こんにちは。「大倉ギター教室」の大倉です。
ジャズギターと音楽理論の完全読破ロードマップ、今回は第22回です。 今日の**結論(最重要ポイント)**からお伝えします。
💡 今日の結論:コード分割は「階段のバリアフリー化」だ
- II-V分割: ドミナント(V7)一発で弾くところを、手前に**相棒(IIm7)**をくっつけて分割する技。
- 裏の分割: 裏コード(Db7)も分割できる(Abm7-Db7)。
- 効果: 段差の激しい階段が、スロープのように滑らかな坂道になり、流れるようなフレーズが弾ける。
「G7一発」だとドスンと落ちる感じがしますが、分割するとジェットコースターのような滑らかさが生まれます。
1. 仕事は「ツーマンセル(2人1組)」で行う
ドミナントコード(V7)は、解決へのエネルギーを持った「特攻隊長」です。 しかし、隊長一人(G7一発)で突撃すると、少し唐突な感じがします。
そこで、隊長の前に**「部下(IIm7)」を配置します。 これが「II-V分割(リレイティッドII-7)」**です。
- Before:
G7→C- 「行くぞ!(着地)」
- After:
Dm7→G7→C- 「準備よし!(Dm7) 行くぞ!(G7) 着地!(C)」
単発の仕事を「2人1組(チーム)」にすることで、助走がつき、流れが自然になります。 ジャズでは、V7を見たら条件反射でこの「分割」を行います。

2. 裏コードも「チーム制」にする
ここからが本題です。 前回習った「裏コード(Db7)」も、孤独なソロプレイヤーではありません。彼にも相棒をつけましょう。
Db7の「完全5度上」のマイナーセブンスは…**「Abm7」**ですね。
- Before:
Db7→C(裏コード一発) - After:
Abm7→Db7→C(裏のII-V分割)
こうすることで、コードの個数が増え、サウンドの密度がグッと高まります。
3. 階段を「スロープ」にする魔法
この「分割」を駆使すると、ベースライン(ルートの動き)が劇的に変わります。
もし、「Am7 → D7 → G7 → C」という進行があったとしましょう。 これを裏コードを使って分割しまくると…
Am7 → Abm7 → Gm7 → Gbm7 → Fmaj7…
なんと、ルートが**「ラ→ラb→ソ→ソb→ファ…」と、全て半音(クロマチック)**で繋がってしまいました!
- 分割なし: 大きな段差のある階段(ガクン、ガクンと降りる)。
- 分割あり: 段差のない**「スロープ(坂道)」**。
半音ずつヌルヌルと滑り落ちていくこの感覚こそが、ビバップ(ジャズのスタイル)の真骨頂です。 音数を増やすことは、難しくするためではなく、**「段差をなくしてバリアフリーにするため」**だったのです。

今日のレベルアップ完了!
お疲れ様でした! 「コードが増えると難しそう」と思いがちですが、実は逆。 **「音と音の隙間を埋めて、滑らかにしてくれている」**と気づけば、このテクニックが愛おしくなるはずです。
次回は、名前は怖いけど実は優しい? **「ディミニッシュコード」**の不気味で便利な使い方について解説します。ホラー映画の音ではありませんよ。
「II-V分割を指板上で瞬時にやりたい!」という方は、大倉ギター教室へ。 形(フォーム)さえ覚えれば、パズルのように当てはめるだけで誰でも「ヌルッとした演奏」ができるようになります。