ただしシンコペーションはパターン1が完全に安定してから取り組むべきステップです。順番を間違えると頭より体が混乱し、基本のリズムまで崩れてしまいます。
この記事では、パターン2・パターン3のシンコペーションを段階的にマスターする方法を解説します。パターン1をまだ練習中の方は、先にこちらを確認してください。
ボサノバの基本リズムパターン3つ|右手の弾き方を譜例付きで解説
執筆:大倉甲(大倉ギター教室代表・ジャズギター講師歴20年)/監修:播磨正明(ボサノバ専任講師・ギター歴40年超)
シンコペーションとは — 拍の裏から「食って入る」リズム
パターン1の2拍目には付点8分音符のシンコペーションが含まれています。このシンコペーション部分にアクセントが付きがちですが、大事なのは2拍目の4分音符のベース(p)にしっかりアクセントをキープすること。パターン1でこれができていないなら、まだシンコペーションの練習に進む段階ではありません。
なぜパターン1が安定してからでないといけないのか
1. パターン1を安定して弾けるか — テンポを落としても崩れないか
2. 親指(p)のアクセントがキープできているか — 2拍目のベース音が弱くなっていないか
3. イーブンに弾けているか — 録音して聴き返して、音の間隔が均等か
4. パターン1だけで1曲通して弾けるか — 途中でリズムが崩れないか
大倉ギター教室のボサノバコースでは、パターン1の安定度を確認してからシンコペーションに進むカリキュラムを組んでいます。
パターン2 — 小節をまたぐシンコペーション
パターン2の練習ステップ
まずは譜例のとおり、1〜2小節目をシンコペーション→3〜4小節目は通常パターン、という2小節ごとの一定のリズムパターンで練習します。毎回同じ位置でシンコペーションが入るので、体に覚えさせやすい。
慣れてきたら、シンコペーションの入る位置を変化させます。2〜3小節目にシンコペーションを入れたり、最初からシンコペーションで始めたり。実際の演奏ではシンコペーションの位置は自由に変化するので、この柔軟性が大事です。
最終的には、曲の流れに合わせて自然にシンコペーションを入れたり外したりできる状態を目指します。「ここで食って入りたい」と感じたところで入れる——この感覚は演奏経験を積むことで身についていきます。
パターン3 — 軽快なシンコペーション(万能タイプ)
1. 次の小節の1拍目ベースアクセントを保つ
1〜2小節目の小節をまたぐシンコペーションで「食って」も、次の小節の1拍目のベース(p)のアクセントはしっかり保つ。これがリズムの安定の要です。
2. 2小節目の2拍目ウラの8分音符で「ノリを整える」
i・m・aの最後のリズム部分にあたるこの8分音符で、ノリを整える要領で弾く。ここが次の小節への橋渡しになり、リズム全体の流れが滑らかになります。
シンコペーションの名曲で「本物のノリ」を耳で覚える
おすすめ:エドゥ・ロボ「Casa Forte(カサ・フォルチ)」
ジョアン・ジルベルトの演奏全般
ジョアン・ジルベルトの演奏はシンコペーションの教科書です。パターン1の安定した2拍子の中に、絶妙なタイミングでシンコペーションが入る。特に「Desafinado」や「Samba de Uma Nota So」はシンコペーションが効いたリズムが特徴的です。
2拍子とイーブンの本質についてはこちらで詳しく解説しています。
▶ボサノバのリズムの本質|「イーブン」と2拍子をバンドでも崩さないために
▶ボサノバギターのおすすめ練習曲10選|初級〜中級レベル別に紹介
まとめ:パターン1→パターン2→パターン3の順番を守る
1. シンコペーション=拍の裏から「食って入る」 — イーブンな16分音符の上で起きるのがボサノバ特有
2. パターン1が安定してから進む — 4つのチェック項目をすべてクリアしてから
3. パターン2 — 小節をまたぐシンコペーション。まず2小節ごとの一定パターンから
4. パターン3 — 軽快な万能タイプ。スタッカート気味に弾く。2拍目ウラでノリを整える
5. 親指のアクセントを絶対に崩さない — シンコペーションで最もよくある失敗
6. 聴いて覚える — Casa Forte、ジョアンの演奏がシンコペーションの教科書
大倉ギター教室のボサノバコースでは、パターン1の安定度を確認してからシンコペーションに段階的に進むレッスンをしています。
「シンコペーションのタイミングが合っているか確認したい」方へ
播磨先生がリズムの正確さを目の前で直接チェックします。
よくある質問(FAQ)
大倉ギター教室 ボサノバギター専任講師。ギター歴40年超。高校1年でギターを始め、アントニオ・カルロス・ジョビンの音楽に衝撃を受けブラジル音楽に傾倒。1984年三原淑治氏に師事、1991年NYでJoe Beck氏・Rick Stone氏に師事しセッション参加。1993年LAでセルジオ・メンデス等ボサノバの名手と共演してきたJohn Pisano氏に師事。1994年より日本ボサノバギター第一人者・佐藤正美氏に師事し、大阪ライブで前座・共演を重ねる。2024年YouTubeチャンネル「Bossa Nova Guitar HARIMA」開設。
▶ YouTube:Bossa Nova Guitar HARIMA
