こんにちは、大倉ギター教室代表の大倉です。
2026年8月26日に公開された Quad Cortex の新 OS 「CorOS 4.1.0」。日本ではその翌朝にあたる8月27日の午前、レッスンで毎日使っている Quad Cortex Mini をさっそく更新しました。実測と第一印象の最速レビューです。
結論から言います。今回の 4.1.0 は、「X シリーズ本格解禁+アンビエント系充実」の、待ち侘びたアップデートです。
私の判断は「直近に本番がなければ、上げてOK」。見送りでいい人の条件も含め、判断材料は記事後半にまとめました。
今回は、
- アップデート実録(実測約42分・つまずき先回り)
- 本命 John Mayer X 解禁(アンプ4種の正体と印象)
- 新デバイス8種の正直な第一印象
- Device Presets などの細かい進化と「上げるか・様子見か」
の4本柱で、本音でレビューします。
この記事を書いた人:大倉 甲(大倉ギター教室 代表)。ジャズを軸にギターを教えて20年。教室は大阪市西区(南堀江)。Quad Cortex Mini を毎日のレッスンとライブで半年使用。本記事もリリース翌朝に実機を更新して執筆。
1. アップデート実録:実測「約42分」
本体に更新通知が来ていたので、レッスンのない午前中に実行。普段から Mini はパソコンと有線(USB)接続なので、前回の 4.0 と同様に有線のまま行いました(画面は Wi-Fi 推奨です)。
実測タイム(Mini・有線USB)
- ダウンロード:24分05秒
- インストール:14分26秒(計38分31秒)
- 初回起動:3分50秒
- 合計:約42分
前回の 4.0(オリジナル Quad Cortex。実録はこちら)はダウンロード〜インストール完了で約1時間。同区間38分31秒の今回はだいぶ速い。ただ回線次第なので「1時間コース」で見ておくと安全です。
【⚠️重要:これからやる人へ】 インストール中はタッチもスイッチも効かず、音も出ません。途中の電源断は厳禁。始めたら小一時間は弾けないので、ライブやリハの当日にやるのは絶対にやめてください。また、公式は事前のバックアップを推奨しています(更新画面にも案内が出ます)。取ってから始めるのが安心です。
再起動後の初回起動は3分50秒。普段は約1分なので不安になりますが、私の個体で長かったのはこの1回だけで、以後は通常どおりです。
本体更新後にパソコンの Cortex Control(公式の編集アプリ)を開くと「CorOS Version Mismatch」と表示されます。故障ではなくアプリ側が古いだけで、公式ダウンロードページから 4.1.0 版を入れれば解決。本体単体は先に使えます。
私の環境ではプリセット(音色の設定一式)もキャプチャー(実機の音を写し取ったデータ)も無事で、動作も問題なし。
2. 本命:John Mayer X がついに解禁
ここからが本題。4.1.0 を待ち侘びた最大の理由が、2025年12月発売のプラグイン「Archetype: John Mayer X」(€199=日本円でおよそ3万円台・レートで変動)の解禁です。
①「プラグイン互換」とは?
Neural DSP はもともとパソコン用アンプシミュレーター(プラグイン)のメーカー。対応プラグインを買うと中身を Quad Cortex 本体でそのまま使えるのが「プラグイン互換」です。始まりは2024年7月31日の CorOS 3.0.0(第1号は Plini X)。今回 John Mayer X を含む5本が一気に対応し(ほかは Petrucci X・Misha Mansoor X・Rabea X・Tim Henson X)、現行の X プラグインが出そろいました。持っているプラグインの分だけ本体にアンプ・キャビ・エフェクトが追加される仕組みで、5本合計なら70以上になります。
私は Plini X(最初に互換化が発表された1本)を半年メインで使用(基本クリーン、歪みはクランチ)。JM X はこの日のためにセールで買って待っていた1本。本体でアカウントにログイン済みなら手続き不要で、更新後にはもうアンプが並んでいました。手間ゼロが気持ちいい。
② アンプ4種の正体と第一印象
中身は、Mayer 私物アンプの再現3台+合体1モード。Dumble も Two-Rock も実機はまず手に入らないブティックアンプの代名詞で、その「本人の個体」がモデルです。
| デバイス名 | 正体(公式発表) | 私の第一印象 |
|---|---|---|
| Headroom Hero | Dumble Steel String Singer #002(100W) | 一番好み。ライブ用プリセットに組込済み |
