「Old Folks」は、多くのミュージシャンに愛されてきた美しいバラードです。メロディはやさしく歌えるのに、いざ弾こうとすると最初の4小節で手が止まる——1拍ずつコードが変わっていく、独特の進行があるからです。このページでは、その最初の4小節を1小節ずつ読み解きながら、この曲で何を練習すればいいかまでを整理します。
この曲の勘所は2つ。「最初の4小節の速い進行」を読み解くことと、「バラードとして歌う」ことです。
最初の4小節は1拍ずつコードが動きますが、遅めのテンポで演奏することが多いので、あわてなくて大丈夫。やらないこと=進行を1つずつ丸暗記して弾き切ろうとすること。細かい音を追うより、コードトーンで「いま自分がどこを弾いているか」をつかむほうが、遠回りに見えて近道です。
Old Folksのテーマ演奏
バラードでのテーマのみの演奏です。まずは音で、この曲の雰囲気をつかんでください。
Old Folksのコード進行

Old Folksの演奏スタイル(テンポ、リズム)
主にバラードで演奏されます。
Old Folksのポイント
最初の4小節のコード進行が
|Em7♭5 A7|Dm Db7 Cm7 F7|B♭ E♭7|Am7♭5 D7|Gm7
となっています。ちょっとややこしいコード進行なので解説します。
1小節目
最初のコードがkey=Fの場合いきなりEm7♭5から始まります。
これはFの平行調であるDmに向かう2-5になります。
2小節目
Dmに着地したと思ったらすぐにDb7 Cm7 F7と一拍ずつコードが変わっていきます。
これはB♭の3-6-2-5と捉えても大丈夫です。
ソロをする場合はテンポによりますがあまり細かい事を考えずB♭一発、正攻法だとコードトーンを弾くのがいいでしょう。
3小節目
これはよくある動きで正体は4Mから4mです。
サブドミからサブドミマイナーへの、定番の動き方です。
4小節目
Gmへ向かう2-5です。マイナー2-5のリックを使用するといいでしょう。
ちょっと難しいですが遅めのテンポで演奏する事が多いので頑張ってみましょう。
▶ このアナライズの「続き」を学ぶ
「なぜEm7♭5がFの2-5なのか」=キー(調)を見つける力と、「B♭一発で何を弾くか」=スケールの選び方が分かると、この読み解きが自分でできるようになります。
教則:キー(調)の見つけ方(準備中)/スケールの考え方(準備中) — 教室では今日から学べます → 体験レッスン
この曲で練習すること
① コードトーンで「いまどこか」をつかむ
2小節目のように1拍ずつコードが動く場面こそ、コードトーン(コードの音)の出番です。細かいスケールを追うより、各コードの1・3・5・7を軽く鳴らして「いま何のコードを弾いているか」を体で追えるようにしておくと、速い進行でも迷子になりません。テンポが遅いので、1つずつ確認しながら弾けます。(教則:コードトーンの覚え方と練習の順番|ジャズギターで次のコードへ迷わず繋ぐ)
② マイナー2-5をならしておく
1小節目(Dmへの2-5)と4小節目(Gmへの2-5)は、どちらもマイナーの2-5です。この曲は、覚えたマイナー2-5のリックを実際に置いてみる練習台になります。同じ形が2か所に出てくるので、まずはその2か所だけ狙って弾いてみましょう。
③ バラードとして「歌う」
進行を追えるようになったら、次は表現です。バラードはテンポがゆっくりな分、一音一音の表情(アーティキュレーション)がそのまま出ます。下の参考音源のように、好きな演奏を耳でたくさん浴びておくことが、いちばんの近道です。(教則:ジャズバラードが間延びする人へ|歌わないソロの原因は「埋め方」)
「コードトーンが一番重要です。スケールよりも、まずコードの音(コードトーン)を優先して覚えてほしい。スケールを弾くときも、コードトーンに必ず着地する形で弾くとしっくりきます。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
Old Folksについて
1938年のポピュラーソング。Willard Robison作曲。
Larry Clinton Orch Bea Wain により最初の録音が行われました。随分と現在ジャズスタンダードとして耳にする雰囲気と違います。
ジャズで演奏する場合、原曲とは随分とコード進行が変更されています。美しいメロディなので現在でも良く演奏されています。
Old Folksの参考音源
様々な楽器のミュージシャンに愛された曲で、色々な楽器での演奏があります。
ギタリスト「ウエス・モンゴメリー」の演奏。ギタリストは必聴です。
Pat Metheny も演奏しています。
トランペット奏者の「ケニードーハム」の演奏。気持ちいいスウィングのリズムで演奏されています。
ボーカリスト「カーメン・マクレイ」による録音。
大倉の断言:バラードはイメージ力がすごく重要です。だから、好きな演奏者のバラード演奏をいっぱい聞いておくといい。音の表情(アーティキュレーション)も、バラードに限らずすごく重要です。── 大倉(講師歴20年)
次に読む・あわせて学ぶ
- 🗺 ジャズスタンダードを学ぼう!(他のスタンダード曲の一覧)
- 📘 コードトーンの覚え方と練習の順番|ジャズギターで次のコードへ迷わず繋ぐ/ジャズバラードが間延びする人へ|歌わないソロの原因は「埋め方」
- 📘 キー(調)の見つけ方(準備中)/スケールの考え方(準備中)
最初の4小節を「どう感じて弾くか」、一緒に確認します
バラードはテンポがゆっくりな分、進行の読み方も音の表情もごまかしが効きません。この曲の難所を、実際に弾いてもらいながら、一緒に確認します。手ぶらでOK。楽器はこちらで用意します。
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