ナチョギター(テレキャスター)のピックアップを Ron Ellis Pickups(ロン・エリス)に交換しました。結果は大満足どころか――ジャズの現場でフルアコを差し置いて、このテレをメインでガンガン使うようになったほどです。この記事では、入手の経緯からモデル選び(Standard Plus JL/52T)、サウンド、交換作業、そして3年使った今の評価までまとめます。
30秒の結論
- タッチへの忠実さはダントツ。いろんなPUを試してきましたが、生々しさ・ダイナミクスの拾い方は別格です。
- フロント(Standard Plus JL)は Julian Lage の1954年製テレキャスターの再現。テレなのにセミアコみたいな箱鳴り感が出ます。
- 値段も別格(私の購入時で約12万円のセット)。それでも「狙っていた音がそのまま出た」ので後悔ゼロ。
- 入手難。見つけたときが買いどきです。
Ron Ellis に交換した経緯(入手がとにかく大変)
所有しているナチョギターのオリジナルPUに不満があったわけではありません。ただ、初期のナチョギターに標準搭載されていたのが Ron Ellisで、搭載個体を何本も弾くたびにそのサウンドの感触がずっとイメージに残っていました。
問題は入手です。Ron Ellis はめちゃくちゃ高いうえに、楽器店に入荷してもすぐなくなる状態が続いていました(当時の代理店は岡田インターナショナル)。私の場合は、たまたま立ち寄った楽器店で売っているのを見つけて、その場で購入。セットで約12万円――ピックアップとしてはものすごい価格帯ですが、思い切りました。
今回交換したモデル:テレキャスター用 Standard Plus JL/52T
購入したのはテレキャスター用の「Standard Plus JL(フロント)/52T(リア)」のセットです。
Standard Plus JL(フロント)――Julian Lage の ’54テレの再現
このフロントは、Julian Lage が所有する1954年製テレキャスターのピックアップを再現したモデルです。通常モデルよりすっきりした印象なのに、低音はしっかり出て、なおかつ抜けてくる――という不思議なキャラクター。通常モデル搭載のナチョギターも弾いたことがありますが、それよりすっきりしていて、しかし音が細いどころかむしろ太くなる。文章で書くと矛盾しているようですが、本当にそうなんです。
52T(リア)――ブラックガード期の再現
リアの52Tはブラックガード期のテレキャスターのPUを再現したモデル。非常に繊細で、高域が出すぎることなく、箱鳴り感もある。私が「テレのリアはこうあってほしい」と求めていた理想の音になりました。
Ron Ellis のサウンド――テレなのにセミアコみたいに鳴る
動画では分かりにくいのですが、実際に弾いて感じるのはこの3点です。
- タッチに忠実――たくさんのピックアップを試してきましたが、ダントツです。飾り付けを一切しない、生々しくナチュラルな出音で、ダイナミクスを全部拾ってくれます。
- フロントの箱感がすごい――ノーマルに比べてなぜか箱鳴り感が出て、テレキャスターやのにセミアコみたいな鳴り方に変わりました。元のPUも良いものでしたが、より「生鳴り感」が前に出ます。
- どっしりなのに抜ける――フロント・リアとも音は太いのに抜けが信じられないほど良く、高音が耳に痛くなりません。
本当に驚異的なピックアップです。値段も驚異的ですが、まさに狙っていた音がそのまま出てくれたので大満足。早くも他のギターも交換したくなっています。
ピックアップ交換の様子(ナチョの特殊配線に注意)
今回はザグリ加工なしのポン付け交換だったので、自分で作業しました。ひとつ注意点:ナチョギターはセンターポジションで直列接続になる特殊な仕様なので、初めての方は配線で苦戦するかもしれません。配線図をよく見てから交換してください(私は以前に直列配線をノーマルに戻していたので、今回は楽でした)。
自分で交換するメリットは部材を選べることです。今回は配線材にベルデンの50年代物、ハンダにalphaのオールド(おそらく50年代)を使いました。こういう遊びができるのは自家作業ならでは。自信のない方は、リペアショップでリペアマンと直接話して依頼するのがおすすめです(楽器店持ち込みは外注に回ることが多いです)。
Ron Ellis Pickups の種類(テレ用だけじゃない)
ロン・エリスはテレ用が有名ですが、主要なタイプは一通りラインナップされています。
- テレキャスター用(今回のJLセットなど)
- ストラト用――教室の生徒さんが使っていて、弾かせてもらいましたが、これも素晴らしかった。
- P-90タイプ――P-90好きとして次に試したい筆頭。→ P-90交換の記事
- ハムバッカー(PAF系)――これがまた良いらしく、私もどれかのギターに一度載せてみたいと思っています。候補は Victor Baker のフルアコ。
相変わらず入手しづらいですが、見つけたら試す価値は十分にあります。
3年使った今の評価(2026年追記)
交換から3年。評価は変わらず「最高のピックアップ」です。教室のテレキャスターとして現役で、生徒さんにもよく弾いてもらっています。約12万円という価格は確かに高い。でも「テレキャスター用の最高峰を1回試したい」「タッチの出る生々しいPUが欲しい」なら、これ以上のものを私は知りません。
一方で、2〜5万円帯にも良いPUはたくさんあります(Lindy Fralin など)。「まずPU交換というものを試したい」段階なら、そちらから入るのが現実的です。ピックアップ交換全般の考え方・費用感はギター選び完全ガイドにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. Ron Ellis Pickups は何がそんなにすごい?
A. タッチへの忠実さとダイナミクスの再現がダントツです。音を一切飾らない生々しい出音で、フロント(JLモデル)はテレキャスターなのにセミアコのような箱鳴り感が出ます。太いのに抜ける、高音が痛くない、というバランスも別格です。
Q. 値段はいくら?どこで買える?
A. 私の購入時はテレ用セットで約12万円でした。ピックアップとしては最高価格帯です。流通量が少なく、楽器店に入荷してもすぐ売れてしまうので、見つけたときが買いどきです。
Q. Standard Plus JL とは何のモデル?
A. Julian Lage が所有する1954年製テレキャスターのフロントPUを再現したモデルです。通常モデルよりすっきりしているのに音は太い、という独特のキャラクター。リアの52Tはブラックガード期テレの再現で、繊細かつ箱鳴り感があります。
Q. ジャズでテレキャスターは使える?
A. 使えます。私はこのテレをジャズの現場でフルアコを差し置いてメインで使っていたほどです。Julian Lage はじめ、テレキャスターで本格的なジャズを弾くプロは現代ではむしろ定番です。
Q. 自分で交換できる?
A. ザグリ加工が不要ならポン付けで可能です。ただしナチョギターのようにセンターで直列になる特殊配線の個体は配線図の確認必須。ハンダに不慣れなら、リペアショップでリペアマンと直接話して依頼するのが安心です(交換は自己責任で)。
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Ron Ellis 搭載のテレ、教室で弾けます
記事のテレキャスターは大阪・西区(南堀江・桜川)の教室に置いてあります。「12万円のPUってどれほどのもの?」が気になる方は、レッスンのついでにぜひ実際に弾いてみてください。PU選び・交換の相談も歓迎です。