フレーズは覚えた。コードトーンも練習した。なのに曲になると、どうも形にならない——そして気づけば、ギターを手に取る回数が減っている。ジャズギターで挫折する人は、実際すごく多いです。ただ、挫折した人たちに才能がなかったわけではありません。ほとんどは「順番」と「やり方」の問題で、先に知っていれば避けられるものです。
ジャズギターで挫折する原因は、才能ではなく「順番」と「やり方」です。
挫折する人が多い一番の理由は「なかなか形にならない」こと。そして形にならない大きな原因が、真面目に練習しすぎることです。コード進行のすべてを忠実に拾う練習は、初心者のうちは事実上不可能——これは最初から捨ててください。もっと簡単に弾ける方法から始めて、アドリブの楽しさを実感しながら積み上げれば、挫折の大半は避けられます。
挫折する人の「あるある」は、だいたいこの5つ
- 1|フレーズを覚えたのに、曲で使えない
- 2|全部のコードを拾おうとして、ついていけない
- 3|コードトーンを覚えたのに、自由に使えない
- 4|同じところをぐるぐる回って、飽きてくる
- 5|一人きりで練習して、人と比べて落ち込む
たいてい複数当てはまります。そして「どれが本当の原因か」は自分では気づきにくい——これがこの記事の最後の話です。
あるある1|フレーズを覚えたのに、曲で使えない
こんな状態:教則本や動画でフレーズを覚えた。単体なら弾ける。なのに曲に乗せようとすると入らない。たまに入っても毎回同じフレーズで、「ずっとこればっかり弾いているわけにもいかない」と手が止まる。
なぜ起きる:フレーズは覚えただけでは演奏できないからです。当てはめること自体が上手くいかないことが多く、当てはめられても同じフレーズの繰り返しになってマンネリ化する。ここで「形にならない」と感じるのが、挫折の入り口です。
回避策
フレーズの数を増やす方向に行かないこと。「覚える練習」より「使う練習」に切り替えて、もっと簡単に弾ける形から、アドリブの楽しさを先に体験する方針です。ワンパターンでも「ソロになっている」実感が先。具体的な始め方は アドリブで手が止まる にまとめています。
あるある2|全部のコードを拾おうとして、ついていけない
こんな状態:進行表のコードをひとつ残らずきっちり拾って、忠実にアドリブしようとする。テンポが上がると間に合わず、練習がだんだん苦行になる。真面目な人ほど陥ります。
なぜ起きる:大倉がはっきり言っている通り、「コード進行に完全に忠実に、すべてのコードを拾って演奏するのは、特に初心者のうちは事実上不可能」だからです。できないことを目標に置けば、挫折するのは当然です。
回避策
最初からそれはやらない。あまり真面目に練習しすぎないことも大事です。音数を減らし、もっと簡単に弾ける方法からスタートして、楽しさを実感しながら段階を上げていきます。
あるある3|コードトーンを覚えたのに、自由に使えない
こんな状態:YouTubeなどで「コードトーンが大事」と知って、よく練習して覚えてきている——独学の人ほど、実際よく覚えています。なのに、アドリブでは使えない。
なぜ起きる:「覚える」と「自由に使える」の間に大きな段差があるからです。覚えても、自由に使えるところまで落とし込めない人がすごく多い。しかもコードトーンは順番に弾くだけではダメで、コードからコードへの「接続」の練習が別に要ります。ここまで教えてくれる情報は多くありません。
回避策
時間がかかるものだと、最初から見込むこと。そのうえでフレージングに少しずつ落とし込んでいく。ジャズっぽいフレーズが生まれてくるのが分かると、どんどん楽しくなります。アドリブが少しでも弾けてくると、モチベーションは上がりやすいものです。
「コードトーンは、早い人で1年。普通は2〜3年かかって習得します。すぐに習得できる人なんかいません——だから教室では、一番先に、優先的にやるんです。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
あるある4|同じところをぐるぐる回って、飽きてくる
こんな状態:練習はしている。でも弾くものが変わり映えせず、上達の実感もない。だんだんギターを手に取る回数が減っていく。
なぜ起きる:理由は2つあります。ひとつは練習量——あまり練習しない人はなかなか上手くなれず、ずっと同じところをぐるぐる回ってしまい、飽きて嫌になる。もうひとつは、練習していても上手くならない時期がそもそも誰にでもあること。停滞は才能の限界ではありません。
回避策
