「ジャズで最初に買うエフェクター、何がいい?」――教室で20年すすめ続けてきた答えが Xotic EP Booster(エキゾチック EPブースター)です。通すだけで音がふくよかになり、張りと“真空管っぽさ”が出るクリーンブースター。つまみは1個だけ、どうセッティングしてもいい音になるので、エフェクターが初めての人でも効果がはっきり分かります。
30秒の結論
- 通すだけで音が太く、艶と張りが出る。“チープなギターでもしっかりした音になる魔法の箱”。
- おすすめ設定はつまみ9時の軽いブースト。アンプを選ばないのがロングセラーの理由。
- JC-120 などトランジスタアンプを“真空管っぽく”する用途に一番手。アンプ直派が「1個だけ置く」定番。
- 正直な弱点=何を弾いても「EP Boosterの音」になり、いつか飽きる(大倉は飽きて手放した)。それでも最初の感動は本物。
- 市場価格 約2.5万円(昔は1万円ちょっとだった=値上がり傾向)。
EP Booster とは(名機 Echoplex のプリアンプを1個のつまみに)
EP Booster は、テープエコーの名機 Echoplex EP-3 のプリアンプ部をモデルにしたブースターです。EP-3 は「繋ぐだけで音が良くなる」とギタリストたちがプリアンプとして愛用してきた機材で、その美味しい部分だけを小さな筐体に収めたのが本機。最大+20dB のクリーンブーストで、つまみはゲイン1個だけのシンプル設計です。
中を開けると内部スイッチがあり、Bass Boost(低音の押し出し)と Bright(高域のきらめき・出荷時ON)を切り替えられます(年式によって仕様が少し異なります)。とはいえ基本は「箱から出して繋ぐだけ」で完成された音。ギタリスト同士なら「Xoticの音やで」で通じるくらい、キャラクターの確立した1台です。
なぜ“最初の1台”にすすめるのか
- 効果が分かりやすい:踏んだ瞬間に音が太く、艶っぽくなる。初心者でも違いがはっきり聴き取れます。
- アンプを選ばない:どんなアンプでも“ある程度の音”に仕上げてくれる。現場のアンプが選べないジャズの実情に合います。
- クリーンと相性が良い:歪ませずに音を持ち上げる=ジャズの音作りのど真ん中。クリーンブースターが1個あると表現の幅がぐっと広がります。
- 失敗しにくい:どうセッティングしてもいい音になる=買って後悔しにくい。長年売れ続けているのには理由があります。
大倉のセッティング=つまみ9時
おすすめはつまみ9時あたりの軽いブースト。少しだけ持ち上げる方が音に張りが出て、音質の良さが活きます。接続はチェーンの先頭(ギター直後)が基本。JC-120 対策としても優秀で、トランジスタの硬さがほぐれて真空管っぽい肌触りになります。アンプ直派が「1個だけ足元に置く」候補としても一番手です(→ JC-120のセッティング)。
正直な弱点:「何を使っても EP Booster の音」になる
良いことばかり書きましたが、長く使った者として正直な弱点も。EP Booster はキャラクターが強いぶん、どのギター・どのアンプを使っても“EP Boosterを通した音”になります。最初は感動して何にでも掛けていたのに、ずっと使っているとそれが飽きに変わる――大倉自身、飽きて手放しました。
ただこれは「それだけ音への支配力が強い」ことの裏返しです。最初の1台として音作りの楽しさを教えてくれる価値は揺るぎません。手放した今でも、初めて踏んだときの感動は覚えています。「自分の素の音」を確立したくなったら卒業を考える、それくらいの付き合い方がちょうどいいペダルです。
自作EPブースター(教室に置いてある“赤い箱”)
気に入りすぎて、EP Booster の回路を参考にした自作機まで作りました。部品メーカーの選定やコンデンサーの値、FET・トランジスタをオリジナルから変更して研究を重ねたもので、本物よりゲインを下げてエアー感が出る・ローを少し抑えたセッティングに仕上げています。この“赤い箱”は今も教室に置いてあるので、レッスンで実際に踏み比べられます。市販機との音の違いを聴くと、ブースターの仕組みがよく分かるはずです。
EP Booster の仲間たち(RC Booster・Lee Custom・ParaEQ)
- Xotic RC Booster=EP Booster に EQ が付いたイメージ。EQの効きが良く、音に張りが出ます。大倉も先頭に繋いで愛用していました。音作りの幅が欲しい人はこちら。
- Lee Custom 真空管バッファー/ブースター=本物の真空管で質感を足す系。白はHi-Fi、黒は軽く歪んでミッドが持ち上がる2機種。デジタル機材(アンプシミュ等)とセットで使うと真空管のニュアンスが乗って効果絶大です。
- Empress ParaEQ=ブースター兼EQの最高峰。「困った時にはこいつ」。原音に忠実な高音質で、現場の微調整(100Hz以下のローカット・会場によっては10kHz以上のハイカット)に効きます。コツは足すより削る“引き算”のEQ。
- ケンタウルス系・TS系をブースターとして使う手もあります。オーバードライブのゲインを絞ってレベルを上げ、「歪まないまま個性だけ足す」使い方です。詳しくは ジャズで使うエフェクター完全ガイド の歪み章へ。
こんな人におすすめ
- 最初のエフェクターを探しているジャズギタリスト。
- JC-120 など現場のトランジスタアンプを良い音で鳴らしたい人。
- アンプ直+1個だけのミニマム派。
- 手持ちのギターの音が細い・物足りないと感じている人。
よくある質問(FAQ)
Q. EP Booster はどんな効果があるの?
A. 通すだけで音がふくよかになり、張りと真空管っぽい艶が出るクリーンブースターです。名機 Echoplex EP-3 のプリアンプ部がモデルで、最大+20dBまで持ち上げられます。歪みではなく「音を良くする」方向のペダルです。
Q. おすすめの設定は?
A. つまみ9時あたりの軽いブーストです。少しだけ持ち上げる方が音に張りが出ます。接続はチェーンの先頭(ギター直後)が基本。内部のBass Boost/Brightスイッチは、まずは出荷時設定のままで十分です。
Q. JC-120 に合うって本当?
A. 本当です。トランジスタ特有の硬さがほぐれて、真空管アンプっぽい肌触りに近づきます。ジャズの現場でJC-120に当たることは多いので、「JC対策に1個だけ置く」ペダルとして定番です。
Q. ブースターとオーバードライブは何が違う?
A. 実はほとんど同じ仲間で、歪まないものがブースター、歪みがメインなのがオーバードライブという程度の区別です。オーバードライブのゲインを絞ってレベルを上げれば、ブースターとして使えます(ケンタウルス系の定番の使い方)。
Q. EP Booster と RC Booster、どっちを買うべき?
A. 「繋ぐだけで完成された音」が欲しいなら EP Booster、EQで音作りの幅が欲しいなら RC Booster(EP にEQが付いたイメージ)です。初めての1台なら、よりシンプルな EP Booster をおすすめします。
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ブースターの踏み比べ、教室でできます
大阪・西区(南堀江・桜川/なんばからも近い)の教室には、自作EPブースターをはじめ実機が揃っています。
あなたのギターで実際に踏み比べながら、最初の1台を一緒に選びましょう。