こんにちは。「大倉ギター教室」の大倉です。
ジャズギターと音楽理論の完全読破ロードマップ、今回は第11回です。 今日の**結論(最重要ポイント)**からお伝えします。
💡 今日の結論:V7→I は「ゴムパッチン」である
- ドミナントモーション: 不安定な**V7(ドミナント)から、安定したI(トニック)**へ着地する最強の動き。
- トライトーン: V7の中にある「不仲な2音」が、磁石のように半音先のゴールへ吸い寄せられる。
- 解決の快感: 限界まで引っ張ったゴムが「パチン!」と元に戻るような、物理的なスッキリ感がある。
なぜ「G7」を弾くと、無性に「C」を弾きたくなるのか? その正体は、音の中に仕込まれた強力な磁石にありました。
1. 音楽界の「起立・礼・着席」
学校の号令を思い出してください。
- 起立(C):普通の状態。
- 礼(G7):頭を下げて、少し体勢がキツイ状態。「早く頭を上げたい!」という欲求が生まれます。
- 着席(C):元の姿勢に戻ってリラックス。
この「礼(G7)」から「着席(C)」へ戻る動き。これこそが**「ドミナントモーション(解決)」**です。
G7というコードは、Cというコードに向かって、坂道を転がり落ちるような猛烈なスピードで進もうとします。 このエネルギーがあるからこそ、曲が終わった時に「ジャン!」と締めくくられた感じがするのです。
2. コードの中に「不仲な二人」がいる
なぜG7はそんなに落ち着きがないのでしょうか? それは、コードの中に**「トライトーン(三全音)」**という、非常に仲の悪い2つの音が同居しているからです。
G7の構成音を見てみましょう:ソ・シ・レ・ファ
この**「シ」と「ファ」**の間隔が問題児です。 この二人は「増4度」という非常に不安定な距離にあり、お互いに反発し合っています。 まるで、限界まで引き絞られたゴムのような状態です。
3. 半音の引力がすべてを解決する
この張り詰めたゴム(トライトーン)は、手を離すとどうなるでしょうか? 一番近くにある「安定した場所」へ、バチン!と弾け飛びます。
- 「シ」は、半音上の「ド」(Cのルート)へ行きたい!
- 「ファ」は、半音下の「ミ」(Cの3度)へ行きたい!
この「シ→ド」「ファ→ミ」という動きは、どちらも**「半音(最短距離)」での移動**です。 磁石のN極とS極がカチッとくっつくように、物理的に逆らえない引力が働いているのです。
さらに、ベース音(ルート)も「ソ」から「ド」へとダイナミックにジャンプ(強進行)します。 「上モノの磁石」と「土台のジャンプ」が同時に起こるため、ドミナントモーションは音楽の中で最強の解決感を生むのです。

今日のレベルアップ完了!
お疲れ様でした! 「G7→C」という動きが気持ちいいのは、偶然ではなく**「物理的な引力」**だったんですね。 これでまた一つ、音楽の仕組みが見えてきました。
次回は、ジャズの黄金比とも言える最強のコード進行、**「ツーファイブワン(II-V-I)」**について解説します。今日のドミナントモーションの前に、もう一つ「助走」をつけるテクニックです。
「理論を最短ルートで身につけたい方は、大倉ギター教室へ。無駄な練習を省いて、楽しく上達しましょう。」