こんにちは、大倉ギター教室代表の大倉です。
2026年1月21日、NAMM Showにて発表された「Quad Cortex Mini」。
噂にはなっていましたが、実際に発表されるとやはり衝撃的ですね。
今回は、速報として「価格・スペック・従来機との違い」をまず整理し、その上で「現在オリジナルQCを使用している私ならどう使うか」という視点でレビューしていきたいと思います。

1. まず結論から:価格、発売日、何が変わったのか?
読者の皆さんが一番気になっているであろう情報をまとめました。
- 製品名: Neural DSP Quad Cortex Mini
- 米国価格: $1,399
- 日本国内予想価格: 約21万円前後(為替・税考慮)
- 最大の特徴:
- オリジナルと同じDSPパワー(音質・処理能力は全く同じ)
- 7インチタッチディスプレイ搭載(操作性も同じ)
- サイズは約半分、フットスイッチは4つに
つまり、「中身はフラッグシップそのままで、体だけ小さくなった」モデルです。フットスイッチの数等、見た目に違うところが違いです。
2. 徹底比較:Mini vs Original vs Nano
Neural DSPのラインナップがこれで3つになりました。「どれを選べばいいの?」という方のために、比較表を作成しました。
| 特徴 | Quad Cortex Mini (新製品) | Quad Cortex (Original) | Nano Cortex |
| ポジション | 持ち運べるフラッグシップ | スタジオ・司令塔 | キャプチャー再生専用 |
| 音質・DSP | オリジナルと同等 (2GHz Quad-Core) | 最高峰 (2GHz Quad-Core) | 再生のみに最適化 |
| 画面 | 7インチ タッチ | 7インチ タッチ | なし (スマホ操作) |
| スイッチ | 4つ | 11つ | 2つ |
| キャプチャー | 作成&再生 | 作成&再生 | 作成(簡易)&再生 |
| サイズ感 | ペダルボードに収まる | 大型マルチサイズ | ストンプボックス |
ここがポイント: Nano Cortexが出た時、「画面がないのが不便」「キャプチャーを作る機能が制限されている」という声がありましたが、Miniはその不満をすべて解消しています。まさに**「我々が本当に欲しかった小型版」**と言えるでしょう。
3. ジャズギタリスト視点でのレビュー:スイッチ「4つ」で足りるのか?
小型化の代償としてフットスイッチが11個から4個に減りました。ここを懸念する声も多いですが、私の結論は**「私のスタイルなら、Miniで十分」**です。
ジャズやブルースのセッション、あるいは歌モノのバックでの演奏において、1曲の中で激しく音色を切り替えることは稀です。
- 基本のクリーン/クランチ
- ソロ用のブースト
- 空間系(リバーブ・ディレイ)のON/OFF
これくらいであれば、4つのスイッチで余裕を持って対応できます。もし足りなければ、MiniはMIDI対応なので外部スイッチを増設すれば良いだけのこと。 むしろ、**「ペダルボードのスペースを圧迫しない」**というメリットの方が、スイッチ減少のデメリットを上回ると感じています。

4. 音質面:新機能「Phase Doctor」と愛機への影響
今回の発表に合わせて公開されたOS「CorOS 4.0」の新機能、**「Phase Doctor(位相補正)」**にも注目しています。
私がメインで使用しているMoffa Guitarのような箱モノ(フルアコ・セミアコ)は、空気感や鳴りが命です。しかし、複数のマイクやラインを混ぜる際、「位相(Phase)」がズレていると、そのふくよかさが一瞬で損なわれてしまいます。 この機能が自動で位相を整えてくれるなら、ライブやレコーディングでの音作りが劇的に楽になるはずです。これは非常に嬉しい機能追加ですね。
5. 大倉流・機材の使い分けシミュレーション
私は現在オリジナルQCを所有していますが、もしMiniを導入した場合、以下のように明確に役割を分けるつもりです。
- 母艦(Quad Cortex Original):スイッチがたくさん欲しい時
- 自宅スタジオでのじっくりとした音作り。
- 一曲の中で多数のシーン切り替えが必要な、複雑な楽曲の演奏時。
- レッスン室での据え置き用として。
- 機動力(Quad Cortex Mini):セッション、ライブ、ボードへの組み込み
- ふらっと参加するジャムセッション。
- 手持ちのアナログエフェクター(OD-1やCE-2など)と組み合わせた、コンパクトなペダルボードを組む時。
「今日はスイッチ操作が忙しいぞ」という日はオリジナルを、「今日は身軽に良い音を出したい」という日はMiniを。この使い分けができるのが理想的ですね。
6. 初心者に「20万円のMini」は勧められるか?
教室の代表として、これからギターを本格的に始める生徒さんにこれを勧めるか? 価格は約20万円超えと高価ですが、私の回答は**「自由度と音質を考えれば、間違いのない選択」**です。
もちろん、最初はもう少し安価なモデルから入るのも賢い選択です。しかし、Miniのサウンドはプロの現場でそのまま使えるクオリティです。「良い音で練習する」ことは上達の近道でもあります。予算が許すのであれば、最初からMiniを手にして、長く相棒として付き合っていくのも素晴らしい投資だと思います。
まとめ
Quad Cortex Miniは、単なるダウンサイズ版ではなく、現代のギタリストのライフスタイルに合わせた「本気の小型機」です。 機材の重さから解放されて、純粋に演奏を楽しむ。そんな体験をさせてくれそうな一台です。
大倉ギター教室でも、導入を前向きに検討中です。実機を触れる日が楽しみですね。
大倉ギター教室 代表:大倉 甲