ドミナントリック2[オルタードリック]

ジャズギターのアドリブ手法(コードトーン→アプローチ→リック) > ドミナントリック群 > オルタードリック
30秒でわかる結論

Gm7へ解決するD7(=マイナーへ向かうドミナント7th)の上で、オルタードの緊張感を出して自然に着地させるための2フレーズです。

2つともルート(D)の音からスタートし、ほぼオルタードスケール通りなので、リックの中では覚えやすい部類。まずはこの形をそのまま手に入れて、D7がGm7へ進む場面で使えるようにするのがゴールです。

✗ 引き算:オルタードスケールを表を見ながら全ポジション覚え込む――この練習は、今はしなくて大丈夫です。オルタードはまずフレーズ(リック)から入るのが近道で、スケールは後から自然についてきます。

目次

ドミナントフレーズ(リック)

今回はオルタードスケールを使用したフレーズです。

二つのフレーズを紹介してますが二つともルートの音からのスタートになっているので、覚えやすく使用しやすいと思います。

1弦 6弦 1 D7 ① 3 4 3 5 3 4 3 6 2 Gm7 5

①:ルートのレから始まり、後半の4音が E♭m トライアド+9th(シ♭・ソ♭・ファ・ミ♭)。TABは上が1弦。

1弦 6弦 1 D7 ② 5 6 3 4 6 3 5 4 2 Gm7 3

②:ルートのレから7音を順に上がるオルタードスケール。最後はミ♭から半音下のレ(Gm7の5度)へ。

▶ 印刷用PDF(譜面・TAB)

このフレーズのポイント

まずは一番のフレーズの解説です。

ほぼスケール通りなのですが注目するのは後半の二拍の部分です。

シ♭から降りてくるところですがここではEbm+9thのトライアドが出てきます。

リック①後半の、Ebmトライアド+9thを赤丸で示した譜例。

赤丸で囲っている所がEbmトライアド+9thです。

トライアドの単位に分けて覚える

フレーズを覚えたり、分析する時にはトライアドの単位に分けるといいです。

この場合だと半音上のメロディックマイナースケールから導きだされる、マイナーのトライアドと確認しましょう。(Dオルタード=Ebメロディックマイナー)

「オルタードスケールっていうのは、結局メロディックマイナーの派生。メロディックマイナーをしっかり弾ければ、開始音が違うだけで中身は一緒の音使いになるので、わざわざ別のスケールとして難しく考える必要はない」

— 大倉(講師歴20年)

つまりこのリックは「Dオルタード」という別物を暗記しているのではなく、半音上のEbメロディックマイナーを、D7の場所で鳴らしているだけ――と捉えると、一気に覚えやすくなります。ベースになるメロディックマイナーを弾き込むほど、こうしたオルタードのフレーズも“中身が同じ音”として手に馴染んでいきます。

🔧 元になるスケールの弾き込み方はこちら――メロディックマイナー・スケール|オルタード・リディアン7thの”親”。教室では今日から学べます。→ 体験レッスン

二つ目のフレーズはルートの音から上昇するオルタードスケールをほぼそのまま使用しています。

このリックで練習すること

① 下降+トライアド型

  • 度数:ルートのレから始まり、前半2拍が レ・ミ♭・レ・ド(R・♭9・R・♭7)。後半2拍が シ♭・ソ♭・ファ・ミ♭(♭13・3rd・♯9・♭9)で、ここが Ebm+9th のトライアドです。使うテンションは ♭9・♯9・♭13 の3つで、♯11(ラ♭)だけは通りません。
  • 使い所:D7 → Gm7。マイナーへ解決するドミナントの締めに。着地はGm7の5度(レ)で、ルートに降りるわけではありません。
  • コツ:後半のEbm三和音を「1つのカタマリ」として掴むと崩れにくい。

② 上昇スケール型

  • 度数:ルートのレから レ・ミ♭・ファ・ソ♭・ラ♭・シ♭・ド(R・♭9・♯9・3rd・♯11・♭13・♭7)と7音を順に上がり、最後だけドからミ♭へ跳びます。♭9・♯9・♯11・♭13 の4つすべてを通る形で、①より“スケール寄り”です。
  • 使い所:①と同じく D7 → Gm7。上行の勢いで解決に突っ込みたい時に。跳んだ先のミ♭から半音下がって、Gm7の5度(レ)に着地します。
  • コツ:ルート始まりなので、キーを変えても出発点を掴みやすい。

練習の順番はシンプルです。①か②のどちらか気に入った方を1つ選び、D7→Gm7のバッキングに合わせて、その箇所で毎回このフレーズを弾く――これを繰り返します。手が覚えたら、次は少しだけ崩して(音を足して)自分の言葉にしていきます。

「ツーファイブワンの4小節に対して、毎日50回同じフレーズで弾くと覚えられる。ただ“覚えた”とは、いつでも自由に使えて、考えなくても出てきて、いろんなキーで弾けて、改造もできること――つまり自分の言葉にしてしまうことです」

— 大倉(講師歴20年)

変奏・キー移しのヒント:

  • 気に入った方のフレーズは、弾きやすいキーだけでいいので別のキーでも弾けるようにしておくと、本番でとっさに出ます(運指がきついキーは無理に全部やらなくてOK)。
  • アドリブで出てこない一番の原因は「弾いた数が足りない」こと。次に多いのが仕組みを分かっていないこと――このフレーズが「Ebメロディックマイナー由来」「後半はEbm三和音」と分かっているだけで、定着が段違いになります。
  • 余裕が出たら、解決先のGm7のコードトーンに“気持ちよく着地”する音を意識してみましょう。

◆ 次に読む:ドミナントリック群(D7で使えるリック)

このオルタードリックと合わせて、同じ「ドミナント7th上で使うリック」をまとめて手に入れると、ソロの引き出しが一気に増えます。

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