「ギター1本で、メロディも伴奏もアドリブも同時に鳴っている——こんなことが本当にできるのか」。ジャズギターを始めた人が一度は圧倒されるのが、ジョー・パス(Joe Pass)の演奏です。ソロギター/コードソロの代名詞であり、コード主体の演奏を学ぶうえで最初に手本にすべき一人。このページでは、彼の人物像と代表盤・使用ギターを押さえたうえで、「ジョーパスから何を・どう練習に落とし込むか」までをつなげます。
ジョー・パスは、ギター1本でメロディ・伴奏・アドリブを成立させる「ソロギター/コードソロ」の到達点。ジャズで“コード主体の演奏”を学ぶとき、最初に手本にすべき一人です。
入口は、彼のトニックメジャーのリックと、押さえやすさを重視した素直なコードワーク。やらないこと=いきなり『ヴァーチュオーゾ』のような完成形を目標にすること。まずは1曲のテーマを「メロディを一番上、ルートを一番下」で弾くところから始めれば十分です。
ジョーパスのオススメのアルバム
1929年アメリカ、ニュージャージー州生まれ。9歳でギターを手にし、1963年(34歳)「キャッチミー」でデビューします。
ソロギター「ヴァーチオーゾ」での演奏が有名ですが、オスカーピーターソンのバンドでの演奏、ベーシスト、ニールスペデルセンとのduoでの演奏、エラフィッツジェラルドとのDuo、レイブラウンとの数々のライブ盤等、名盤が多数あります。
沢山ありすぎてどれを紹介するか悩みましたが、今回は1975年の作品「Portraits of Duke Ellington」を選びました。ジョーパスとしてはあまりないギタートリオでの演奏で、デュークエリントンの曲ばかりを演奏しています。メンバーも
Joe Pass (guitar)
Ray Brown (bass)
Bobby Durham (drums)
ですばらしい演奏が聴けます。
僕自身、学生時代に聴いて必死にコピーしました。
ギタースタイル
正にジャズギター、教科書的な演奏です。ソロのスタイルでもあまり変わったコードは使用せず、オーソドックスな形を使用しています。
じつはこの「オーソドックスさ」こそ、初心者がジョーパスから学びやすい理由でもあります。
「ウェスやジョー・パス、ジム・ホールといった人たちは、現代のギタリストに比べると、コードの押さえ方が比較的ありきたりなんです。どちらかと言うと、指の都合・押さえやすさを重視した演奏。だからこそ、そのやり方を学んで応用させていく形で、コードソロを組み立てていくといいですよ。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
ジョーパスの使用ギター
時代によって何本かありますが、主に
- ES-175
- Jimmy D’Aquisto のフルアコ
- アンプはポリトーン
を好んで使用していました。ジャズギターの王道的な機材構成です。
Fender のジャズマスターを使用した映像もあります。どんな楽器を使ってもジョーパスの音がしているのに驚きました。
▲ ジャズマスターを弾くジョー・パス(Joe Pass – Jazz Master)
ジョーパスの参考動画
ベーシスト[ニールスぺデルセン]とのDUOでの演奏。Duoでは2枚程CDになってると思います。
ピアニストのオスカーピーターソンのライブ動画です。ジョーパスは長い間、オスカーピーターソンのバンドのギタリストとして活動していました。
ジョーパスから学べること・練習すること
「すごい」で終わらせず、自分の練習につなげるための地図です。ジョーパスから持ち帰れるものは、大きく①コード主体の演奏(コードソロ/ソロギター)と②リックの引き出し、そして③コピー(耳コピ)の姿勢の3つです。
① コード主体の演奏を、基本形から
ジョーパスの真骨頂はソロギター/コードソロ(ギター1本でジャズらしく弾きたい|コードソロ・ソロギター入門)ですが、いきなり『ヴァーチュオーゾ』を目指す必要はありません。まずは曲のメロディを一番上の音に、ルート(ベース音)を一番下に置いて同時に弾く——これだけでも、もうソロギターの入口です。慣れてきたら内声にコードトーンを足していきます。コードは、よく使うドロップ2の形を数パターン覚えるところから。ジョーパスの「押さえやすさ重視」のコード使いは、この積み上げのお手本になります。
② リックの引き出しを増やす
シングルライン側の入口としては、ジョーパス本人の教則ビデオから採譜したトニックメジャーのリックがあります。ほぼすべてがCM7のコードトーンを中心に、メジャースケールで構成されていて、KEY=CならCM7だけでなくEm7・Am7でも使える実用的なフレーズ群です。譜面・PDFつきで具体的に練習できます。
👉 ジョーパス[メジャー7(トニックメジャー)のリック]で、実際のフレーズを1つずつ手に入れていきましょう。
③ コピー(耳コピ)を題材にする
上で触れたとおり、大倉自身も学生時代に「Portraits of Duke Ellington」を必死にコピーしました。ジョーパスは音がクリアでラインも整理されているので、耳コピ(耳コピの運用|何を・どうコピーするか)の題材として取り組みやすいのが利点です。音を全部正確に取れなくても構いません。何十回・何百回と聴き込むなかで、リズムやニュアンスが自然と身についていくこと——そこがコピーの一番のメリットです。
大倉の断言:「上手い人ほどコピーはしています。しかも数が尋常じゃない、というのが共通項。コピーせずに上手くなった人は、まずいてない——これはもう断言できます。」── 大倉(講師歴20年)
次に読む・あわせて聴く
- 🎸 ジョーパス[メジャー7(トニックメジャー)のリック](本人の教則ビデオから採譜した実践フレーズ・PDFつき)
- 💿 [JeoPass Virtuosoヴァーチオーゾ]ジャズギター初心者の為のジャズ必聴アルバム(ソロギターの完成形=コードソロの“ゴール”を聴く)
- 🎼 ジャズギタリスト紹介(他の名手からも「学べること」を探す)
「ジョーパスみたいに弾きたい」を、練習の順番に落とし込む
コードソロもソロギターも、独学だと「どこから手をつけるか」でつまずきがちです。あなたの今の演奏を実際に弾いてもらいながら、次の一歩を一緒に確認します。手ぶらでOK。楽器はこちらで用意します。
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