このページは「確認して通過する」ページです。ざっと読んで、ページ末尾の到達チェック✅で引っかかった所だけ戻ってください。数分で次(コードトーン)へ進んでOK。
ここがスタート地点です。初級でやることの柱は「フォーム(左右の手)」と「クロマチック(指ならし)」の2つ。上から順に、1つずつゆっくりで大丈夫です。
基礎のゴールは「きれいなフォームを完成させる」ことではありません。「余計な力とノイズを取り除いて、この先の練習が全部乗る土台を確認する」ことです。やることはこの5つ。
- かまえ:ネックを体の正面から約45度前に出す
- 左手:フレット際を・指を立てて点で・力まず押さえる
- 右手:オルタネイトを基本に、8分音符の表拍はダウンで弾く
- ピッキングの3つのアングル(順・平行・逆)を知り、自分のやりやすい形を確かめる
- セッティングを一度点検:弦高(12フレット・1弦の数値をメモ)とピックアップの高さ、季節で動くネック
やらないこと(引き算):
✕ 長年の自己流フォームを、全部は直さない——特に染みついたピッキングを無理やり矯正するのは「時間の無駄」。そこに時間をかけるなら他の練習を。
✕ ピックか指かで立ち止まらない——結論は「やりやすい方で」。今はピックと指を併用するハイブリッドが主流です。
✕ 弦高の「正解の数値」を探さない——適正値はミュージシャンによって様々。好みで試行錯誤していい部分です。
このページは作り込む場所ではなく、確認する場所。基礎を”完成”させてから進むのではなく、確認できたらすぐSTEP1(コードトーン)へ。
なぜコードトーンより先に、フォームの「確認」なのか(30秒だけ理屈)
この先の練習は、コードトーン→アプローチ→スケールと積み上がっていきます。そのすべてで問われるのが音のクオリティ——「速く弾いても、ゆっくり弾いた音と変わらないクオリティを保つ」こと。そして要る音しか出さないこと。この2つは、力みのないフォームの上にしか乗りません。逆に、力んだままの長時間練習は腱鞘炎など体を痛めるリスクにもなります。だから最初に一度だけ、土台を確認します。
基礎の3点セット(この順に確認)
【1】かまえ・左手——ネックは45度前へ、フレット際を点で
教室で最初に修正することが多いのがネックの角度です。体とギターが同じ方向(同じく正面)を向いていたらダメ——すごく弾きにくい状態になります。ネックを自分の体から見て45度くらい前に出す。ほとんどの生徒さんに、まずこれを伝えています。
この図の使い方:自分から見た図です(構えたまま手元を見下ろしたとき)。手前が自分の体、上が正面。「ヘッドが体の正面へ約45度出ているか」を確認し、体とネックが平行になっていたら、ヘッドだけ前(奥)に出します(毎回の構えで数秒チェック)。
左手の押さえ方は、チェックポイントを5つに絞ります。
⑤の「力を加えない」は、弾き心地の話だけではありません。長時間練習で腱鞘炎や手首を痛めるのを防ぐ鍵は、完全に「脱力」にすべてがあります。大倉自身、過去に指を痛め、腱鞘炎になった経験があるからこそ、今はすごく気をつけて練習・演奏しています。指先は手首を通じて前腕の筋肉で動いている——そんな体の仕組み(ボディマッピング)まで意識できるとベストです。
座り方はシンプルに2つだけ。背もたれに深くもたれないこと、両足がしっかり地面につくこと。椅子はキャスターのない4本足——ピアノ椅子のようなものが一番安定します。弾く前には指のストレッチを軽く。特に寒い時期は、体が冷えて固まったまま無理に動かすと痛めやすいので、ゆっくりほぐしてから弾き始めてください。
【2】ピッキングフォーム——方向はリズムで決まる、アングルに不正解はない
ピッキングの方向は何で決まるか——まずはリズムです。原則は1つ:8分音符ベースの表拍はダウン。何も考えない場合はダウン・ダウンで構いません。ただしこれはあくまで原則=一つの基準であって、必ずそうでないとダメというルールではありません——アップにはアップの音の魅力があり、それを狙って使うことも結構多いのです。そして基本はオルタネイト(ダウンとアップを交互)。ダウン=表拍・アップ=裏拍が対応するので、リズムにとって一番有利なピッキングです。まずオルタネイトで全て弾けるようにして、その上でエコノミーや変則的なピッキングに進むのが一番スムーズ。ちなみにアップはダウンよりコントロールが難しく、「ダウン・アップ・アップ」のような並びで弾く癖はかなり少数派で、難易度が上がります。
