第25回:アドリブの地図「コードスケール」入門

こんにちは。「大倉ギター教室」の大倉です。

ジャズギターと音楽理論の完全読破ロードマップ、今回は第25回です。 今日の**結論(最重要ポイント)**からお伝えします。

💡 今日の結論:コードスケールは「アドリブの地図」だ

  1. 役割: 「このコードの上では、この音を使っていいよ」という安全な音のリスト
  2. 概念: コードは音を「縦」に積んだもの、スケールは音を「横」に並べたもの。実は同じもの
  3. 効果: コードトーンだけの「骨組み」に、スケールで**「色彩(グラデーション)」**を加える。

「アドリブで何を弾いたらいいかわからない…」 その悩みは、地図を持っていないからです。 コードネームという「住所」を見たら、対応する「地図(スケール)」を広げる。これがアドリブの基本動作です。

1. 落とし穴を避ける「安全な地図」

例えば、「Cmaj7」というコードが鳴っている時。 適当に指板を押さえると、たまに「ウッ!」となる濁った音(アボイドノート)を踏んでしまうことがあります。

まるで地雷原を歩くようで怖いですよね。 そこで登場するのが**「コードスケール(アベイラブル・ノート・スケール)」**です。

これは、**「このコードが鳴っている間は、この7つの音なら安全に使えますよ」と教えてくれる「地図」**のようなものです。 この地図さえ持っていれば、どの音を選んでも(多少の緊張感はあっても)大事故にはなりません。

アドリブとは、無鉄砲に突っ走ることではなく、この地図の上を自由に散歩することなのです。

2. 「ラベル」を見るか、「パレット」を見るか

ここで重要な概念をお伝えします。 **「コードとスケールは、形が違うだけで同じもの」**です。

  • コード(和音): 音を**「縦」**に積み重ねたもの。(収納状態)
  • スケール(音階): 音を**「横」**に並べたもの。(展開状態)

絵の具で例えるなら、コードネーム(Cmaj7)は**「チューブのラベル」です。 そしてスケール(Cメジャースケール)は、その中身を「パレットに出して広げた状態」**です。

上手な人は、「Cmaj7」というラベルを見た瞬間に、脳内でパレットを広げ、 「ド・ミ・ソ・シ(骨組み)」だけでなく、 「レ・ファ・ラ(彩り)」も含めた7色のグラデーションが見えています。

ラベルを見るだけでなく、パレットの中身(スケール)までイメージできるようになること。これが「コードスケール理論」のゴールです。

3. モノクロから「極彩色」へ

では、どうやってそのスケールを見つけるのか? 基本の式はこれです。

コードトーン(1, 3, 5, 7) + テンション = スケール

  • 骨組み: ド・ミ・ソ・シ (これだけだとデッサン画)
  • 彩り: レ(9th)・ファ(11th)・ラ(13th) (色を塗る!)
  • 合体: ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ (完成!)

このように、コードトーンの隙間をテンションで埋めると、自然とスケールが完成します。

Cメジャーキーの曲なら、ダイアトニックコードに対応するスケールが決まっています。

  • Imaj7 (C)用 → アイオニアン(普通のドレミ)
  • IIm7 (Dm)用 → ドリアン
  • V7 (G)用 → ミクソリディアン

まずはこの「基本のセット」を覚えるところから始めましょう。

まとめ:今日の持ち帰りメモ

忙しい方のための3行まとめです。

  1. コードスケールは、アドリブで迷わないための「地図」。
  2. コード(縦)とスケール(横)は、実は同じもの(裏表の関係)。
  3. コードトーンにテンションを足すと、スケールになる。

次回は、今少し名前が出た**「ドリアン」「ミクソリディアン」などのカタカナ用語を整理します。 これらは「チャーチモード(教会旋法)」**と呼ばれ、ジャズの響きを作る上で欠かせないキャラクターたちです。

「スケールを覚えたけど、指板のどこを弾けばいいの?」という方は、大倉ギター教室へ。 ギターはピアノと違い、「形(シェイプ)」を1つ覚えれば、ズラすだけで全キーに対応できる魔法の楽器です。その効率的な覚え方を伝授します。