今回の現代のジャズギタリスト紹介はジョナサンクライスバーグです。Jonathan Kreisberg(ジョナサン・クライスバーグ)は、ビバップの語法を土台にしながら、広いインターバルのフレージングと変拍子・ポリリズムで「現代のジャズギター」を象徴する一人です。このページでは、演奏動画・採譜フレーズ・使用機材とあわせて、彼から具体的に何を盗めるか(=練習すること)まで踏み込んで紹介します。
クライスバーグから学べる核は2つ。「メロディックマイナーの展開形で処理するフレージング」と、「ポリリズム・変拍子のリズム感」です。
フレーズは意外と複雑なスケールを使わず、メロディックマイナーの展開形で組み立てられているので、理屈が分かれば研究対象として最適です。先に手を出すべきでないこと=いきなり複雑なポリリズムを真似ること。まずはフレージングの理屈(下の採譜1つ)を押さえるのが近道で、ポリリズムはその後、1拍半から段階的に積み上げます。
ジョナサンクライスバーグ[jonathan-kreisberg]の演奏動画と特徴
大倉はこの人を生で観ています:京都の Le Club Jazz で、クライスバーグの演奏を間近で観ました。「すごい近い距離で演奏される」——そんな至近距離で本人の演奏を体感したうえでの紹介です。── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
サマータイム(トリオでの演奏)
クリニック(同じくサマータイムを題材にしたマスタークラス。手元と考え方が見えます)
この人は昔のビバップ、メセニー路線を消化し発展させたスタイルかなと感じます。
それにしてもギターがうまいです。テクニックが素晴らしいです。
後特徴としてはポリリズム、変拍子での演奏を得意としている印象があります。
このポリリズム・変拍子の感覚は、クライスバーグの一番の武器であり、独学でいちばん近づきにくいところでもあります。教室では ポリリズム(準備中) の会得手順を扱っています。
※ポリリズムの教則ページは準備中です。教室では今日から学べます → 体験レッスン
「ポリリズムは、まず1拍半をモノにするのがスタートです。譜面に書いてパターンで覚えていくのが一番早い。『リンゴリンゴ』みたいに言葉へ置き換える人もいますが、僕自身はそれができなくて——もうリズムのパターンとして覚え込む、というやり方で会得できました。最初は考えてやるより、完全に覚え込むのが結局は一番早いです。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
ジョナサンクライスバーグのフレーズ研究
あまり複雑なスケールは使用せずに、メロディックマイナーの展開形で処理して行く事が多いです。
独特のインターバルの広いフレージングからのコードワークに特徴があります。彼がよく使用するフレーズを一つ紹介します。

上の楽譜はジョナサンクライスバーグがよく使用する汎用性の高い単音のフレーズを採譜したものになります。
コードは E7からA-(Am)です。
フレーズの解説をすると、最初の2小節(E7)はFのメロディックマイナー(Eオルタード)として捉えてスケールの下降、2小節目の頭でFmぽいフレーズ、次にEのオーギュメント。
そして3小節目のAmで9thの音に着地しています。
これを16分音符でよく弾いています。
彼のフレージングは現代のジャズギタリストでは分かりやすく研究対象には最適です。
他にもフレーズの楽譜があります。採譜と度数の分析つきでまとめたのがこちら → 🎸 Jonathan-Kreisberg[ジョナサン・クライスバーグ]のよく使用するフレーズ(イントロ・エンディングでも使えるパターン)。さらに詳しい譜面が必要な方は、レッスンで申し出てください。
ジョナサン・クライスバーグから学べること・練習すること
本人のレッスン動画も充実していて、まずはバップスケールのことを重点的に語っています。教室にはオフィシャルのコピー譜もあり、レッスンで活用しています。
① フレージング:メロディックマイナーの展開形で捉える
上の採譜がまさにお手本です。E7の2小節をFのメロディックマイナー(=Eオルタード)と捉えて下降し、Amで9thに着地する——この「どのコードでどのメロディックマイナーを当てるか」を一つずつ度数で押さえるのが練習の第一歩です。複雑なスケールを何種類も覚えるより、メロディックマイナーの展開形という一本の理屈で処理する彼のやり方は、独学者にとって現実的で盗みやすい。まずは Jonathan-Kreisberg[ジョナサン・クライスバーグ]のよく使用するフレーズ の採譜を、弾きやすいキーで手に馴染ませてください。