上達しない時期は、そんなに期待せずに練習を繰り返すのがいい。「うまくなろう、うまくなろう」と思い詰めて練習し続けるとしんどいので、楽しんで弾きながらでいい。どうしても苦痛で仕方ない練習は、やらない方がマシです。ただし、やっているうちに楽しくなってくるパターンもあるので、まず1回やってみるのは大事です。
「何を言っても、結局は練習です。ただ、嫌々するような練習はやめた方がいい——楽しんで弾きながらで、いいんです。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
あるある5|一人きりで練習して、人と比べて落ち込む
こんな状態:ずっと一人で練習している。SNSを開けば「こんなライブをしました」という投稿が目に入り、あの人の方が仲間と楽しそうにやっている、と比べて落ち込む。張り合いがなく、練習が続かない。
なぜ起きる:比較は、人がしてしまうものだからです。特にSNS時代はいろんなものが目に入ってくる。でもジャズは競技ではありません。難しいオルタード・テンションを使わなくても、ペンタトニックだけでかっこいいソロを弾く人はいくらでもいます。大事なのは、自分をしっかり持って、人と比べないこと。好きな音楽にまっすぐ向き合うことです。
回避策
自分は自分、人は人——自分のペースでやる。他人と比較しても、いいことは何もありません。そして仲間を見つけること。誰かと一緒に演奏するのは楽しいし、刺激になって練習に身が入ります。ジャズはセッション音楽なので、バンドを組まなくても、初めて会った人と一緒に演奏できます。
独学でどこまでいける?——正直に線を引きます
教室のサイトだからといって、独学を否定するつもりはありません。正直に書きます。独学で8割いけます。残り2割が、次の表の「対面でしか直せないこと」です。実際、完全な独学という人はほぼいなくて、皆さんどこかの段階で誰かに習っています。
○ 独学・テキストでここまでできる
- コードトーンを「覚える」ところまで(独学の人は実際、よく覚えてきています)
- フレーズ・理論のインプット(理論は後付けで十分)
- 毎日の基礎練の反復(クロマチック・スケールなど)
- 情報収集(今は情報が本当に多い時代です)
● 対面でしか直せないこと
- リズムが合っているかの判断(自分ではできない——ここが核です)
- コードトーンの「接続」=使い方と、次に進むタイミングの判断
- 情報の「いる・いらない」の切り分け
- 自分の問題点の特定(多くの人は分かっていない)
- ジャズ独特のリズムの雰囲気(一緒に演奏して身につけるもの)
「対面でしか直せないこと」に挙げたのは、「頑張れば独学でもできる」項目ではなく、構造的に一人では判定できない項目です。とくにリズム——動画は一方通行で、あなたのレベルは相手から見えません。
冒頭で「どれが本当の原因かは最後の話」と書きました。正直なところ、5つのうちどれがあなたの足を止めているかは、この記事だけでは分かりません。レッスンではまず一曲聴かせてください——その日にやったことはカルテに残して、家でも見返せるようにしています。
よくある質問
Q. ジャズギターで挫折する人は本当に多いですか?
A. 多いです。一番の理由は「なかなか形にならない」こと。フレーズを覚えても当てはめが上手くいかず、マンネリ化してしまう。ただしこれは才能の問題ではなく、順番とやり方でかなり避けられます。
Q. 挫折しないために、まず何をやめればいいですか?
A. コード進行のすべてを忠実に拾おうとする練習です。初心者のうちは事実上不可能なので、最初からやらない方がいい。もっと簡単に弾ける方法から始めて、アドリブの楽しさを実感しながら進めてください。
Q. 練習しても上達しない時期はどうすればいいですか?
A. 上手くならない時期は誰にでもあります。そういう時期はあまり期待せずに、練習を繰り返すのがいい。思い詰めて練習し続けるとしんどいので、楽しんで弾きながら続けるのがコツです。
Q. 独学だけでジャズギターは弾けるようになりますか?
A. 完全な独学の人はほぼいません。とくにリズムは、合っているかどうかの判断が自分ではできない部分なので、どこかの段階で、分かっている人に聴かせるのが近道です。
Q. 仲間がいなくても続けられますか?
A. 仲間を見つけるのは大きな挫折回避策です。誰かと一緒に演奏するのは楽しく、刺激になって練習にも身が入ります。ジャズはセッション音楽なので、バンドを組まなくても初めて会った人と一緒に演奏できます。
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大倉ギター教室|大阪市西区南堀江(桜川駅・西大橋駅 徒歩5分/四ツ橋・JR難波も10分圏)