“真空管 vs. デジタルアンプ”サウンドの違いと選び方

最近は小型のデジタルアンプがもの凄い勢いで発展しています。
そこで伝統的な真空管アンプとデジタルアンプをどちらを選んだらいいのかのヒントになるような事を僕の経験からくる考え、一般的な考え方をまとめてみました。

目次

真空管アンプ、デジタルアンプのメリットとデメリット

まずはメリットとデメリットについてです。
なんとなくでもこれらの事をイメージしておくとわかりやすくなります。

真空管アンプのメリット

  • レスポンスが早い
  • 音色が暖かく立体的、表情が豊か
  • アナログ回路なので修理が可能
  • 弾き手の実力が反映されたトーン

とにかく音がよくダイナミクスの表現が得意なのが真空管アンプの特徴です。
音がいいの一言に尽きます。

真空管アンプのデメリット

  • アンプそのものが重い
  • 真空管の交換が必要(コストがかかる)
  • 安定しない時もある
  • 劣化するとノイズが出やすい

真空管アンプはとにかく重い物が多く車での移動でも持っていくには覚悟が必要です。

最大のデメリットとしては真空管の交換時にかかるコストでしょうか。
昨今真空管の価格高騰が止まりません。使用している真空管の種類、本数にもよりますが機種によってはかなりの出費になります。
ちなみに真空管の寿命は一般的には数千から数万時間と言われています。使い方、種類、個体差が大きいので体感上は5000-7000時間程度かなと考えています。

デジタルアンプのメリット

  • 安価で幅広い音色が出せる
  • 軽くて、コンパクトな物が多い
  • 基本的にはメンテナンスフリー
  • アップデートで新しいサウンドが追加される場合が多い
  • 録音するにはいい状態のアンプの音をそのまま録音できる

値段に関してはピンキリですが、最近では安価な物でもすごい良くなってきました。もちろん値段に比例してクオリティも高くなると考えていいです。

重量、サイズも小さいものが多くコンパクトで簡単に持ち運びできます。
真空管の交換も当然ですが必要なく特にメンテナンスの必要はないです。

一番の特徴はものすごい数の音色を出せる所です。フェンダーのクリーントーン、マーシャルの歪みとにかくどんな音色でも出すことができます。

録音の現場においてのデジタルアンプの優位性は高く、名器と言われるアンプを最高の状態で録音することができます。実際に録音された物を聞くと本物のアンプと聞き分けることはできないです。

デジタルアンプのデメリット

  • 音色が平面的になりやすい
  • レイテンシーがわずかにある
  • 一度故障すると自分では修理できない
  • ダイナミクスの表現が苦手
  • 操作が複雑な物が多い

デジタルアンプの最大のデメリットは演奏感でしょうか。録音された物ではわからないのですが自分で弾いてみると何かが違うと感じてしまいます。
それはダイナミクスの追随なのか、音のレスポンスなのかはわからないですが、ほんの少し違和感があります。
歪みの音色では僕自身はあまり感じないのですがクリーントーンでは感じてしまいます。

レイテンシーについてですが一般的にデジタル機材は2msのレイテンシーがあると言われています。実際に演奏していて無視できるレベルですが存在していることは忘れない方がいいです。

あと最近では簡単になってきたと言ってもギター初心者には少し操作が複雑です。触っているうちに覚えれるでしょうが、専門用語も多いですし最初は戸惑うことも多いと思います。

ケース別に考える: 真空管アンプとデジタルアンプの選択肢

では真空管アンプとデジタルアンプどちらを選ぶのが正解なのでしょうか?

僕自身は色々試した結果真空管アンプを自分自身も使用し生徒さんにもおすすめしています。
しかし人それぞれなので用途別、ケース別に考えてみようと思います。

真空管アンプがおすすめな人

  • 本格的にギターの上達を考えている
  • クリーン系の音色をよく使う
  • 歪みの音色はエフェクターで作る

真空管アンプのメリットを考えています。
タッチに忠実な分上達には近道ですしいい音色を自分の腕で作り上げる意識ができます。
操作もシンプルでわかりやすいです。

デジタルアンプがおすすめな人

  • とにかく色々なアンプや音色を試してみたい
  • ヘッドフォンでの練習が中心
  • 歪み系の音色をよく使う

ごく小音量やヘッドフォン中心での練習には最適です。
またあらゆる音色も出せるためいろんなアンプの音の傾向を覚えるのにも役立ちます。
操作性さえなれてしまえばお手軽なものも多いので初心者の方にもおすすめできます。

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