ボサノバの基本リズムパターン3つ|右手の弾き方を譜例付きで解説
コードを覚えたら、次はリズムパターン。ボサノバらしさの8割はリズムで決まると言っても過言ではありません。
この記事では、ジャズギター講師の大倉が、ボサノバ専任講師・播磨先生に基本の3パターンを教えてもらいます。まずはパターン1だけで十分——ジョアン・ジルベルトもこれだけで1曲通しています。大倉ギター教室のボサノバコースでも実際に使っている練習ステップです。
まだ基本コードを覚えていない方は、先にこちらをどうぞ。
▶ボサノバで使う基本コード6選|初心者でも押さえやすいフォームを解説
ボサノバのリズムは「2拍子」で考える — 弾く前に知っておくこと
リズムパターンの練習に入る前に、ボサノバの”拍子感”を押さえておきましょう。ここを飛ばすと、どれだけ練習しても「なんか違う」演奏から抜け出せなくなります。
右手の基本フォームを確認しよう
リズムパターンに入る前に、右手の指の名前と基本フォームを押さえておきましょう。
- p(プルガール) = 親指 — 低音弦担当、リズムのアクセントの要
- i(インディセ) = 人差し指 — リズム弦担当
- m(メディオ) = 中指 — リズム弦担当
- a(アヌラール) = 薬指 — リズム弦・メロディ担当
m(中指)とa(薬指)は各指の間隔を開けず、指の脇を閉めて構えます。各指を同一方向に弾弦して、粒の揃ったシャープな音色を目指しましょう。
練習の全体像を知りたい方はこちらもご覧ください。
▶ボサノバギターの練習は何から始める?効率的な上達ロードマップ
パターン1 — これだけで1曲弾ける最重要パターン
最初に覚えるべきは、ボサノバの最も基本的なリズムパターンです。ジョアン・ジルベルトが得意とし、さまざまな曲で頻繁に使っているパターンでもあります。
- p(親指)のアクセントを最優先に意識する
- 1拍目は全弦を弾き、あとは親指とフィンガーの交互
- まずはゆっくりのテンポで、等間隔(イーブン)を意識
- これだけで1曲通しても全然おかしくない
大倉ギター教室のボサノバコースでは、まずこのパターン1を安定して弾けるようになることを最初の目標にしています。生徒さんのレベルに合わせてテンポや練習曲を柔軟に調整しています。
パターン2 — シンコペーションを加えた発展形
パターン1が安定して弾けるようになったら、次のステップです。パターン1に小節をまたぐシンコペーションを加えたのがパターン2です。
実際の演奏では、シンコペーションの位置は曲の中で変化します。
- 2〜3小節目がシンコペーションしたり
- 最初からシンコペーションで入ったり
- 数小節ごとにときどきシンコペーションが入ったり
まずは譜例通りの2小節パターンを安定させることが先です。バリエーションはその後で十分間に合います。
シンコペーションをもっと深く学びたい方は、こちらの記事で詳しく解説する予定です。
(近日公開予定)
パターン3 — 軽快なテンポの曲に使える万能タイプ
3つ目は、軽快なテンポの曲に効果的な万能タイプのパターンです。いろいろな曲に使えるので、パターン1・2と合わせて覚えておくとレパートリーが広がります。
- 全体をスタッカート気味に軽快に
- シンコペーション部分でもベースのアクセントを保つ
- 2小節目の2拍目ウラでノリを整える
- ただし、まずパターン1が最優先
リズム練習でよくある失敗と改善のコツ
3つのパターンを紹介しましたが、ここで多くの人がつまずくポイントをまとめます。
失敗1:イーブンに弾けていない
ジョアン・ジルベルトがサンバのリズムをイーブンにしたことがボサノバ誕生の核心です。スウィング感やグルーヴを出そうとして揺らすのではなく、まず「きっちり等間隔」を目指しましょう。
失敗2:のめり込んでリズムが崩れる
曲に入り込むとテンポが走ったり、アクセント位置がずれたりしがちです。特にシンコペーション部分で前のめりになりやすいので、常に親指のベース音でリズムを立て直す意識を持ちましょう。
失敗3:いきなり3パターン全部やろうとする
右手の指の独立がまだ不十分だと感じる方は、アルペジオの基礎練習が効果的です。
(近日公開予定)
まとめ:ボサノバの基本リズムパターン3つ
- パターン1(最重要):親指のアクセントを軸にした最も基本のパターン。これだけで1曲通せる
- パターン2:パターン1にシンコペーションを加えた発展形。2小節ごとに練習
- パターン3:軽快なテンポ向けの万能タイプ。スタッカート気味に弾く
大前提として「ボサノバは2拍子」。各拍頭にアクセントを置くことを忘れずに。まずはパターン1をイーブンに、安定して弾けるようになることを目標にしましょう。
大倉ギター教室のボサノバコースでは、生徒さんのレベルや経験に合わせてリズムパターンの練習メニューを柔軟に調整しています。一人で練習していて「これで合っているのかな?」と不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。
播磨先生のYouTubeチャンネルでは、実際の演奏を動画で見ることができます。譜面だけではわかりにくいリズムの「ノリ」を、ぜひ耳と目で確認してみてください。
▶ Bossa Nova Guitar HARIMA(YouTube)
よくある質問
監修:播磨正明(はりま まさあき)
大倉ギター教室ボサノバギター専任講師。ギター歴40年超。高校1年でギターを始め、アントニオ・カルロス・ジョビンの音楽に衝撃を受けブラジル音楽に傾倒。1984年に三原淑治氏に師事、1991年NYでJoe Beck氏・Rick Stone氏に師事し現地セッションに参加、1993年LAでJohn Pisano氏に師事しブラジル音楽のハーモニーエッセンスを習得。1994年より日本ボサノバギター第一人者・佐藤正美氏に師事。2024年YouTubeチャンネル開設。
