こんにちは。「大倉ギター教室」の大倉です。
ジャズギターと音楽理論の完全読破ロードマップ、今回は第13回です。 今日の**結論(最重要ポイント)**からお伝えします。
💡 今日の結論:終わり方は「3つの演出」で決まる
- 完全終止(V7→I): 王道のハッピーエンド。「チャンチャン♪」と完璧に終わる。
- 偽終止(V7→VIm): 期待を裏切るサプライズ。「続く!」とドラマが延長される。
- 変格終止(IV→I): 優しく包み込むアーメン。「お祈り」のような穏やかな着地。
「ジャーン!」と派手に終わるだけが音楽ではありません。 曲の雰囲気に合わせて、この3つのエンディングを使い分けるのがアレンジャーの腕の見せ所です。
1. 王道の「結婚式ゴールイン」
まずは基本のおさらい。 ドミナント(G7)からトニック(C)へ解決する動き。これを**「完全終止(正格終止)」**と呼びます。
これはドラマで言えば、**「結婚式」**です。 数々の困難(ドミナントの緊張)を乗り越えて、新郎新婦が結ばれ、みんなに祝福されて物語が完結する。 一点の曇りもない、最強のハッピーエンドです。
聴いている人も「ああ、よかったよかった」と安心して拍手ができます。

2. まさかの「逃避行」サプライズ
次は、ちょっと捻った終わり方。 ドミナント(G7)が来たので、「お、いよいよ結婚(Cへ解決)だな?」と誰もが思います。 しかし、次の瞬間…
なんと、**「Am7(VIm7)」へ行ってしまう! これが「偽終止(ぎしゅうし)」**です。
これはドラマで言えば、**「結婚式当日に、新郎新婦が手を取り合って別の場所へ旅立ってしまう」ような展開です。 「えっ、終わらないの!?」という心地よい裏切り(サプライズ)**が生まれます。
なぜ C(家)ではなく Am(親戚の家)に行っても大丈夫なのか? それは、CとAmの構成音がとても似ていて、**「仮のゴール(トニックの代理)」**として機能するからです。 「物語はまだ続く(To Be Continued…)」という演出をしたい時に使います。

3. 優しき「アーメン終止」
最後は、ドミナント(G7)を使わない終わり方。 サブドミナント(F)から、ふわっとトニック(C)へ戻る動きです。これを**「変格終止(へんかくしゅうし)」**と呼びます。
別名**「アーメン終止」**とも呼ばれます。 教会の讃美歌の最後で「アー(IV)メン(I)」と歌う、あの響きだからです。
ドミナントのような「強引な解決(磁石のような引力)」はありません。 夕暮れ時に、静かに祈りを捧げて一日を終えるような、優しくて穏やかな着地です。 「激しいのは苦手だな」という時は、この終わり方を使うと余韻が綺麗に残ります。

まとめ:今日の持ち帰りメモ
忙しい方のための3行まとめです。
- 完全終止は「結婚式」。キッパリ終わる。
- 偽終止は「逃避行」。終わると見せかけて続く。
- 変格終止は「アーメン」。優しく穏やかに終わる。
次回からは、少しレベルアップして「大人の響き」を作るテクニック編に入ります。 まずは、コードに彩りを加える**「テンションノート(9th, 13th)」**について解説します。
「自分の曲の終わり方がいつもワンパターンで…」と悩んでいる方は、大倉ギター教室の作曲・アレンジコースへ。 あなたの曲をドラマチックに演出する引き出しを増やしましょう。