主にマイナーコードのときに使えるフレーズ(リック)を、五通りの運指の譜面・TAB付きで紹介します。覚えやすく・弾きやすく・応用の幅も広い、マイナーの最初の持ちネタにおすすめの一本です。
マイナーコード(Dm7など)の上で“マイナーらしさ”を出す短いフレーズを、指板の5か所どこでも弾けるようにするリックです。
中身は Dマイナースケールの最初の5音(D–E–F–G–A) を上がって戻るだけ。形が単純なので覚えやすく、ルートをずらせばそのまま他のマイナーコードにも移せます。引き算:5ポジションを一度に完璧にしようとしないこと。まずは自分がよく弾くコードフォームに近い1ポジションだけを反復し、残り4つは後回しでかまいません。
フレーズ(リック)
主にマイナーコードの時に使用するリックです。このリックは覚えやすく弾きやすいので、色々なポジションで覚えておきましょう。ここには五通りの運指を書いておきました。これ以外にも考えられるので、色々試してみましょう。
①〜⑤はどれも同じ並び(レ・ミ・ファ・ソ・ラ・ファ・ミ・レ)。TABは上が1弦です。
このリックの中身:Dマイナースケールの最初の5音でできている
譜例は5つとも Dm7(Dマイナー・セブンス) の上でのフレーズです。実際に使っている音は D・E・F・G・A の5音=Dマイナースケールを下から並べた最初の5つ。度数に直すと、こうなります。
ならびは8分音符で D–E–F–G–A–F–E–D。Dマイナースケールをルートから 5th(A) まで5音そのまま上がり、下りは 11th(G) を飛ばして ♭3rd(F)→9th(E)→R(D) と戻る——それだけの形です。マイナーの色を決めるコードトーン ♭3rd(F) を上りと下りの両方で通るので、短いのにしっかり“マイナー”に聞こえます。だから「主にマイナーコードのとき」に使える=Dm7を Am7・Em7 など他のマイナーコードに移すときは、ルートを合わせて同じ形をずらすだけで使えます。
※このリックが「なぜマイナーで鳴るのか」の土台=コードの構成音を追う考え方は コードトーンの覚え方と練習の順番|ジャズギターで次のコードへ迷わず繋ぐ、スケールとの結びつきは スケールのマスター:使い方編|3度・6度のインターバル・ランダム で扱います。
「フレーズがアドリブで出てこないのは、たいてい弾いた数が足りていないだけ。数を弾いたのに出てこないときは、そのフレーズが何スケール・どのコードトーンでできているのかを理解できていないことがあるんです。だから、仕組みを理解して、自分が弾くコードフォーム(5弦ルート・6弦ルート)の近くで弾けるようにしておくのがコツです。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
5通りの運指(ポジション)の使い所
5つはすべて同じ並び(D–E–F–G–A–F–E–D)です。音の高さは①②⑤が同じで、③④はその1オクターブ下。「どの場所でも・どちらの音域でも出せる」=そのときの状況に合わせて選べる、というのが最大のメリットです。
② 2弦+1弦/3〜6フレット
ローポジションの高音弦側。開放コード付近=ネックの下の方を弾いているときに、そのまま出せる。音の高さは①⑤と同じ。
④ 5弦+4弦+3弦/2〜5フレット
ローポジションの低音弦側(1オクターブ下)。一番低い音域で落ち着いた雰囲気。オープンコード付近のバッキングから移りやすい。
③ 5弦+4弦/5〜8フレット
低音弦側のミドルポジション。④と同じ低い音域(1オクターブ下)を、5〜7フレットのコードフォーム付近で出せる。
① 3弦+2弦+1弦/5〜8フレット
高音弦側の中間ポジション。5〜7フレットの“ホームポジション”で、5弦ルート・6弦ルートのコードフォームのすぐ近く。コンピングから手を大きく動かさずにソロへ移れる。
⑤ 4弦+3弦+2弦/9〜12フレット
ハイポジション。音の高さは①②と同じで、ソロで9〜12フレット付近を弾いているときに手元でそのまま出せる持ちネタになる。
使い分けのコツ:まずは①か③のミドル(5〜7フレット付近)=コードフォームの近くを最優先で。ここが弾ければ、伴奏からソロへ手を大きく動かさずに繋げます。低く落ち着かせたいとき③④(1オクターブ下)、開放コード付近なら②、ハイポジションで弾いているときは⑤——同じフレーズを場所と音域で使い分けるだけです。
※マイナーの音使いをもう一段深く(メロディックマイナー等)は メロディックマイナー・スケール|オルタード・リディアン7thの”親” で扱います。
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このリックで練習すること
- 1ポジションを選ぶ:自分がよく弾くコードフォームに近いもの(迷ったら①か③のミドル)を1つだけ。
- Dm7のバッキングを流して、そのリックだけを弾く:コード進行(またはDm7一発のループ)を必ず流し、リックの箇所は必ずこれを弾く。最初はそれだけでいい。
- ♭3rd(F)を意識する:Fで“マイナーらしさ”が鳴っているかを耳で確認。ここが軸の音。
- 手が覚えたら音を足す(変奏):余裕が出たら、リックがまだ使っていないコードトーン ♭7th(C) を足すなどしてフレーズを伸ばす。ただし、足すとリックを間違えるうちは、まだ足す時期ではない。完全に覚えてから足す。
- キー移し:気に入ったら他のマイナーコードのルートへずらす。ギターは運指が変わるので、まずは弾きやすいポジションだけでOK。
目安:ツーファイブワンの4小節に対して毎日50回、テンポにもよるが10分以内。20〜30回で手はだいたい動くようになりますが、そこから定着させる作業が本番——ここが根気のいるところです。
「“覚えた”というのは、いつでも自由に使えて、考えなくても出てきて、いろんなキーで弾けて、改造もできる——つまり自分の言葉にしてしまうこと。ただ弾けるようになっただけでは、覚えたうちに入りません。だからしっかり身につくのは、年に2〜3個で十分なんです。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
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- ▶ このリックの土台(構成音を追う):コードトーンの覚え方と練習の順番|ジャズギターで次のコードへ迷わず繋ぐ
- ▶ スケールとの結びつき:スケールのマスター:使い方編|3度・6度のインターバル・ランダム
- ▶ マイナーをもう一段深く:メロディックマイナー・スケール|オルタード・リディアン7thの”親”
これらの内容は、教室では今日から学べます → 体験レッスン
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