「Bye Bye Blackbird(バイバイ・ブラックバード)」は、ジャムセッションでよく取り上げられるミディアム・スウィングの定番曲です。テーマは覚えやすいのに、アドリブになると「最初の4小節、ずっとFコードでいいの?」と手が止まる——ここが独学でつまずきやすいポイント。このページでは、進行のコツと、この曲ならではの「3度の音を体に入れる」使い方まで、演奏動画・譜例つきでまとめます。
この曲はテーマが「キーの3度」の音から始まります。だから “3度(メジャー3rd)の響き” を耳と指に入れる練習曲としてちょうどいいんです。
アドリブの肝は、楽譜に「F」と書かれた最初の4小節を、実際には演奏者がコードを足して料理していくこと。やらないこと=難しいリハーモナイズを丸暗記すること。まずは「今どのコードか」をコードトーンで感じられるようにするのが近道です。
Bye Bye Blackbirdテーマ・アドリブ演奏
元のメロディがわかりやすいように、なるべくシンプルに演奏しています。まずは音で、テーマの流れと雰囲気をつかんでください。
Bye Bye Blackbirdのコード進行
特に指定がなければ、キーは F で演奏することが多い曲です。

演奏スタイル(テンポ、リズム)
もともとは Peggy Lee がスローで歌っていました。現在では、マイルス・デイヴィスが演奏していたアレンジでセッションに掛かることが多く、そのためミディアム〜ファストのスウィングで演奏するのが一般的です。
Bye Bye Blackbirdのポイント
アドリブソロでよくある質問が、最初の4小節をどう考えるかです。楽譜上はずっと F コードが書かれている場合が多いのですが、実際の演奏では臨機応変に変更していきます。具体的には——
|F |F |F |F |(元の進行)|F |Gm C7|F |Gm C7||F |B♭M7|Am7|D7 ||F/C|F/C|F/C|F/C|
など、たくさんのコード進行が考えられます。どれが正解ということはなく、色々な録音を聞いて研究してみましょう。
この曲で練習すること
上の4つの進行は「暗記メニュー」ではありません。コードトーン(各コードの構成音)を追う練習の教材として使うのがおすすめです。次の3ステップで進めてみてください。
① テーマが「3度」から始まることを、耳と指で確認する
キーFで弾くと、テーマの最初の音はキーの3度(=A)です。この「キーの音(F)に対する3度の響き」を、曲ごと覚えておくと便利。音程(インターバル)を理屈で覚えるより、「あの曲の出だしの音程」として体に入れてしまうのが、大倉のおすすめの覚え方です(音程(インターバル)の覚え方(準備中))。
② 最初の4小節を、コードトーンで弾き分ける
同じ「Fのところ」でも、上の②〜④では鳴っているコードが違います。まずは各コードの1・3・5・7を弾いて音を確かめ、慣れてきたら3度と7度だけをつないでみましょう。たとえば②の Gm C7 はⅡ-Ⅴ。C7の7度(B♭)→ Fの3度(A)へ半音で下りるだけで、「解決した」感じがはっきり出ます。3度・7度はコードの色を決める音なので、ここが見えると進行を「感じながら」弾けるようになります(コードトーンのマスター|1357の展開・接続・デジタルパターン)。
③ コードトーンに「寄り道の音」を足してソロにする
コードトーンだけでもソロは作れますが、そこにコードトーンへ着地するための経過音(アプローチノート)やスケールの音を足すと、ぐっと歌うようになります。まずは②のⅡ-Ⅴで、狙ったコードトーンの半音手前・全音手前から入る、を試してみてください(アプローチノート入門|コードトーンへ「どう向かうか」)。
※「音程の覚え方」の教則ページは準備中です。教室では今日から学べます → 体験レッスン
「今何度跳んだか——インターバル(音程)は、曲で覚えてしまうんです。たとえば Bye Bye Blackbird なら『3度の音から始まってんねや』と覚えておく。マイナー3度を取りたければ Alone Together の出だしを思い出す——『あ、これマイナー3度や』と出てくる。何かの曲で覚えておくといいですよ。」
── 大倉(大倉ギター教室・講師歴20年)
Bye Bye Blackbirdについて
1926年に、Gene Austin と Nick Lucas が録音。作曲は「Ray Henderson」、作詞は「Mort Dixon」です。
この曲をジャズミュージシャンが初めて取り上げたのが映画「Pete Kelly’s Blues(ピート・ケリー物語)」で、この中でペギー・リーがバラードで歌っています。その翌年にマイルス・デイヴィスが録音し、ジャズミュージシャンのスタンダード曲として定着しました。特にこのマイルス・バンドのピアニスト「レッド・ガーランド」が弾いたイントロは有名で、定番のイントロとしてよく使われます。
参考音源
上でも取り上げたペギー・リーの録音です。キーは A。冒頭から五度の音を上げていくアレンジがいいですね。歌の冒頭4小節のコードは |A A♯5|A6 AM7|Bm7 E7|AM7/D♯m7♭5 Dm7| と動いています。
マイルス・デイヴィスの演奏です。この曲は必ずこの録音を聞きましょう。
あまりオーソドックスなスタイルではないですが、注目のボーカリスト Cyrille Aimee です。この曲では珍しく、イーヴン系での演奏です。
次に読む・あわせて弾く
- 🎵 Alone Togather(この曲で「マイナー3度」の音程を覚える・本曲と対になる姉妹曲)
- 🗺 ジャズスタンダードを学ぼう!(スタンダード曲の学習インデックス)
最初の4小節を「コードトーンで感じる」ところまで、一緒に
楽譜どおりに弾けても、アドリブで「今どのコードか」を感じられているかは、自分では気づきにくい部分です。実際に弾いてもらいながら、どこを聴けばいいかを一緒に確認します。手ぶらでOK。楽器はこちらで用意します。
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