Stella by starlight[ジャズスタンダードを学ぼう]

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Stella by Starlightは、どこのセッションでもかなりの頻度で演奏される定番スタンダードです。ちょっと難しい曲ですが、その分「脱初心者」を目指す人にはもってこいの課題曲——ここでつまずくのは、あなただけではありません。このページでは、テーマ演奏・コード進行・演奏スタイルに加えて、この曲が発表当時と今とでコード付けが大きく違うという独自の聴き比べ、そして「この難所をどう練習に落とし込むか」までを一気に見ていきます。

30秒でわかる結論

Stella by Starlightの難所を乗り越える近道は、出てくるコードを一つひとつ「コードトーンで追いかける」ことです。

核はスケールやテンションを先に足さないこと。まずは各コードの 1・3・5・7(コードトーン)を、切れ目なくつなげて弾けるかどうかが勝負です。やらないこと=いきなりテンションを盛ること、そして原曲の難しいコード付け(Bbdim)から入ること。よく演奏される key=B♭ の形(Em7♭5 → A7…)を、迷わず追えるようにするところから始めます。

目次

Stella by Starlightのテーマ演奏

まずはテーマ(曲の主旋律)を音で。どんなリズム・テンポで演奏される曲なのかを、耳で先につかんでください。

▲ Stella by Starlight テーマ演奏

Stella by Starlightのコード進行

よく演奏される key=B♭ のコード進行です。2-5(ツーファイブ)の並びが何度も出てくるのが、この曲の骨格です。

Stella by Starlight(key=B♭)のコード進行の譜面

Stella by Starlightの演奏スタイル(テンポ・リズム)

ミディアムからファーストスウィングで演奏される事が多いです。歌の場合はバラードでも演奏されます。

この曲はどこのセッションでもかなりの頻度で演奏されます。ちょっと難しい曲ですが、脱初心者を目指す人にはもってこいの課題曲です。

Stella by Starlightのポイント

この曲は発表当時、現在よく演奏されるコード進行とは随分と違うコード付けをされていました。ここではよく演奏される key=B♭ に統一して解説していきます。

一小節目——現在一般的なのが
|Em7♭5 |A7|
と演奏されることが多いのですが、原曲ではこの二小節を Bbdim で演奏しています。このトニックディミニッシュの響きはたまりませんね。

以前にギタリストのマイク・モレノがまとめていたのですが、現在の形になったのはチェット・ベイカーの録音かららしいです。

気になったので色々な録音を聴き比べてみました。録音の年は解らない物もありましたが、はっきりとチェット・ベイカーの1954年を境に Em7♭5 になっていました。1950年頃の録音では Em7 になってる音源も確認できました。

録音時期別の聴き比べ(一小節目のコード付け)

Bbdim で演奏:フランク・シナトラ/チャーリー・パーカー

Em7 で演奏:マイルス・デイビス

ここから全て Em7♭5:チェット・ベイカー/ベニー・ゴルソン/キース/ロバート・グラスパー/Lage Lund

最近の演奏だと、唯一マイク・モレノが Bdim で演奏していました。

この曲で練習すること

コード付けの歴史や録音の違いは、知識としてはとても面白いところ。ここからは、その曲を実際に指で追えるようにするための練習に落とし込みます。この曲で身につけたいのは、次の3つです。

① 2-5をコードトーンでつなぐ

ジャズの曲は、2-5(ツーファイブ)というコードの並びが繰り返し出てきます。Stellaも冒頭の Em7♭5 → A7 がその一つ(マイナーの2-5の形)です。この2-5を、ルートからではなくコードトーンでつなげて弾く練習が核になります。大倉のレッスンでは、コードトーンを 3・5・1・7 の順に並べる「デジタルパターン」という弾き方を使います。この順番で弾くと、次のコードへ半音でつながる音(リーディングトーン)が自然に生まれ、コード進行を”追っている”ニュアンスが出ます。まずはこの一つの2-5で、指と耳を慣らしてください。

▷ 関連:コードトーンのマスター|1357の展開・接続・デジタルパターン2-5(ツーファイブ)進行の解説(準備中)

② テンションは手癖で入れない——ボイスリーディングの中で使う

「もっとおしゃれな響きにしたい」とテンション(9th・11th・13th)を足したくなりますが、私が気にしているのは手癖でテンションを入れてしまうことです。テンションは、適切なボイスリーディングの中で、効果的に使うもの。V7だけに絞って試すのは、練習のときだけです。まずはコードトーンで曲を追えるようになってから、前のコードの音からどうつながるかを聴いて、効果的な場面でテンションを使いましょう。

▷ 関連:テンションコードの求め方とフォーム|法則で導いて、スタンダードで押さえる

③ 原曲の Bbdim は「次の一歩」

この記事で紹介した原曲の Bbdim(トニックディミニッシュ)の響きは魅力的ですが、まずは現在よく使われる Em7♭5 → A7 の形で曲を通せるようになってから。両方を弾き比べると、同じ曲でもコード付けでこんなに表情が変わるのか、が自分の耳で分かります。ここまで来たら、いよいよセッションで実際に弾いてみる段階です。

▷ 関連:初めてのジャムセッションが怖い人へ|準備は「黒本+1曲」で十分

※「2-5進行の解説」の教則ページは準備中です。教室では今日から学べます → 体験レッスン

「2-5のコードトーンを 3・5・1・7 の順で弾くと、全部リーディングトーンが繋がっていくんです。こういう練習をすると、ツーファイブに限らず、ジャズっぽいニュアンス——コード進行を追っていくニュアンスが掴めてきます。」

── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)

大倉の断言:テンションはサウンドを固定してしまう効果があって、不用意に入れるとソロしてる人にすごく嫌がられる。なるべくテンションを入れない方が、実はかっこいい演奏、幅が広がる演奏ができるんです。1・3・5・7度の4和音の展開だけでも、かなりのサウンド感が出せますよ。── 大倉(講師歴20年)

Stella by Starlightについて

この曲は、ヴィクター・ヤングの作曲、ネッド・ワシントンの作詞です。

1944年のオカルト映画「The Uninvited(邦題:呪いの家)」の主題曲として使われました。1946年に、ヴィクター・ヤング・オーケストラのレコードがヒットして注目されます。

1952年に、偉大なアルトサックス奏者「チャーリー・パーカー」が録音しました。その後沢山のミュージシャンに演奏され、今では非常に人気のある曲になりました。

参考音源

① ヴィクター・ヤング(オリジナル)——この曲のオリジナルの演奏です。

② チェット・ベイカー——この演奏が現在一般的なコード進行になりました。軽快なスウィングでの演奏です。

▶ YouTubeで聴く(チェット・ベイカー / Stella by Starlight)

③ Mike Moreno / Lage Lund——現在のジャズギターを代表する二人の夢の共演です。マイク・モレノはしっかりと最初のコードを Bbdim にしています。

次に読む・あわせて弾く

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