こんにちは。「大倉ギター教室」の大倉です。
ジャズギターと音楽理論の完全読破ロードマップ、今回は第21回です。 今日の**結論(最重要ポイント)**からお伝えします。
💡 今日の結論:裏コードは「裏口からの帰宅」だ
- 正体: ドミナント(G7)の代わりに使える、五度圏の**真裏(対角線)**にあるコード(Db7)。
- 理由: 姿形は違うが、解決の鍵となる**「トライトーン(不安定成分)」が全く同じ**だから。
- 効果: ベース音が半音でヌルッと動く、滑らかでクールな解決になる。
「表(G7)」から堂々と帰るか、「裏(Db7)」からスルッと入るか。 ジャズでは、この2つのルートを気分で使い分けます。
1. 五度圏の「真裏」にいる影武者
音楽の地図である「五度圏(サークル・オブ・フィフス)」を見てください。 「G(ソ)」のちょうど反対側(対角線)にいるのは誰でしょうか?
そう、**「Db(レのフラット)」**です。
あまりに遠すぎて他人に見えますが、実はこの二人、**「裏コード(SubV7)」**と呼ばれる密接な関係にあります。
- 表: G7 → C (いつものドミナント)
- 裏: Db7 → C (代理ドミナント)
ジャズミュージシャンは、楽譜に「G7」と書いてあっても、勝手に「Db7」に変換して演奏することがあります。 まるで、正面玄関から入ると見せかけて、裏口(勝手口)から家(C)に侵入するような、ニクい演出です。

2. なぜ「代理」になれるのか?
「ソ(G)」と「レb(Db)」。ルート音は全く違います。 それなのに、なぜ同じ「Cへ解決する機能」を持てるのでしょうか?
それは、コードの中に隠された**「爆弾(トライトーン)」の成分が全く同じだから**です。
- G7の中身: ソ・シ・レ・ファ
- Db7の中身: レb・ファ・ラb・ドb(=シ)
見てください。 不安定さの原因である**「ファ」と「シ」のペア**が、どちらのコードにも入っています!
外見(ルート)は全く違いますが、服の下に隠している**「解決したい欲求(DNA)」**は完全に一致しているのです。 だから、耳は騙されて「あ、解決した!」と納得してしまうんですね。

3. 「ジャンプ」か「スライド」か
では、サウンドはどう違うのでしょうか? それはベース音の動きに現れます。
- 表(G7→C): 「ソ」から「ド」へ大きくジャンプ!
- 力強い、ダイナミック、王道。
- 裏(Db7→C): 「レb」から「ド」へ半音で下がる。
- 滑らか、クール、都会的。
「ジャーン!(G7)ジャーン!(C)」と終わるのがロックなら、 「ヌルッ(Db7)…スッ(C)」と半音で着地するのがジャズです。
この**「半音(クロマチック)の滑り込み」**こそが、ジャズ特有の「お洒落で大人っぽい雰囲気」の正体なのです。
まとめ:今日の持ち帰りメモ
忙しい方のための3行まとめです。
- 裏コードは、ドミナント(G7)の代理として使えるコード。
- ルートは**「増4度(トライトーン)」**離れた場所(Db7)にある。
- 使うと、ベースラインが半音で滑らかに解決してジャズっぽくなる。
次回は、この裏コードをさらに応用したテクニック。 「ドミナントの前に、さらに相棒をくっつけちゃえ!」という**「II-V分割」**について解説します。ベースラインがもっと滑らかになりますよ。
「Db7なんて出てきたら指が止まる…」という方は、大倉ギター教室へ。 実は、G7のフォームをそのまま横にズラすだけでDb7になるんです。そんな「ギタリストならではの裏技」もお教えします。