Gm7へ解決するD7(=マイナーへ向かうドミナント7th)の上で、オルタードの緊張感を出して自然に着地させるための2フレーズです。
2つともルート(D)の音からスタートし、ほぼオルタードスケール通りなので、リックの中では覚えやすい部類。まずはこの形をそのまま手に入れて、D7がGm7へ進む場面で使えるようにするのがゴールです。
✗ 引き算:オルタードスケールを表を見ながら全ポジション覚え込む――この練習は、今はしなくて大丈夫です。オルタードはまずフレーズ(リック)から入るのが近道で、スケールは後から自然についてきます。
ドミナントフレーズ(リック)
今回はオルタードスケールを使用したフレーズです。
二つのフレーズを紹介してますが二つともルートの音からのスタートになっているので、覚えやすく使用しやすいと思います。
①:ルートのレから始まり、後半の4音が E♭m トライアド+9th(シ♭・ソ♭・ファ・ミ♭)。TABは上が1弦。
②:ルートのレから7音を順に上がるオルタードスケール。最後はミ♭から半音下のレ(Gm7の5度)へ。
このフレーズのポイント
まずは一番のフレーズの解説です。
ほぼスケール通りなのですが注目するのは後半の二拍の部分です。
シ♭から降りてくるところですがここではEbm+9thのトライアドが出てきます。
赤丸で囲っている所がEbmトライアド+9thです。
トライアドの単位に分けて覚える
フレーズを覚えたり、分析する時にはトライアドの単位に分けるといいです。
この場合だと半音上のメロディックマイナースケールから導きだされる、マイナーのトライアドと確認しましょう。(Dオルタード=Ebメロディックマイナー)
「オルタードスケールっていうのは、結局メロディックマイナーの派生。メロディックマイナーをしっかり弾ければ、開始音が違うだけで中身は一緒の音使いになるので、わざわざ別のスケールとして難しく考える必要はない」
— 大倉(講師歴20年)
つまりこのリックは「Dオルタード」という別物を暗記しているのではなく、半音上のEbメロディックマイナーを、D7の場所で鳴らしているだけ――と捉えると、一気に覚えやすくなります。ベースになるメロディックマイナーを弾き込むほど、こうしたオルタードのフレーズも“中身が同じ音”として手に馴染んでいきます。
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二つ目のフレーズはルートの音から上昇するオルタードスケールをほぼそのまま使用しています。
このリックで練習すること
① 下降+トライアド型
- 度数:ルートのレから始まり、前半2拍が レ・ミ♭・レ・ド(R・♭9・R・♭7)。後半2拍が シ♭・ソ♭・ファ・ミ♭(♭13・3rd・♯9・♭9)で、ここが Ebm+9th のトライアドです。使うテンションは ♭9・♯9・♭13 の3つで、♯11(ラ♭)だけは通りません。
- 使い所:D7 → Gm7。マイナーへ解決するドミナントの締めに。着地はGm7の5度(レ)で、ルートに降りるわけではありません。
- コツ:後半のEbm三和音を「1つのカタマリ」として掴むと崩れにくい。
② 上昇スケール型
- 度数:ルートのレから レ・ミ♭・ファ・ソ♭・ラ♭・シ♭・ド(R・♭9・♯9・3rd・♯11・♭13・♭7)と7音を順に上がり、最後だけドからミ♭へ跳びます。♭9・♯9・♯11・♭13 の4つすべてを通る形で、①より“スケール寄り”です。
- 使い所:①と同じく D7 → Gm7。上行の勢いで解決に突っ込みたい時に。跳んだ先のミ♭から半音下がって、Gm7の5度(レ)に着地します。
- コツ:ルート始まりなので、キーを変えても出発点を掴みやすい。
練習の順番はシンプルです。①か②のどちらか気に入った方を1つ選び、D7→Gm7のバッキングに合わせて、その箇所で毎回このフレーズを弾く――これを繰り返します。手が覚えたら、次は少しだけ崩して(音を足して)自分の言葉にしていきます。
「ツーファイブワンの4小節に対して、毎日50回同じフレーズで弾くと覚えられる。ただ“覚えた”とは、いつでも自由に使えて、考えなくても出てきて、いろんなキーで弾けて、改造もできること――つまり自分の言葉にしてしまうことです」
— 大倉(講師歴20年)
変奏・キー移しのヒント:
- 気に入った方のフレーズは、弾きやすいキーだけでいいので別のキーでも弾けるようにしておくと、本番でとっさに出ます(運指がきついキーは無理に全部やらなくてOK)。
- アドリブで出てこない一番の原因は「弾いた数が足りない」こと。次に多いのが仕組みを分かっていないこと――このフレーズが「Ebメロディックマイナー由来」「後半はEbm三和音」と分かっているだけで、定着が段違いになります。
- 余裕が出たら、解決先のGm7のコードトーンに“気持ちよく着地”する音を意識してみましょう。
◆ 次に読む:ドミナントリック群(D7で使えるリック)
このオルタードリックと合わせて、同じ「ドミナント7th上で使うリック」をまとめて手に入れると、ソロの引き出しが一気に増えます。
- ▶ コンディミを使用したドミナントリック(3フレット移動で複数キーへ転用できる対称型)
- ▶ ドミナントリック1(3度→♭9の跳躍)
- 🎸 リック・アドリブ法のまとめ:ジャズギターのアドリブ手法(コードトーン→アプローチ→リック)
- 🔧 土台のスケール:メロディックマイナー・スケール|オルタード・リディアン7thの”親” ― 教室では今日から学べます。→ 体験レッスン
「覚えたのに、曲で出てこない」を、一緒に抜けませんか
オルタードのリックは、フレーズから入って“自分の言葉”にするまでが本番です。元になるメロディックマイナーの弾き込み方から、D7→Gm7で気持ちよく決めるコツまで、あなたの手に合わせてお伝えします。手ぶらでOKです。
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