| Signature 83 | Two-Rock Signature #83 プロトタイプ(50W) | モデリング自体がレア。クリーンは一番得意かも |
| Smooth Operator | 1964年製 Fender Vibroverb(40W・15インチ) | 歪み始めが早い。実機タイプも好き |
| Three-in-One | 上記3台+各キャビを本人のブレンド構成で合体 | 目玉機能。音はほぼ「完成形」 |
お気に入りは Headroom Hero。公式も「巨大なクリーンヘッドルーム」を謳うモデルで、その名のとおり音量を上げても濁らないクリーンの余裕があります。さっそくライブ用ジャズプリセットに組み込み済みで、メインで使う候補です。
Three-in-One は、3台と各キャビを Mayer 本人の実ブレンド構成(セッティング・マイク位置・EQ 込み)で同時に鳴らす目玉機能。音はキャプチャーに近い「完成形」で、細かい追い込みができない分、好みならそのまま使う機能です。3アンプ+3キャビ同時で CPU 負荷は当然重め。
4種ともクリーンが素晴らしく、ピッキングの強弱に敏感。ジャズに限らず、クリーン主体の人にはど真ん中です。
③ 歪み・空間系・CPU負荷
歪みは Justa Boost(クリーンブースト)・Halfman OD(Mayer 私物の Klon Centaur 再現)・Tealbreaker OD の3種。お気に入りは Tealbreaker OD の TS モード(Ibanez TS-10 系/Bluesbreaker 系のデュアル仕様)。空間系は「いい意味で普通」、原音を大切にする実戦的なかかり方です。
注意点は CPU 負荷。私の環境では、JM X のアンプを組み込んだプリセットで CPU 58%(従来の Plini X 構成では56%)。支障はないものの JM 系は負荷高めの印象なので、エフェクトを盛る人はメーターを見ながら。
小ワザ:Neural DSP のプラグインはセールが定期的にあるので、対応発表前に安く確保しておくと解禁日にログインだけで使えます。私の JM X もそれです。
【無料と有料の整理】 4.1.0 自体は無料で、新デバイス8種や Device Presets は全ユーザーが使えます。プラグイン互換分(5本計70以上)は各プラグインの所有者のみ。体験版は本体で使えず、1ライセンスで3台まで有効化可です。
John Mayer X のような「憧れの音」は、音作りと弾き方の両輪で本領を発揮します。大倉ギター教室のエレキギターコースでは、Quad Cortex の音作りと、その音を活かす弾き方をセットでレッスンしています。機材の相談だけでも歓迎です。
3. 新デバイス8種をジャズ視点でレビュー
プラグインなしでも恩恵あり。無料の新デバイスが8種追加されました(すべてエフェクト系で、アンプは含まれません)。当日鳴らした第一印象を、「出番がない」も含め正直に書きます。
気に入った3つ
Crystal Delay(ディレイ):好みです。リバース(逆再生)にオクターブ上が混ざり、かかりにランダム性があって面白い。Chase Bliss の reverse mode を思い出す質感です。常用ではなく、ここぞの一瞬に差すピンポイント運用になりそう。
Glitch(Morph 系):「ついに来たか」。音を細かく刻んで再構成する飛び道具で、元は Misha Mansoor X 収録。ただセッティングがかなり難しく、使いどころはまだ掴めていません。ゆっくり研究します。
Vintage Digital(リバーブ):OTO Machines「BAM」を基にしたリバーブ。まず気に入ったのはフリーズ機能(鳴らした音をその場で持続保持)で、これが練習に地味に便利。リバーブ自体は美しいものの、第一印象は正直「普通に良い」止まりで、ホール系に揺らぎ(モジュレーション)を足したいとき用でしょうか。しばらく研究します。
残り5種の印象
Ring Modulator(Morph 系):金属的な響きの飛び道具。ジャズでは Gilad Hekselman がたまに使いますが、私は出番なし。
Arpeggio Delay(ディレイ):やまびこが分散和音のように動くディレイ。画面は分かりやすいものの実践的な使い道が思いつかず、CPU 負荷も高め。リバーブにうっすらかける実験はしてみたい。
Multivoicer(ピッチ系):Tim Henson X 由来のハーモナイザー(別の音程を自動で重ねる)。画面は良いのですが、私の音楽では使い所がなさそう。
Plugin Parametric-4(EQ):4バンドのパラメトリック EQ(補正帯域を選べるイコライザー)+ハイ/ローパスフィルター。名前からして、プラグイン側の音作りと歩調を合わせたデバイスと私は見ています。パライコ常用の私には選択肢の一つですが、既存 Parametric EQ との音質差は今のところ公式の言及なし。日常はこちら、細かい補正は既存の8バンド、と使い分けそう。