ピックの傾き(アングル)は3種類。どれを使ってもよく、特徴が全部違う——それだけ知っておいてください。
ピッキングはギタリスト100人いたら100人みんな違います。基本的に不正解はなく、やりやすい方法・理想の音色が出る方法でOK。合わせて右手はこの3点だけ:順・平行アングルでは親指側を弦の上に置く(安定+不要弦のミュート)/小指をボディに力を入れて支点にしない(右手の自由が失われ弦移動が苦手になる)/ピックは弾いた時に反対側が揺れる程度の強さで持つ。強さはダイナミクスの真ん中くらいが目安——力ずくは音が細くなり、弱くしすぎると芯のない音になります。
最後に「ピックか、指か」。基本的にはピックを勧めます。速い3連のパッセージやアルペジオは、指弾きだとどうしても限界が来やすいからです。ただし長年指弾きでやってきた人は、ピック習得に大きな労力を割くより指のまま工夫していく方向で十分。結論は「やりやすい方でやったらええんちゃいますか」です。しかも今はピックと指を併用するハイブリッドピッキングが主流——「ピックか指か」という線引き自体、もう要らなくなってきています。
大倉の断言:フォームの見直しに、遅すぎる年齢はない
「フォームを見直すのに遅いということはないです。プロのギタリストの間では、多分毎日のように『右手どうしたらいい』という話が出ているくらい、理想の音色を求めて常に研究している世界です。僕自身も40を過ぎましたが、最近また逆アングルピッキングに挑戦しています。練習した結果、やめるかもしれないし、そのまま行くかもしれない。そこはどちらでもいいと思って練習しています」。
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
【3】セッティング——弦高・ピックアップ・季節のネック
最後はギター側です。フォームとセッティングは別の話ではありません。年齢を重ねるほど「いかに体への負担を下げるか」が大事になり、その要素はフォーム・ギターのセッティング・機材——弾きにくいギターで頑張るほど、力みは増えます。自分で触れる2箇所+季節の話だけ押さえましょう。
弦高——「正解値」を探さず、まず現状を測る
ジャズギターの弦高の適正値は、ミュージシャンによって様々です。相場観として、レガート系を多用する低め派は1弦・12フレットで約1mm(を切るくらい)、フルアコをしっかり鳴らすタイプは今でも高めが多い。傾向はシンプルで、高いほど楽器は鳴るが弾きにくく、低いほど弾きやすいが鳴りにくい(ピッチは低い方が有利)。この間で、自分の好みを試行錯誤して探していい部分です。調整の順番はネック→ブリッジ→ナット。ナットだけは自分で触れないので、プロに任せてください(教室でも生徒さんのギターは見ています)。そして調整のたびに「何回転回したか」を覚え、定規で測って数値を記録する——元に戻せるから、いろんな実験ができます。
ピックアップの高さ——前提は「全弦同じ音量」
高さ調整の前提は、全ての弦が同じ音量で出るようにすること。特にジャズの場合、3弦が巻き弦ならポールピースを上げ、プレーン弦なら下げる(巻き弦は芯線が細く出力が下がるため)。全体の高さは、大倉は低めが好みです——低めにするとエアー感が出て楽器の鳴りが感じられる。逆に高くしすぎると、磁力で弦が引っ張られて音程や音色がおかしくなるデメリットがあります。
季節の変わり目——弦高が変わったら「まずネック」
季節の変わり目に弦高が高くなった・低くなったと感じたら、大体はネックが動いています。ネックが動いているのにブリッジで調整するとバランスが崩れるので、まずネック(トラスロッド)から。トラスロッドを回すのが怖い人も多いですが、そこまでビビる必要はありません。守るのは3つ——そのギターに合った工具を使う・ネジがちゃんと噛んでいるか確認する・無理な力を加えない。一気に回さず、45度ずつ回して様子を見るの繰り返しで大丈夫です。
