Wes Montgomery

ジャズギタリスト紹介 > ウエス・モンゴメリー

ジャズギターを始めると、必ず一度は通るのがウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)です。親指一本のオクターブ奏法があまりに有名ですが、彼から本当に盗みたいのは、そのテクニックそのものよりもソロの「組み立て方」——シングルライン → オクターブ → コードソロと、だんだん音を分厚くして盛り上げていく設計図のほうです。ここでは、そのソロの構築を軸にウェスの魅力を整理します。

30秒でわかる結論

ウェスの一番の学びどころは、超絶技巧そのものより「シングルライン → オクターブ → コードソロ」と音を分厚くしていくソロの起承転結です。

この3段階は、音の薄いギターという楽器でだんだん盛り上げていくための、そのまま真似できる設計図です。引き算:いきなり親指のオクターブ奏法や3段階すべてを同時に完コピしようとしないこと。まずは名盤を1曲通して聴き、「どこで音が厚くなって盛り上がるのか」を耳で追うところから始めれば十分です。

目次

ウエスモンゴメリー

1923年3月6日、インディアナ州生まれ。20歳の時にギターを始め、チャーリー・クリスチャンに没頭していたようです。1960年に『The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery』でデビューしました。

ウエスモンゴメリーの奏法

ジャズギタリストなら誰しも多かれ少なかれ影響を受けているのが、ウエス・モンゴメリーのトレードマーク「オクターブ奏法」です。元々は、なんとかして音量を稼ぎたいと思って試みた奏法みたいです。ピックを使わず、親指で弦を弾く弾き方をしていました。その他、シングルラインも素晴らしいフレーズの宝庫です。

この「親指で全部弾く」というのは、ただの個性ではなく音色そのものを作っています。ピックの立ち上がりの鋭さがない分、太くて丸い、あの独特のウェス・トーンになります。だから同じフレーズでも、親指で弾くだけで一気に”それっぽく”聞こえるわけです。

「ウェス・モンゴメリーは親指で全部弾くんです。親指も硬くなりすぎて爪みたいになってるんですけど、普通の爪とはちょっと違う音色になるんですよ。」

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

とはいえ、これからジャズを学ぶ人がいきなり真似すべきは親指奏法ではありません。まずはシングルライン(1音ずつのアドリブ)と、次に説明する3段階の組み立てのほう。オクターブやコードソロは、シングルラインが安定してから足していく”厚み”の装飾だと考えてください。オクターブやコードソロの具体的な作り方は、ソロの組み立て方|起承転結で作るアドリブソロの設計図・ギター1本でジャズらしく弾きたい|コードソロ・ソロギター入門で扱っています。

ウエスモンゴメリーのソロの構築

曲にもよりますが、ウェスのソロは次のように進んでいくことが多いです。

シングルラインのソロ → オクターヴ奏法 → コードソロ

この三段階のアプローチだと、ギターの弱点である音の薄さをカバーできます。なおかつ、後半になるに従って音に厚みが加わって盛り上がる、理想的な組み立てになっています。

なぜこの順番がうまくいくのか——理屈はシンプルで、音数と音の厚みが後半へ向かって増えていくからです。ソロを最初から最後まで同じ密度で弾くと、練習みたいな平板なソロになってしまう。ウェスの3段階は、それを避けて起承転結を自動的に作る”型”になっているのです。

「最初から最後までずっと同じ感じでやると、しょうもないソロになってしまう。起承転結をすごく意識するといいんです。ウェスの場合は、最初はシングルノート、次にオクターブ、次にコードソロ——こうやって展開させていく。だんだん音が分厚くなっていくので、起承転結が得られやすいんですね。」

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

この人から学ぶこと・練習すること

オクターブやコードソロを完コピするのは先の話。まずは「盛り上げ方の型」だけを自分のソロに移植します。手順はこうです。

  1. 名盤を1曲、耳で追う:まずは代表曲を1曲、「どこで音が厚くなって盛り上がったか」だけを意識して聴く。分析より先に、耳で流れをつかむ。
  2. 前半は音数を絞る:自分のソロでも、最初の数小節はあえて音数を少なく・スペース(休符)を多めに。いきなり弾き倒さない。
  3. 後半で”厚み”を足す:後半に向けて、同じフレーズの繰り返し・高い音・少し速いフレーズなどで密度を上げていく。ウェスのようにオクターブやコードを混ぜられれば理想だが、まずは音数を増やすだけでも起承転結は作れる。
  4. 締めを決める:一番盛り上がったところで、次のソロへ渡す合図になるような締めのフレーズを置く。「ここで終わり」と分かるように。

この3段階の組み立て(音数の増やし方・盛り上げ方)は、ソロの組み立て方|起承転結で作るアドリブソロの設計図で詳しく扱っています。ウェス風のコードソロに踏み込みたい場合はギター1本でジャズらしく弾きたい|コードソロ・ソロギター入門へ。

ウエスモンゴメリーの名盤

沢山ありすぎて迷いますが、一枚あげるとなれば『ハーフノートのウェス・モンゴメリーとウイントン・ケリー』。ウイントン・ケリー・トリオにウェスが参加している感じなのですが、長年一緒に演奏してきたような一体感のある演奏をしています。特に一曲目の「ノー・ブルース(No Blues)」のソロは、ウェスの持ち味が存分に味わえて、正に神がかっています。

🎧 この一枚と「ノー・ブルース」のソロを1本まるごと掘り下げた記事があります → ジャズギター初心者の為のジャズ必聴アルバム[ハーフノートのウエス・モンゴメリーとウイントンケリー]

使用ギター

ギブソン(Gibson)の L5-CES。一弦側のカッタウェイにハート型のインレイが施されていたのが特徴で、彼の晩年までの愛器となりました。

ウエスモンゴメリーの参考動画

動画は、ただ聴くだけではもったいない資料です。右手(親指の動き)・左手のフォーム・オクターブに切り替わる瞬間——音源だけでは分からない”どう弾いているか”が、映像だと一目でつかめます。スロー再生やコマ送りを使って、フォームを盗む気持ちで見てみてください。

「YouTubeが出てきた頃、ウェス・モンゴメリーが動いている映像を初めて見たときのことは、今でもすごく覚えています。いや、あれはもうびっくりしましたね。衝撃的で。『こうやって弾いてたんか』というのが実際に見られて、本当に感動しました。」

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

こうして耳と目で”盗む”のが、ジャズギター上達の王道です。何をどう聴き・どこを見て採るかは、耳コピの運用|何を・どうコピーするかにまとめています。

次に読む・あわせて聴く

これらの内容は、教室では今日から学べます → 体験レッスン

大倉ギター教室・体験レッスン

ウェスの「3段階で盛り上げるソロ」を、自分の演奏に落とし込みませんか

どこで音を絞り、どこで厚みを足すか。オクターブやコードソロをどう混ぜるか——実際に弾いてもらいながら、一緒に確認します。ジャズは20年指導してきました。手ぶらでOKです。

体験レッスンを申し込む →

大阪市西区南堀江/桜川駅・西大橋駅から徒歩5分(四ツ橋・JR難波も10分圏)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次