第9回:ドレミを積むと「家族」ができる(ダイアトニックコード)

こんにちは。「大倉ギター教室」の大倉です。

ジャズギターと音楽理論の完全読破ロードマップ、今回は第9回です。 今日の**結論(最重要ポイント)**からお伝えします。

💡 今日の結論:キー(調)には「固定メンバー」がいる

  1. ダイアトニックコード: ドレミ…の音だけを使ってコードを作ると、自然発生的に7つのコードが生まれる。
  2. グループ分け: 「1・4・5番目」はメジャー(明るい)、「2・3・6番目」は**マイナー(暗い)**に勝手になる。
  3. 重要: 自分で選ぶのではなく、スケールの構造上**「そうならざるを得ない」**物理法則である。

この7つのコード(家族)さえ覚えてしまえば、世の中のポップスやジャズのスタンダード曲の8割は分析できるようになります。

1. 「日当たりの良い部屋」と「日陰の部屋」

前回、「スケールは凸凹した階段(全全半…)」だという話をしましたね。 この凸凹した地面の上に、7つの家(コード)を建ててみましょう。

すると不思議なことに、建てる場所によって「日当たり(コードの性格)」が勝手に決まってしまうのです。

  • 1番地、4番地、5番地 → 地面が安定していて、**「メジャー(明るい)」**な家が建つ。
  • 2番地、3番地、6番地 → 地面が狭くて、**「マイナー(暗い)」**な家が建つ。

これは、あなたが「ここは暗くしよう」と決めたわけではありません。 スケールの階段の形(全全半…)が決まっている以上、物理的にそうなるしかないのです。

この「スケールの住人たち」のことを、音楽用語で**「ダイアトニックコード(全音階上の和音)」**と呼びます。

2. メジャー3兄弟と、マイナー3兄弟

では、Cメジャースケール(ドレミファソラシド)の住人たちを具体的に見てみましょう。 彼らはバラバラに見えて、実は3つのグループに分かれています。

① 明るい「メジャー3兄弟」 (1, 4, 5)

主役級のメンバーです。

  • Imaj7 (Cmaj7) :長男(トニック)
  • IVmaj7 (Fmaj7) :次男(サブドミナント)
  • V7 (G7) :三男(ドミナント)※ここだけ7度が短7度になります!

② 暗い「マイナー3兄弟」 (2, 3, 6)

少し影のある、渋い脇役たちです。

  • IIm7 (Dm7)
  • IIIm7 (Em7)
  • VIm7 (Am7)

③ 変わり者の末っ子 (7)

  • VIIm7(b5) (Bm7b5)

7番目の音(シ)から積み上げると、どう頑張っても**「マイナーセブンス・フラットファイブ」**という、歪んだ響きのコードになってしまいます。これは「半分ディミニッシュ(ハーフディミニッシュ)」とも呼ばれる、非常に不安定な存在です。

3. なぜこれを覚えるの?

「Cメジャーキーの曲です」と言われた瞬間、プロのギタリストの頭の中には、この7人の顔ぶれがパッと浮かんでいます。

「ああ、Cメジャーキーね。じゃあ出てくるコードは、だいたい Cmaj7, Fmaj7, G7, Am7, Dm7… あたりだな」

と予測ができるからです。 これを知っているだけで、初見の譜面でも「次はG7が来そうだな」と未来予知ができるようになります。これが**「理論を知っている」**という状態です。

今日のレベルアップ完了!

お疲れ様でした! 「ドレミファソラシド」という階段さえあれば、そこには必ず**「決まった7つの家族」**が住んでいる。 これを知ったあなたは、もう闇雲にコードブックをめくる必要はありません。

次回は、この家族たちが曲の中でどんな**「役割(仕事)」**をしているのか? 物語を作る「トニック・サブドミナント・ドミナント」という脚本のルールについて解説します。

「独学で壁にぶつかったら、いつでも大倉ギター教室へ。あなたの『なぜ?』を一緒に解決します。」