🎸 今日の練習(これ1つだけ)
ごくゆっくりのクロマチック(弾ける人は好きなスケールでも可)を5分。指を速く動かす練習ではなく、フォームチェックの練習です。1音ごとに見る所は3つだけ——①ネックは45度前に出ているか ②フレット際を点で押さえているか ③必要以上の力が入っていないか。ウォームアップも兼ねられる、大倉が最初に勧めるメニューです。
上手く聞かせるポイントは2つ。1音1音をしっかり長く——次の音が出るギリギリまで伸ばして、全部が繋がって聞こえるように。そして同じ動きをスラー(ハンマリング・プリング)でも弾けること。ピッキングと交互にやると、リズムのズレに自分で気づけます。
基礎は毎日の「最初の5分」で確認するもの。残りの練習時間はSTEP1(コードトーン)に使ってください。このページをブックマークして、明日もここから始めましょう。
✅ これができたら次(コードトーン)へ
☐ 左手はフレット際を、指を立てて点で押さえられている(人差し指が寝ていない)
☐ 8分音符のフレーズで、表拍がダウンピッキングになっている(原則として。狙ったアップはOK)
☐ 自分のギターの弦高(12フレット・1弦)を測って、数値をメモした
☐ 弾いている間、必要以上の力が入っていない(脱力できている)
このページで書けるのは、ネック45度や表拍ダウンといった全員共通の原則までです。どのクセを直してどれを残すかは100人いれば100通りで、記事には書けません。レッスンではそこを一緒に切り分けて、やったことはカルテに残して家でも復習できるようにしています。
よくある質問(FAQ)
Q. 長年自己流で弾いてきました。フォームは全部直すべきですか?
A. いいえ、全部は直しません。特に長年の自己流ピッキングを無理やりオルタネイトへ矯正するのは、長年教えてきた経験から言うと時間の無駄で、そこに時間をかけるなら他の練習をした方が上達します。一方でネックの角度のように直す価値の大きい所もあります。どこを直しどこを残すかの切り分けは、自分では判断しづらい部分です。
Q. ピックと指弾き、どちらで始めるべきですか?
A. 基本的にはピックを勧めます。速い3連のパッセージやアルペジオは指では限界が来やすいからです。ただし長年指弾きでやってきた人は、指のまま工夫する方向で十分。結論は「やりやすい方で」。今はピックと指を併用するハイブリッドピッキングが主流で、線引き自体が要らなくなってきています。自分がどちらに向くかは、実際に弾く姿を見せてもらうのが早い部分です。
Q. 弦高はどれくらいが正解ですか?
A. 決まった正解値はなく、ミュージシャンによって様々です。レガート系の低め派は1弦・12フレットで1mmを切るくらい、フルアコを鳴らすタイプは高めが多い、というのが相場観。高いほど楽器は鳴るが弾きにくく、低いほど弾きやすいが鳴りにくい——この間で好みを試行錯誤してください。ただしナットの調整だけは自分では難しいので、プロに任せるのが安全です。
Q. フォームを直すのに遅すぎる年齢はありますか?
A. ありません。プロは理想の音色を求めて毎日のようにフォームを研究していますし、大倉自身も40歳を過ぎてから逆アングルピッキングの練習に取り組んでいます。ただし「何を直すべきか」の見立てを自分一人で行うのは難しく、向いているフォームは外から見て初めて分かることが多い部分です。
Q. 季節の変わり目にギターが弾きにくくなった気がします。
A. 弦高がいつもと違うと感じたら、大体はネックが動いています。そのままブリッジで調整するとバランスが崩れるので、まずネック(トラスロッド)から。合った工具を使い、ネジが噛んでいるか確認し、45度ずつ回して様子を見れば壊れるものではありません。それでも怖い場合や、ナットが原因の場合は、自分で判断せずリペアや教室で見てもらってください。
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大倉ギター教室|大阪市西区南堀江(桜川駅・西大橋駅 徒歩5分/四ツ橋・JR難波も10分圏)