃がソリッドより高く設定されているのは、この手間ゆえです。
費用の目安(2026年時点の相場感)
- PU本体:いいもので約2万円前後から。2〜5万円、さらに上は5〜15万円クラスまで(高い=正解ではなく好みです)。
- 工賃:ソリッドボディで5,500円〜、フルアコ・セミアコ・ホロウは8,800円〜が目安。店・楽器・作業内容によって変わります。
- 頼む先:楽器店持ち込みは外注に回ることも多いので、リペアショップでリペアマンと直接話して、信頼できる人に頼むのがおすすめです。
なお、PU交換は自己責任でお願いします。自信のない方・配線がよく分からない方は、無理せず専門知識のある人やリペアショップに依頼してください。それでも「安いPUが付いたギターをいいPUに替える」効果は劇的なので、買い替えを考える前に検討する価値は十分あります。
P-90の高さ調整(メーカー推奨値と計測のコツ)
ピックアップから弦までの距離は、リンディーの公式サイトにデータが公開されています。まずはメーカー推奨値から:
- 6弦側:3.2mm/1弦側:1.6mm
- 計測は最終フレットを押さえた状態で。これを忘れるとまともな計測になりません。
この推奨値をセットしてから、最終的には耳を頼りに各弦のバランスを微調整していきます。私の場合は、推奨値より少し広め(低め)にセッティングしています。高さで出力とキャラがかなり変わるので、ここはじっくりどうぞ。
その後の話(2026年追記)――PRSは手放し、P-90はまた使いたい
正直な後日談も書いておきます。このPRSはその後売却しました(P-90が悪かったのではなく、ギター自体の入れ替えです)。外したP-90はいろんなギターに載せて実験し、最終的には生徒さんが引き取っていきました(取付もしてあげました)。
それでも、P-90の「ミッドの張り+シングルっぽい空気感」はいまでも好きで、チャンスがあればまた使いたいと思っています。具体的には、いま使っているナチョギター(テレキャスター)のフロントにP-90を――Julian Lageも自身のテレにP-90フロントを載せています――というのを考え中です。実現したらまた記事にします。
よくある質問(FAQ)
Q. ハムバッカーからP-90に交換すると音はどう変わる?
A. シングルとハムの中間になります。ハムより出力は控えめでミッドレンジに張りが出て、タッチへの反応が良くなり、どこかシングルっぽい空気感が加わります。「ハムはパワーが強すぎる」と感じている人に特に効きます。
Q. ハムバッカーサイズのP-90とは?普通のP-90と何が違う?
A. 伝統的なP-90(ドッグイヤー)はサイズが大きく、載せるにはボディ改造が必要です。ハムバッカーサイズのP-90はハムのザグリにそのまま収まる設計で、ハム搭載ギターなら大きな加工なしで交換できます。Lindy Fralin・Seymour Duncan・DiMarzio・Kent Armstrong などが出しています。
Q. P-90はノイズが多いって本当?
A. 伝統的なP-90はシングル同様のハムノイズが出ます。ただし現在は Lindy Fralin「Hum-Cancelling P90」のようなノイズキャンセル型があり、ハムバッカー並みの静かさでP-90の音が得られます。ノイズが理由で避けていた人にはこのタイプがおすすめです。
Q. 交換の費用はどれくらい?自分でできる?
A. PU本体が約2万円前後から+工賃はソリッドボディ5,500円〜、箱物(フルアコ・セミアコ・ホロウ)は8,800円〜が目安です。ハンダに慣れていれば自分でも可能ですが、箱物は配線の取り回しが格段に難しいので、不安ならリペアショップへ。交換は自己責任でお願いします。
Q. ピックアップの高さはどう合わせる?
A. Lindy Fralin公式の推奨は6弦3.2mm/1弦1.6mm(最終フレットを押さえて計測)。まず推奨値に合わせ、そこから耳でバランスを微調整します。私は推奨より少し広め(低め)が好みです。
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