Douglas Shining Comp(コンプレッサー):Darkglass「Hyper Luminal」基の、音量のばらつきを整えるコンプ。私には少しきつめの印象で、出自からしてもベース向きかもしれません。
4. Device Presets と細かい進化
今回いちばん「すごく痒い所に手が届く」のが Device Presets。設定をプリセット丸ごとではなく、アンプやエフェクト1個単位で保存・呼び出しできるようになりました。
- 自分の設定(User Device Preset)は対応デバイスごとに最大32個
- 公式チーム制作の Factory Device Preset が2,000以上付属
- 入出力(I/O)設定と Global EQ も保存可
- デバイスの初期値を自分好みに変えていた場合、その値は「My Default」として自動保存(元の値は「Neural DSP Default」として残る)
なお本体のリリースノート画面では、キャプチャー(Neural Captures)は対象外とありました。
公式2,000プリセットは私の好みには派手め。そのまま使うことはなさそうですが、エフェクトごとのおすすめ設定=音色作りの教材としては優秀で、迷ったとき試す価値あり。
デュアルフットスイッチアサインも追加。対応デバイスの2つ目の機能を、オン/オフと独立に別のスイッチへ割り当て可能。対応は Vintage Digital・Aeons Reverb(Rabea X)・Laser(Misha Mansoor X)の3つ。Vintage Digital は無料組なので誰でも試せます。可能性を感じる機能です。
Favorites/Recent も刷新。よく使う項目をプリセット・キャプチャー・IR(キャビの鳴りデータ)別に各64件まで保存でき、操作性アップに期待。ほかに Mono Synth の「Overlord Synth」改名、USB オーディオの安定性向上、Cortex Control の複数台管理など改善多数。
5. 今すぐ上げる人・様子見でいい人
私は翌朝に上げましたが、全員が急ぐ必要はありません。判断材料を置いておきます。
今すぐ上げていい人
- 直近にライブや本番の予定がない
- 対象プラグイン(今回の5本)を持っている——恩恵が最大の層
- 新デバイス8種や Device Presets を早く試したい
少し様子見でいい人
- プラグインを持っておらず、新エフェクトにも今は興味が薄い
- 大型アップデート直後の不具合報告を見てから動きたい慎重派
急がなければ、数週間待って損はありません。上げるなら、時間に余裕のある日にどうぞ。
まとめ:アップデートは最高のイベント
CorOS 4.1.0 は、「X シリーズ本格解禁」と「アンビエント系充実の無料デバイス8種」が同時に来た、待った甲斐のあるアップデートでした。John Mayer X のアンプはさっそくライブ用プリセットの一軍入りです。
ある朝突然、手元の機材が進化する。何度経験しても、アップデートはワクワクする最高のイベントです。次も楽しみに待ちます。
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大倉ギター教室 代表:大倉 甲
よくある質問(FAQ)
Q. Quad Cortex Mini でも 4.1.0 は使えますか?
A. 使えます。両機種に無料提供で、新デバイス8種もプラグイン互換も Mini で動きます(レビュー自体 Mini で検証)。
Q. アップデートの所要時間は?
A. 私の実測(Mini・有線USB)で合計約42分。回線次第なので1時間見ておくと安心です。終了後はパソコン側 Cortex Control の更新も必要。ライブ当日は避けてください。
Q. プラグインを持っていなくても価値はありますか?
A. あります。新デバイス8種・Device Presets・Favorites 刷新などは全ユーザー無料。プラグイン互換分だけは各プラグインの所有者のみ使えます。
Q. プリセットやキャプチャーは消えませんか?
A. 私の環境ではすべて無事でした。ただし公式は事前バックアップを推奨しています。取ってから実行してください。
「使いこなせるか不安」という声、よく聞きます
Quad Cortex を検討中の方から、いちばん多いのがこの相談です。すでに Mini を使い始めた生徒さんとは、おすすめのセッティングをレッスンで一緒に考えています。記事に出てきた Mini はレッスン室の現役機材なので、気になった音はその場で鳴らせます。購入前の相談だけでも構いません。
大阪・西区(南堀江・なんばからも近い)。ギターは教室のものを使えます。