② リズム:ポリリズム・変拍子は「1拍半」から
クライスバーグの魅力の大きな部分はリズムです。ここは焦らず、まず1拍半を1つモノにするところから。譜面に書いてパターンとして覚え込むのが結局いちばん早い、というのが大倉のやり方です(上の断言ボックス参照)。ポリリズムの体系的な手順は ポリリズム(準備中) で扱います。
大倉の断言:「リズムが悪いと、どんな良いフレーズを弾いても意味がない。逆に、リズムさえ良ければ、どんなフレーズでもかっこよく聞こえる」。だからクライスバーグのフレーズをコピーするときも、音使いだけでなくリズムを真似ることが最優先です。── 大倉(講師歴20年)
※「ポリリズム」の教則ページは準備中です。教室では今日から学べます → 体験レッスン
③ コードワーク:広いインターバルからの流れ
単音の広いインターバルのフレージングから、そのままコードワークへ流れ込むのも彼の個性です。ここは耳コピで「単音のどこからコードに切り替わっているか」を追うのが練習になります。まずは①②を土台にしてから取りかかると、無理なく手が届きます。
おすすめのアルバム
サイドマン、リーダーとして沢山の素晴らしいアルバムを発表しています。
ギタートリオで演奏している「Trioing」「Nine Stories Wide」他、トリオの作品は全て必聴です。
スタンダード曲を中心に演奏しているalbumが多く、とっかかりやすいです。まずは知っている曲が入っている一枚から、上の「学べること」を意識して聴いてみてください。
jonathan-kreisberg[ジョナサンクライスバーグ]の使用機材、弦
※以下は2018年の記事公開当時に確認できた機材です。プロの機材は入れ替わっていくので、最新の状態とは異なる場合があります(教室では「機材を追いかけるより、まず手癖と理屈」という考えです)。
ギター
Gibson ES-175(70年代前半の物)
使用エフェクター
ロンドンでの公演の時のエフェクトボードの写真を入手しました。それによると:
- [エレハモ] Freeze(bossのフットスイッチで操作できるように改造)
- [Voodoo Labs] Sparkle Drive(TS系のオーバードライブ)
- [JHS] treble booster(トレブルブースター)
- [エレハモ] Micro POG(オクターバー)
- [Earthquaker Devices] Sea Machine chorus(コーラス)
- [Pigtronix] Echolution(ディレイ)
- [Alesis] Nanoverb(空間系のマルチエフェクター、恐らくリバーブとして使用)
- [EB] volume pedal(Volコントロール)
- [EB] volume pedal(ディレイコントロール用)
結構マニアックな物が多いと思います。改造している物も使用しているので詳細は不明です。
使用アンプ
フェンダー デラックスリバーブ
使用弦・ピック
以前雑誌のインタビューで見たことあるのですが、現在も様々な弦を試しているようで、決まったメーカーは無いようです。ゲージは12から52のセットを使用しているそうです。
ピックは、以前は1.5ミリのダンドレア(D’Andrea)を使っていて、伴奏やコードストロークにはダンロップの Jazz III(トーテックスの赤・0.5mm)を使っていました。今は自分のオリジナルモデルを作って使っていて、私も本人からオリジナルのピックを譲り受けました(大量に作ったそうです)。太めのピックはジャズらしい音が出やすい一方でコントロールが難しく、プレイヤーによって好みが分かれるところです。
次に読む・あわせて弾く
- 🎸 Jonathan-Kreisberg[ジョナサン・クライスバーグ]のよく使用するフレーズ(採譜+度数分析。この記事とセットで)
- 🎼 ジャズギタリスト紹介(他の現代・歴代ギタリストの一覧へ)
クライスバーグのフレージングとリズム、あなたの手で「使える形」に
採譜を弾けても、メロディックマイナーの当て方やポリリズムの感じ方が合っているかは、自分では判断しにくい部分です。実際に弾いてもらいながら、一緒に確認します。手ぶらでOK。楽器はこちらで用意します。
体験レッスンを申し込む →大阪市西区南堀江/桜川駅・西大橋駅から徒歩5分(四ツ橋・JR難波も10分圏)・手ぶらOK